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「博物館機能論II」の公開授業を開催

 10月23日(土)に、博物館学芸員課程科目である「博物館機能論II」(都市環境デザイン学科木下達文准教授)の公開授業が行われました。今回の企画は、学芸員をめざす学生に、実際に現場で働くスタッフや芸術家の方との交流を通して、仕事への理解を深めるとともに、体験を通してさまざまな発見をする機会とするもの。当日は、受講生のみならず、学外から文化施設関係者の方も参加しました。

 プログラムは午前・午後に分かれており、まず午前には滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」館長の井上建夫氏を招いて、文化講演会を開催。井上氏は、自身が館長を務める「びわ湖ホール」のプログラムや運営について紹介し、最後に「芸術を普及させるためには社会・地域に開かれた劇場として、芸術家の育成だけでなく、市民に愛される劇場運営をしていかなくてはならない」と述べました。その後、しが文化芸術学習支援センターのトータルコーディネーターである津屋結唱子氏が、学校と美術館などの文化施設をつなぐ役割の大切さを訴え、運営での苦労やプログラムに参加した子どもの成長を感じた喜びなどについて話しました。受講生は、大学のなかだけでは学べない現場の声に熱心に耳を傾けていました。

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 午後には、滋賀県内の文化施設によるアートワークショップや、井上館長との交流会が開かれました。MIHO MUSEUMの部屋では、型絵染めや壷の模様付け、筋目描きのアート体験プログラムが行われました。陶芸の森の部屋では、陶芸家の橘功一郎氏を講師に、参加者は実際に陶芸を体験。参加者は、アートを「観る」だけでなく、「触れる」ことの楽しさを感じながら作品制作に取り組んでいました。

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 今回企画のサポートとして参加した本学文化ボランティアサークルの山瀬志帆さん(歴史学科4回生)は、「実際に現場で働いている方の話を聞くことで、授業で学んだことの理解がさらに深まると思います。後輩の皆さんにも、こういう機会を大切にして積極的に参加してほしいです」とコメント。

 木下准教授は今回の企画を振り返って、「最初は戸惑っていた学生も、時間が経つうちに作品制作に没頭するようになっていました。日頃なかなかできない、いい経験になったのではないでしょうか。そこで学生の皆さんに感じてほしいのは、文化・芸術が人に与える力の大きさです。多様な文化力を通して、いろんな意味でサポートすることの大切さを理解してくれていたらうれしいですね。今後も近隣の文化施設や地域の方々との連携を深め、授業に活かしていきたいと考えています。」と話していました。

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