Special

目指すは情報工学科の先駆者。
「学会発表」を重視してゼミを選び、
生成AIを駆使して「学生奨励賞」を受賞!

特 集

2024.06.06

2021年に開設した京都橘大学の工学部情報工学科。その1期生として入学した大石耕生さんは、2024年3月に開かれた情報処理学会第86回全国大会で学生奨励賞を受賞しました。自分の力をどんどん高めながら本学で新しいチャレンジを続ける大石さん。「学会発表」にかける熱い想いと受賞に至るまでの裏側に迫りながら、大学やゼミを選んだ理由、将来の夢などについて、所属するゼミの大場みち子教授と語り合っていただきました。

工学部 情報工学科 大場みち子 教授
<専門分野>
情報基盤、科学教育・教育工学、人間情報学
<研究課題>
・知的行動の記録と分析に関する研究
・情報システムの開発・開発技術に関する研究

大石耕生さん
工学部情報工学科4回生/大場ゼミ
<研究テーマ>
「生成AIを利用した書籍作成プロセスの開発」

※2024年5月取材

Q/大石さんが京都橘大学に入学した理由と、大場ゼミを選んだ理由を教えてください

大石:僕が入学したのは京都橘大学に情報工学科ができた年で、先輩がいない状況でした。まさにそこがいいなと思ったんです。「先駆者」になれる環境が面白いなと。同学科が開設すると同時にアカデミックリンクスが建設されるというのも知っていましたから、施設設備含めて学ぶ環境が充実してサポートも手厚いのでは、と考えていました。

ゼミを選ぶ時に一番重視したのは学会発表です。この大学で培う知識や経験をもって、自分の力をどんどん試したいという気持ちがありました。大場先生は僕が3回生になるときに別の大学から移ってこられたので、ゼミに入るまでは関わる機会がありませんでした。ただ、大場ゼミでは「学会発表に参加していく」方針だということだったので、サポートもしてくださるだろうと確信していました。迷いはなかったです。

大場:そう言ってもらえると、すごく嬉しいですね。私が京都橘大学に来る前に教えていた大学では、4年次の卒業論文をベースにして学会発表をするという位置付けでした。でも本学では3回生からゼミに所属することになっているので、チャレンジにはなるけれども、3回生で発表させてみようと考えました。

ただ、学会発表は4回生か大学院生が中心で、3回生はほとんどいません。情報処理学会全国大会では、学生セッションごとに座長が優秀な発表をした2人までを選出して「学生奨励賞」が授与されます。前に在籍していた大学では12年連続で学生奨励賞を受賞していたのですが、初めて途切れるかもしれないな、と心の中では正直思っていました。

Q/受賞を知ったとき、どう思われましたか

大石12年連続受賞という話は先生から事前に聞いていたのですが、そこはあまりプレッシャーには感じていませんでした。学会発表に出ること自体に意味があり、プラスの経験になると考えていて、「受賞が無理でも来年またチャレンジしよう」と考えていたんです。本番でも、時間配分でミスしてしまい、満足のいく発表ができませんでした。悔しいな、と上の空で発表を聞いていたら自分の名前が呼ばれて「お!」という感じでした。素直に嬉しかったです。

大場:細かい反省点はあったかもしれないのですが、生成AIを使って書籍の制作プロセスを短縮するという内容がトレンディーだし、分析の切り口もユニークだった。座長や聴講者に響くものがあったのではないかと感じました。

Q/研究テーマについては、どのようにして決めたのですか

大石:生成AIが世界中でヒットしていて、自分でもよく使っていました。文章のレビューを人手でやるのと生成AIでやるのとではどのような差異があるかを研究しようと思っていたのですが、大場先生からいただいたアイディアを聞いて「なるほど、それだ」と。

大場:私は日本学術会議の会員なのですが、学術会議の所属する分科会で「ITの生む課題と今後」というタイトルでシンポジウムを行ったところ、評判になり、書籍化することになったのです。スピーディーに書籍化するために生成AIを使おうということになり、大石くんがやりたいことにマッチしているのでは?と提案しました。

