Special

世界を知ることで視野と価値観を広げ
国際社会で活躍するチカラを身につける!
海外留学座談会<イギリス編>

特 集

2022.10.21

経済活動やビジネス、文化、人の交流など、さまざまな場面でグローバル化が加速する現代。これからの社会で活躍するためには、世界で通用する言語の習得や多様性への理解が求められ、学生時代に海外での学びや生活を体験したいと考える人が、年々増加しています。そうした時代の要請に応えるため、京都橘大学国際英語学部では2017年度生から、全学生が1年間海外留学を経験できる留学プログラムSAP(Study Abroad Program)をスタート。
今回、イギリス留学から帰国した国際英語学部3回生・吉江凌さんと、 国際英語学部長・佐久間浩司先生にインタビューしました。留学での学びのおもしろさやそこで得られる成長、京都橘大学ならではのサポート体制について語り合っていただきました。

国際英語学部 国際英語学科 佐久間 浩司 教授
<専門分野>
金融/ファイナンス

<研究テーマ>
・マクロ経済学、国際金融

吉江 凌 さん
国際英語学部 国際英語学科 3回生
留学先:イギリス・スターリング大学

※撮影時のみマスクを外しています

Q/まず、国際英語学部での学びの特徴と、なかでも2年次に実施される留学プログラムについてお聞かせください

佐久間高い語学力の育成と進路に応じた3つの専門教育を通して、将来、国際社会で活躍する人材を育むのが本学部の狙いです。そのなかで2年次に行われる留学プログラムSAPは、自分自身で世界を体験する貴重な学びの場となっています。特に、本学ならではの特徴としては、海外留学はカリキュラムのひとつであり、学生全員が履修すること。そして、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシアの6カ国・全17大学の幅広い選択肢のなかから、個々の能力や目的に応じて自由に行き先を選択できます。さらには、英語力を身につけることを主目的にした語学留学にするか、語学留学にとどまらず正規の授業を履修するかを選べるのも、魅力のひとつといえるでしょう。

吉江くんが選んだのは、17大学のなかでも最も難度の高いイギリスのスターリング大学ですが、数ある選択肢のなかで一番難しい大学を選んだのはなぜですか?

吉江まさに「一番難しい」からです。もともと英語を学びたくて国際英語学部に入学したのですが、高校生時代はさほど留学に興味はなかったんです。でも、大学では必須科目として留学できることを知って、「どうせ行くなら、一番ハイレベルなところに行って学ぼう!」と(笑)。国や大学で選んだというよりは、学ぶ環境で選んだという感じですね。

佐久間行きたい国や大学で選ぶ学生が多いと思っていたから、ちょっと意外でした。しかも、吉江くんはスターリング大学の正規の授業も受講しましたね。

吉江はい。宗教学、言語学、心理学の3科目を受けました。自分自身、つねに目標を立ててそこに向かって頑張りたいという思いがあったので、まずはスターリング大学へ留学することを目標に1年次は英語の勉強を必死でやりました。それで、その次の目標が、留学先の大学でも専門科目を学びしっかりと成績を上げること。そんなふうに次々と挑戦していくことで、大きなモチベーションにつなげていけた気がします。

Q/留学の“準備期間”に当たる1年次では、どのような学びやサポートがあるのでしょう

佐久間まず挙げられるのは、英語の4技能を統合的に学ぶ「EAP(English for Academic Purposes)」で、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能を包括的に学び、海外での実践力を鍛えます。あと、国ごとに分かれて留学先での授業の受け方やプレゼンテーションの方法、レポートのテーマ決定などを学ぶ「留学プログラム演習」など、海外で学ぶための知識やスキルを養う授業を設けています。

吉江私が一番力を入れたのはEAPの授業です。正規授業を受けるには単に話せるだけでなく、聞く力や書く力など、総合的なコミュニケーション能力が必要になるので、4技能すべてを鍛えられたのは本当に助かりました。自分自身の足りていない技量は何なのかということにも気づけたし、ネイティブの先生をはじめ先生方から的確なアドバイスをいただけたのですごく安心でした。

佐久間そうした手厚いサポートを実現できるのも、少人数制の強みだといえるでしょうね。1クラス15人で密度の高い授業を行うことで、私たち教員も学生一人ひとりの顔と名前がしっかり把握できる。職員会議の場でも「学生がこういっていた」ではなく「吉江くんがいっていた」と、個別の名前が挙がってくるほど(笑)。

吉江先生方との距離も近いし、友人との関係も築きやすくてすぐに仲良くなれました。人数が少ない分お互いにじっくりと話せるというか、情報交換しながら一緒に留学準備を進められたので、とっても心強かったですね。

Q/留学先での苦労や失敗談、楽しかったことなど、心に残るエピソードを教えてください

佐久間吉江くんは1年次の1年間でしっかりと準備ができたようだし、英語力もずいぶん伸びていたから、順調にスタートできたのでは?

吉江それが、初っぱなから言語の壁にぶつかってしまったんです。というのも、スターリング大学のあるスコットランドはイギリスのなかでも非常に地域独特のしゃべり方で、言葉を聞き取ることさえも難しい状態でした。特に生粋のスコットランド人の言葉は今まで聞いてきた英語とまったく違うもので、話が通じなくて本当に苦労しました。

佐久間学生の皆さんが留学している間、私たち教員の大きな仕事は精神的なサポートやアドバイスをすること。何かあればオンラインで対話をするのだけど、一番多い相談ごとは、コミュニケーションができないことで精神的にヘコんでしまうというケースです。言葉も通じない、文化も風習も異なる環境で感じる不安感は、想像以上に大きなものですよね。ましてや吉江くんは正規の授業を取っていたから言葉が分からないプレッシャーは計り知れなかったと思います。

吉江もう本当にヘコみました(笑)。正直、留学前はけっこう勉強したし、自分の英語力に自信もありました。それが、いざ現地に行ってみたらまったく通じない訳ですから。

佐久間でも、吉江くんからのヘルプコールはありませんでしたね。だからすっかり安心していたんだけど…一人でどう乗り越えたのですか?

