京都橘大学

対談企画

WHAT’S
CROSSOVER

慣れ親しんだ世界の“境界”を
仲間とともに越え、広げよう。
自分をもっと、進化させるために

TEACHER AND STUDENTS

経済学部経済学科、経営学部経営学科、工学部情報工学科、工学部建築デザイン学科の学生たちが
文理を越えて混じりあい、学びあうキャリア教育「クロスオーバー型課題解決プロジェクト」がいよいよ始動!
プロジェクトの全体設計を担当した乾准教授と、1期生としてプロジェクトに挑戦した学生にお話をお聞きしました。

TALK MEMBER
  • 経済学部 経営学科 2回生
    広島県 広島文教大学附属高等学校 出身
    永江 夏生さん
  • 経済学部
    経済学科
    乾 明紀准教授
  • 工学部 情報工学科 2回生
    三重県 上野高等学校 出身
    田中 愼太郎さん
※学年は2023年2月取材時点のものです。
「混じりあい・学びあい」が
学びへの意欲を高めるきっかけに

このプロジェクトでは、それぞれの専門性を持つ学生がチームとなり企業や自治体が持つ課題に取り組みます。各専門を学ぶ意味を問いなおし、深めるきっかけを得られるように設計しました。同時に、学生が慣れ親しんでいる友人関係や環境から一歩を踏み出す経験になってほしいという思いも込めました。踏み出した先に新しい景色があることを知り、そこで自分が変化していく感覚を味わってほしいんです。もちろん“いつもの世界”を越えるのは大変です。だからこそクロスオーバーによる仲間との支え合いも重要。実際、二人は他学部・他学科との活動はどう感じましたか?

田中

私は情報工学科ですが経済学や経営学にも興味があり、このプロジェクトは入学を決めた理由の一つ。実際、プロジェクトでは同じチームメンバーから経済・経営学の専門知識を得られる機会も多く、楽しかったです。

永江

私は経済学部ですが、活動の中で他学部・他学科の仲間から出る意見をきっかけにその分野の学びに興味を持つように。視野が広がりました。

「そういう考え方もあるのか!」
チームワークは発見と驚きの連続

二人はどんな課題解決に取り組みましたか?

永江

私はグローバル企業と連携し海外でのネット販売戦略の企画に挑戦しました。企業の担当者が来学され、私たちが行うプレゼンテーションについて直接フィードバックをしてくださったおかげで、現場のリアルな声も踏まえた具体的な企画に!「本社でプレゼンテーションしてほしい」と言われるほど高く評価していただき、最優秀賞をいただくことができました。

田中

私が挑戦したのは、IT企業が持つ先端技術を活用したビジネスアイデアの企画。4人1組のチームでしたが、私以外は経済・経営学部だったため、技術用語がわからないメンバーも……。そこで工学部の知識をいかして意味や仕組みをわかりやすく説明し、皆の理解を深められるよう工夫しました。

永江

私はプレゼンテーションの資料づくりを担当しましたが、経営学部の「こうすれば利益が出る」という視点をとり入れたり、情報工学科のメンバーからパワーポイントのフォントや画像のレイアウトのアドバイスをもらったりと、互いの専門性や視点の違いに刺激を受けることができました。

田中

文理でアイデアの発想方法がまったく違ったことに私もびっくり!理系の視点でつい技術ベースで考えてしまう自分とは違い、文系のメンバーは技術の枠組みにとらわれず社会課題をベースに「こういうことできない!?」と幅広いアイデアが出て。物事の見方の違いに気づけたのも、クロスオーバーでの活動ならではだと思います。

新しい仲間との挑戦は、お互い最初はなかなかうまくいかないことも多かったのでは?でもその“もがく”時間にこそ、学生の内面に化学変化が起こるんです。見た目の変化はなくても、確実に芽吹きの準備が進んでいるはず。プレゼンテーションというアウトプットと、企業担当者からの評価を通して、そういった自分自身の変化や進化を少しでも感じてもらえたらうれしいですね。

プロジェクトで見出す
教員と学生の新たな関係性

1期生の活動を通して、もう一つ感じた手応えがあります。それは、教員と学生の間に生まれた“今までにない関係性”です。いつもなら「教員が問い、学生が答える」という対立的な関係になりがちですが、このプロジェクトでは教員が学生チームを支える立場として、企業や自治体などが抱える課題に立ち向かいます。学生にとって教員は並走する“味方”であり、同時に専門家としてどのような姿勢で課題解決に向き合うのかを示す“ロールモデル”になったのです。今学んでいることをどう社会に還元していくのかを考えるキャリア教育としても大きな成果を得られたと感じています。

永江

私は日頃から頻繁にやりとりしている先生が担当されるプロジェクトを選びましたが、先生と相談しながら進められることで安心感がありましたね。メンバー間のコミュニケーションも活性化し、それぞれの得意分野を発揮しながら主体的に取り組めました。

田中

このプロジェクトを通して、チームってただの「人の集まり」ではない、と痛感しました。というのも、私のチームはアイデアが決まりきらず、迷走した時期があったんです。そんな時、先生に相談し「チーム全体で目指す方向性を話し合ってみる」ことの大切さを教えていただいたおかげで、後半戦でモチベーションを一気に高めて巻き返すことができたんです。個々の持ち味をうまく発揮する環境をつくれた経験は、ビジネスでのチームワークにいかせる大きな力になると思います。

その通り。そのためにも今後はプロジェクトで得られた成果を言語化し、学生一人ひとりのポートフォリオとして仕上げることにもさらに力を入れていきたいと考えています。このプロジェクトでの「環境を変え、自分を進化させる」体験を足がかりにして、10年後20年後も自分をアップデートし続け、自立的にキャリア形成していく力を身につけてほしいと思います。