大石:まず11人の発表を生成AIの利用によって文字起こしをして、それを発表者自身に添削してもらいました。それを1冊の本にするためには全体の統一性を担保する必要があるので、全体を見ながら変更を加えていきます。この二段階の変更がどのように行われ、出版できるようになるか、ということを分析しました。テーマのタイトルは「生成AIを利用した書籍作成プロセスの開発」です。いまも研究を続けています。

大場:シンポジウムが開かれたのは2023年9月。2024年1月から書籍化を進め、5月には出版されて店頭に並びました。相当早いと思います。今回の研究による貢献が称えられて、本書の発刊に携わった大石さん含む大場研究室の学生と東野輝夫教授の研究室の学生、5人に情報・システム研究機構の機構長・喜連川優氏から感謝状が贈られました。これは学生たちにとっても大きな功績なるのとこれからの自信に繋がると思います。

※国立極地研究所、国立情報学研究所、統計数理研究所、国立遺伝学研究所から構成される大学共同利用機関法人。デジタルと統計を駆使し、課題解決に取り組んでいる。

発刊に携わった書籍「生成AIの論点」(著、編集/喜連川 優)と情報・システム研究機構長・喜連川優氏から贈られた感謝状

Q/学会の準備はどのように進められたのですか

大場: 学会で発表するには、事前に提出用のレジュメを書く必要があります。A4でたった2ページなのですが、初めてなので時間がかかりました。何回も添削して真っ赤にして返したので、きっとショックだったよね(笑)。

大石: 伝えたいことがたくさんあり内容が膨らんでくるので、2ページに抑えるのが難しかったです。頑張って2ページぴったりにして大場先生に見ていただくと、真っ赤になって返ってくる。締め切りまで時間がない中、添削してもらったものを修正して、また添削をお願いするというラリーの繰り返しが大変でした。でも、ここまで丁寧に添削してくれる先生の細やかな指導とサポートが本当に有難かったですね。

大場:発表のためのプレゼン資料作りにも時間がかかるし、きつかったよね。発表直前まで研究も続けて、座長からは「事前に提出された原稿と発表が乖離している」と言われましたが、それだけ頑張ったんです、ということですね。

Q/どういう教育をされたことが受賞につながったのでしょうか

大場:一番大きかったのは、研究テーマを決める時期が早かったことではないでしょうか。他のゼミでは3回生の前期は基礎力を高めることを重視し、テーマを決めるのは後期に入ってからというところが多いと思います。でも、私のゼミでは3回生の前期から研究テーマについて考えさせて、7月末には研究の方向性を決めます。後期には研究目標や研究課題を考えて、予備実験も始めます。基礎力については、研究を進めていく中で必要な力を逐次指導していくという実践的なスタイルをとっています。

3回生の最後に学会発表をするという目標があったので、3回生の後期はこの目標に向かって研究を進められました。目標があった分、成果が大きかったのでは、と思います。学生たちは苦しかったと思いますが。

Q/学会発表をやり終えて、成長したと感じているところはありますか。

大石:1人で研究していると煮詰まってしまいます。研究室の仲間に手伝ってもらったり助けてもらったりしたので、コミュニケーション力が高くなったと思います。プレゼンテーションの発表の仕方も一段階上にいけたのではないかと感じます。

大場:プレゼンテーションはもともと素養があったのですが、さらに磨きがかかったのではないでしょうか。普通に授業を聞いているだけでは、なかなか伸びない力だと思うので。

Q/今回の受賞を今後どう生かしたいですか。思い描いている将来についても聞かせてください

大石:受賞したことで、一定の評価を得られたという自信に繋がりました。これからは、もっと良い評価を得られるような結果を出したいと思っています。卒業したら京都橘大学の大学院情報学研究科に進み、将来的には自分で会社を立ち上げたいと考えています。今は、その準備段階なので、知識や経験を蓄えている状態です。

大場:大学院に進む学生を見ていて常々思うことは、大学の4年間よりも修士課程での2年間の伸び方が全く違う、ということです。卒業論文を書くというのは「最初の一歩」で、助走する感じなのですが、大学院に行くと助走後のジャンプでものすごく成長します。まず考える力が伸びて、ロジカルな思考ができるようになります。コミュニケーション力も高まり、ITの世界で生きていくための素養が作られていく。