吉江とにかく場数を踏むしかないと、大学の友人や先生方はもちろん、寮のスタッフやお店の店員さんなど、さまざまな人と徹底的に会話をしました。自分自身で「ここで学ぼう」と決めたからには、弱音は吐きたくないなと。失敗しても恥ずかしくても何度もチャレンジしていくうちに、だんだんと言葉が通じるようになりましたね。失敗も成功も自分次第。自分の行動に自分で責任を持つ大切さを、改めて痛感しました。

佐久間それは頼もしいですね。でも、苦労したぶん成長できたのでは?

吉江そうですね。苦労はしたけどワクワク感のほうが大きかったし、正規の授業は楽しかったですね。やればやるだけ点数や評価など目に見える形で成果を感じられたし、イギリスはもちろん、アメリカ、カナダ、スウェーデン、パキスタン、インドなど、さまざまな国の友人との交流で多様な文化や価値観を学べたことも、とても勉強になりました。

Q/留学を経て、3年次からはコースに分れての専門教育がスタート。留学で得た経験や気づき、成長を、これからの学びにどう活かしていきたいですか?

佐久間吉江くんが選んだのは国際経済や国際金融などの専門知識を学ぶ「グローバルビジネスコース」だけど、将来の進路はもう決めていますか?

吉江明確に「この業界、この職種」というものはまだ決めていないのですが、やはり学んできた英語力を発揮できるところ行きたいですね。就職活動では、海外拠点を持つ企業や海外で事業を展開している企業を中心に考えているところです。

佐久間そういう意味でも留学経験はとても良い学びになったと思うけれど、留学を通して自分自身一番成長できたと思う点はどんなことですか?

吉江大きくふたつあって、ひとつはより主体性を持って行動できるようになったこと。もうひとつは、日本で過ごす日常のなかで「当たり前」と思っていたことが実は貴重なことだったと知り、改めて日本の良さを感じられたことです。特に人間性というか、日本ならではのおもてなしの文化やホスピタリティの高さは、海外に身を置いたからこそ再認識できました。

佐久間逆に、文化や価値観の違いで苦労したことは?

吉江言わないと伝わらないということです。日本では「暗黙の了解」とか「察する」という文化がありますが、海外では自分で言葉にしないと通じない。自分のなかにある日本の文化という殻を打ち破るという点は、苦労したところですね。

佐久間それこそが、語学力はもちろんコミュニケーション力を鍛える源になっているんだろうね。また、ひとつの価値観を打ち破ると、そこからいろんな世界が広がって行く。何かを考える時にも日本という枠組みだけじゃなく国際比較ができるようになるし、単一な考え方よりも深みが増していくと思います。そこは、今後どんなテーマを学ぶにしてもとても大切なことで、私たち教員も一番期待しているところです。

吉江確かに、情報収集ひとつを取ってみても留学前とは全然視点が違ってきました。国内だけでなく海外のニュースや報道を知ることで、今までには見えてこなかった世界情勢が分かるようになりました。

佐久間経済も金融も、今や世界規模でグローバルに捉えていくものだからこそ、留学で得た知識や経験、広い視野を最大限に活かし、さらなる成長へつなげてほしいですね。

Q/最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。

佐久間全員が海外留学を経験できる国際英語学部には、将来は世界で活躍したいという学生がたくさん集まっています。そうした高い志を持った学生はもちろんだけど、明確な目標が決まっていなくても「海外に行ってみたい」「英語を学びたい」という人は大歓迎です。興味があれば一生懸命学べるし、まずは世界を知って自分自身の可能性を探ってほしいですね。

吉江私がこの大学に来て良かったと思うのも、同じ志や興味を持つ仲間と出会えたこと。そして、自分のやりたいことをしっかり学べる自由な環境が広がっているので、目標を持って頑張りたい人、成長したい人にはぴったりな大学だと思います。

佐久間何を学ぶにしても、失敗や挫折、後悔することはあると思うけど、それらはどれ一つ取ってもムダにはなりません。むしろ、これからの人生の糧になるはずだから、恐れずにどんどん挑戦して前に進んでほしいし、そんな学生を全力でサポートするのが本学の最大の使命。これから大学生活を迎える方も、ぜひ本学で新しい学びにどんどんチャレンジして、いろんな壁にぶつかりながらも楽しく成長することをめざしてほしいですね。

<ここがDISCOVERY!>

・京都橘大学国際英語学部では、2年次のカリキュラムとして全員が長期留学を体験!
・英語4技能を徹底して身につける集中プログラムや留学する国ごとのレクチャーなど、留学前の準備をしっかりできる!
・英語力を身につける語学留学はもちろん、留学先の大学で正規授業を受講することも可能!
・吉江さんは留学中、「言葉にしないと伝わらない」文化のなかでグローバル人材として必要なコミュニケーション能力が鍛えられた!
・吉江さんは、イギリスで出会ったさまざまな国の友人との交流で多様な文化や価値観を学び、視野が広がった!

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