HISTORY OF ROBOT & AI ロボットとAIの出来事

鉄腕アトムの誕⽣から70年。
⼈が空想してきた夢は、テクノロジーの進歩によって少しずつ形となってきました。
AIとロボットの技術は、この数⼗年でめざましい発展を遂げています。
⼯場での⾃動化に始まり、介護や医療、さらには宇宙探査まで、その活躍の場は広がり続けています。
⼈類が歩んできたAIとロボットの歴史を振り返りながら、未来への可能性を探ります。
過去の挑戦と⾰新の積み重ねが、私たちの⽣活をどのように変えてきたのか、そしてこれから何をもたらすのか。
⼈間とロボットが共⽣・共創する社会への道を⼀緒に⾒つめてみましょう。

ロボット

AI

ロボット
  • カレル・チャペック⽒の戯曲『R.U.R.』で「ロボット」という⾔葉が初登場
  • 映画『メトロポリス』に⼥性型ロボット「マリア」が登場
  • イギリスで世界初のヒューマノイドロボット「エリック」が展⽰される

1920

ロボット
  • ニューヨーク万国博覧会で話しかけられるロボット「エレクトロ」が公開、タバコを吸うパフォーマンスで人気を集める
  • 同博覧会で「ロボット犬スパーコ(Sparko)」も展示され、ロボットとペットの概念が結びつく
  • 工場でのオートメーション化が進み、「ロボット」という言葉が使われ始める

1930

ロボット
  • 自動制御技術・電子工学・サイバネティクスの誕生により研究が大きく進み、ロボットの学術的基盤が築かれる
  • 第二次世界大戦終結、兵器用自動機械研究が民生用ロボット研究に転用され始める
  • 世界初の汎用電子計算機(コンピュータ)「ENIAC」が完成、ロボットの「電子頭脳」基盤が誕生

1940

AI
  • ウォーレン・マカロック氏とウォルター・ピッツ氏が最初の人工ニューロンモデルを提案(ニューラルネットワークの原型となる脳の神経回路を数理モデル化した最初の試み=AIの原点)
ロボット
  • ロボットの、「SFの存在」から「工場で働く産業用ロボット」への転換が始まる
  • アイザック・アシモフ氏がSF小説『われはロボット』の中で「ロボット工学三原則」を提唱
  • 世界初の産業用ロボット企業「ユニメーション社」設立
  • アメリカ航空宇宙局(NASA)設立、宇宙探査ロボット研究が本格化

1950 第1次AIブーム 推論・探索の時代

AI
  • アラン・チューリング氏がチューリングテストを提唱し、機械の知能評価の概念を提示
  • ジョン・マッカーシー氏が「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉を提唱し、この分野の呼び方が命名される
  • AIという概念が誕生し、初期のプログラム・機械学習・ニューラルネット・自然言語処理の基礎が形成される

1960

ロボット
  • 「産業用ロボットの実用化」と「人型・知能ロボットの研究」が進み、遠隔操作や自律制御の研究が大きく前進
  • 世界初の産業用ロボット「ユニメート」が自動車製造工場で稼働開始
  • ロボットアーム「Shakey」(世界初の移動型知能ロボット)誕生
  • 日本企業が産業用ロボットを輸入し、工場自動化の実証試験を開始

    AI・ロボットに
    ⼤きな影響を
    与えた⽇本のアニメ

  • 『鉄腕アトム』放送開始。自律型ロボットとしてAIと人間の共存を描く。日本初のTVアニメであり、人工知能の夢を象徴。
  • 『鉄人28号』放送開始。リモコン操縦型ロボットの原型。巨大ロボット文化の嚆矢。
AI
  • マサチューセッツ工科大学がAI研究室を設立。アメリカにおけるAI研究の中心拠点となる
  • 自然言語処理プログラムの先駆け「ELIZA」の開発
  • 甘利俊一氏が「確率的勾配降下法」を提唱。ニューラルネットワーク学習理論の基礎を築く
  • アメリカのAI研究で軍事・翻訳プロジェクトが頓挫(第1次AIブーム終息)

1970

ロボット
  • 日本が世界をリードするロボット研究国へと成長
  • 早稲田大学で世界初のヒト型二足歩行ロボット「WABOT-1」が完成
  • 映画『スター・ウォーズ』公開、C-3POとR2-D2が登場し大衆文化にロボット像が定着
  • 産業用ロボットの普及が加速し、自動車産業などで本格導入

    AI・ロボットに
    ⼤きな影響を
    与えた⽇本のアニメ

  • 『ドラえもん』放送開始。ひみつ道具がAI・ロボット技術の発想源となり、音声認識や翻訳などの原型を提示。ロボットが「友達」として描かれ、感情を持つ存在としてのロボット像が定着。
  • 『マジンガーZ』放送開始。搭乗型ロボットの概念を確立し、「乗り物としてのロボット」という日本独自の考え方が誕生。
  • 『機動戦士ガンダム』放送開始。リアルロボットの設定が、操縦系や構造設計においてロボット研究者に影響を与えた。戦争や政治の表現を通じて「ロボット=兵器」という視点が広まり、「技術と倫理」の教材としても活用される。
AI
  • チェス、パズルなどでコンピュータが人間と対戦する初期のゲームAI研究が進む
  • 資金不足や過剰な期待と現実のギャップにより研究環境が厳しくなる(「AI冬の時代」へ)
ロボット
  • 「産業用ロボットの爆発的普及」「二足歩行・人型ロボット研究の進展」「家庭・教育向けロボットの萌芽」が起きた時代。日本が世界最大のロボット生産国となる
  • ホンダが二足歩行ロボット「E0」の歩行実験に成功(後のASIMOへ)
  • カーネギーメロン大学で自律走行車「Navlab」プロジェクトが始動
  • スタンフォード大学で医療用ロボット手術システムの初期研究開始

