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2008都市環境デザインフォーラムを開催

 10月4日(土)に京都市国際交流会館にて、都市環境デザインフォーラム「京の宿 くつろぎのかたちとは・・・」を開催しました。当日は、本学都市環境デザイン学科の学生のほか、現役の建築家やインテリア関係者、建築・デザイン系の大学生など約100名が来場し、古都・京都の建築から京都の文化や今後の建築について考えました。
 フォーラムは2部制で実施され、第一部は、本学が募集した高校生・大学生企画コンペ「京の宿 くつろぎのかたちとは・・・」の審査発表と表彰式が行われました。
 優秀賞には、東京芸術大学大学院美術研究科2年・有原寿典さんの作品、広島大学大学院工学研究科1年と本学都市環境デザイン学科1年の萩野亮さん・由紀さん兄妹の共同作品が選ばれました(最優秀賞は該当者なし)。また、明治学園高校2年の武内茉緒さんの作品に奨励賞が贈られました。
 第二部では、北川原温・東京芸術大学美術学部建築科教授、中村義明・中村外二工務店代表を迎え、本学都市環境デザイン学科・今井裕夫教授と3人の建築家による鼎談「京の宿 くつろぎのかたちとは・・・」を実施しました。
 俵屋旅館を手掛けた吉村順三、ウェスティン都ホテル京都の数寄屋風別館「佳水園」を設計した村野藤吾という、戦後日本を代表する2人の建築家とその建築物を手掛かりに、「大建築家が挑んだ京都の“かたち”を見据えて、京都に“宿る”魅力を模索していきたい」という、今井教授の問題提起から鼎談がスタート。
 北川原教授からは、ヨーロッパ・モダニズムの影響が感じられる吉村、モダニズム以前のヨーロッパ建築の影響を受けた村野という両建築家の建築思想の違いが披露され、その建築物の特徴などについて解説が行われました。また、中村氏は、京都の建築は応仁の乱の前後で大きく異なり、その背景には平安期の密教思想と室町以後の禅宗思想の影響があることに言及し、建築は思想性と地域性、そして時代によって変わると語られました。
 鼎談の最後に、中村氏から「ノウハウだけでなく、材料についてよく勉強してほしい」という若い建築家や建築家をめざす大学生に向けたメッセージが贈られ、北川原教授は「建築に関する知識や技術だけでなく、アート・ディレクションのできる人材が必要」と、大学教育への期待を述べられました。

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