大石:僕の代は先輩がいないので、そういう話を聞く機会がなくて、大学院は「知らない世界」という感じでした。ただ、大場先生が大学に招いてくれた企業の方からお話を聞く機会があり、大学院での成長や社会に出てからの活躍を聞いて、大学院にチャレンジをしてみようと思ったんです。

大場:私は総合電気メーカーにいたことがあり、他の先生方も産業界とコネクションがある先生が多くいらっしゃいます。そういう繋がりから、企業で働いている方を招き、研究の進め方や採用に関することを話してもらいました。

Q/あらためて「京都橘大学」「情報工学科」の特徴や魅力について教えてください

大場:本学はPBL(課題解決型学習)といって、チームで企業の課題解決をするという教育にも注力しています。グループワークや発表の頻度が高いので、学生を見ているとコミュニケーションやプレゼンテーションのスキルが身についているな、と感じます。

学生同士の仲が良いのと、教員と学生の距離感が近いのも特徴だと思います。他の先生方の研究室を見ていても、学生がよく訪ねてきてコミュニケーションを活発にとっていると感じます。実験をするときに、学生自ら他学科の先生に交渉して依頼していたことに驚きました。学科開設以降、少ない人数で学生と先生が密にやり取りしてきた結果なのかな、と思います。

コミュニケーションを取れるスペースが学内に多いのも強みだと思います。看護師や救急救命士などの国家試験を受験する学生も多いので、そういうスペースを活用して学生同士で教え合って勉強している様子をよく見かけます。

大石:京都橘大学はワンキャンパスの総合大学なので、一般教養系の授業は文理関係なく同じ教室で学びます。そういうところで他学科の学生と繋がることもあるし、サークルなどで友人になることもあります。そのようにして仲良くなった心理学系の友人がいるので、心理系の研究をするときには実験の協力をしてもらいました。

大場:そういう繋がりがあることが、研究をする上で非常にプラスになっている感じですね。

大石:僕がこの大学を選んだ理由の一つに、ワンキャンパスの総合大学だということがあります。出身地の静岡から関西というまったく知らない土地に来て、知らない人と関われる機会なので、自分にない知識や感覚を持っている人と出会い繋がりたいという思いがありました。情報学というのは、情報学だけを突き詰めていってもビジネスにはなりません。他の分野とつながってこそ伸びる、橋渡しになれる分野だと思っています。そういう観点からも、いろいろな学生と繋がることができるワンキャンパスの総合大学の強みを感じます。

Q/最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします

大石:いろいろな人と出会いたいと思って「ワンキャンパスの総合大学」ということを重視して京都橘大学に入学しました。期待していた以上に様々な関わりがあり、自分にはないような感覚を持った友人と出会えました。そして、自分のやりたいことにもどんどんチャレンジできる大学です。ぜひ、ここで様々な価値観に出会い、たくさんチャレンジをしてほしいです。

大場:ITを利用しないとビジネスが成り立たない時代になっていますし、いまは自分でプログラミングを組まなくてもできる時代になってきました。誰しもがAI・ITを活用する時代、本学の情報工学科ではその学びを全力でバックアップします。情報工学科、ITというとどうしても男性イメージがまだまだ強いですが、本学では女子学生も意欲的に活動していて、思い思いに学びと研究に日々没頭しています。高校生の皆さんはもちろんのこと、社会人含めて、この分野にチャレンジしてくれる女性がこれからもどんどん増えてほしいな、と思っています。

<ここがDISCOVERY!>

・情報学はあらゆる分野と繋がりながらビジネスを生み出す「橋渡し」の分野!
・京都橘大学では「ワンキャンパスの総合大学」の強みを活かして、様々な分野の教員や友人と繋がり情報学の新しい価値を生み出せる!
・京都橘大学の情報工学科では、3回生からゼミに参加でき研究に没頭できる!
・誰しもがAI・ITを活用する時代であり、京都橘大学にはその学びを全力でバックアップする環境がある!
・教員と学生の距離感が近く、密にコミュニケーションを取れる!

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