1980 第2次AIブーム 知識の時代

AI
  • 福島邦彦氏が現代の人工知能技術基盤である深層学習(ディープラーニング)の基本構造の一つ「Neocognitron(ネオコグニトロン)」を発表。CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の原型となる階層型ニューラルネットワークを提唱
  • 初期の商用エキスパートシステムが登場。化学や医療、工業分野でAIが利用され始め、第2次AIブームが到来
  • バックプロパゲーションが発表され、ニューラルネットワークの学習法として注目される
  • AI分野への過大な期待と限界(コンピュータ自体の能力不足)により一部研究資金が縮小。AI技術の実用化課題が顕在化。「AI冬の時代」が再び現れる(第2次AIブーム終息)

1990

ロボット
  • ロボットが家庭へと進出。二足歩行ロボット、ペット型ロボットが次々登場し、現代につながる基盤が築かれる
  • NASAの火星探査ローバー「ソジャーナ」が着陸し、自律走行探査に成功(パスファインダー計画)
  • ソニーが犬型エンターテインメントロボット「AIBO」を発売
  • アメリカで災害対応ロボット研究が進み、レスキューロボット分野が誕生

    AI・ロボットに
    ⼤きな影響を
    与えた⽇本のアニメ

  • 『新世紀エヴァンゲリオン』放送開始。バイオテクノロジーと精神接続をテーマにしたハイブリッド型ロボット。社会現象化し、哲学・心理学的議論を巻き起こす。
  • AI研究が学術から産業へ移行し、商業応用の拡大期へ
  • IBMの「Deep Blue」がチェス世界王者ガルリ・カスパロフ氏に勝利。チェスAIの実力が人間を上回ることを示す
  • AI研究の商業化が加速。ルールベースエキスパートシステムが企業向けに広く導入される
  • 音声認識システム・ウェブ検索エンジンでAI技術が実用化
ロボット
  • 「家庭・社会で役立つロボット」が普及
  • ホンダがヒューマノイドロボット「ASIMO」を発表。二足歩行で階段昇降や人とのインタラクションが可能に
  • iRobotが家庭用掃除ロボット「ルンバ」を発売。世界的にヒットし、家庭用ロボットの象徴に
  • 「DARPA(国防高等研究計画局)グランドチャレンジ」(自律走行ロボット競技)が開始。自動運転研究の大きな転機に

2000 第3次AIブーム 機械学習の時代

AI
  • ソーシャルメディアの普及に伴い、AIによるテキスト解析・感情分析研究が活発化
  • DARPA(国防高等研究計画局)が「CALO」プロジェクトを開始。Siriの技術的基盤となる認知型AIアシスタントの研究が始まる
  • ジェフリー・ヒントン氏らが「ディープラーニング」を提唱
  • アップルが「iPhone」を発表、音声認識やAI応用の基盤が広がる
  • Googleが画像認識・顔認識研究を強化。AIによる大規模データ処理技術が発展
ロボット
  • ソフトバンクが「Pepper」を正式発表。感情を認識して会話できる人型ロボットとして話題に
  • 「DARPAロボティクスチャレンジ」開始。災害対応ロボットの国際競技会として注目される
  • アメリカでドローンの商業利用解禁に向けた法整備が議論され、無人航空機ロボット市場が拡大
  • Amazonの倉庫でKiva Systems(現在のAmazon Robotics)のロボット導入が拡大。物流自動化が加速する
  • サウジアラビアでロボット「Sophia」が市民権を獲得し、世界初の「市民権を持つロボット」となる

2010

  • ディープラーニング・自然言語処理・自律運転・生成AIの急速な実用化と商用化が進む(第3次AIブームの到来)
  • IBMの「Watson」がクイズ番組『Jeopardy!』で人間チャンピオンに勝利。自然言語理解AIの実力を証明
  • ジェフリー・ヒントン氏ら率いるAlexNetがImageNet大会(世界的な画像認識大会)で圧勝。CNNによる画像認識精度が飛躍的に向上
  • iPhone 4Sに「Siri」初搭載。音声アシスタントが一般ユーザーに広く認知される
  • Amazonが「Alexa」を搭載したスマートスピーカー「Echo」を発売。音声AIが家庭に浸透する契機となる
  • AlphaGoが囲碁世界トップ棋士イ・セドル氏に勝利。AIが複雑ゲームで人間を超えることを実証
  • AIによる医療診断支援が本格化。画像診断や病理解析にディープラーニングが応用される
  • 自律走行車の商用化テストが世界各地で進む。AI制御の実用化が現実的になる
ロボット
  • COVID-19対応で医療・配達ロボットが世界各地で活躍
  • テスラが人型ロボット「Optimus」を発表
  • AIとロボット技術の融合による「会話可能な案内・接客ロボット」実用化
  • ボストン・ダイナミクスが「Atlas」の新モデルを発表。バク宙などの高度な動作が可能に
  • 配達ロボットや自律走行車両の実証実験が進展。都市インフラへの統合が進む

2020 第4次AIブーム 生成AIの時代

AI
  • 生成AIの急速な普及により第4次AIブームが始まる
  • AIによる医療診断・創薬支援が加速。COVID-19パンデミックで感染症研究に応用
  • 「ChatGPT」が公開され、生成AIの一般利用が大規模に開始
  • AI(人工知能)分野の研究者にノーベル物理学賞と化学賞が授与される。AI研究で初めてのノーベル賞受賞
  • 生成AI・大規模AIモデルが社会的・法的課題と共に注目され、法整備・安全性評価が世界各地で議論に
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