2025.11.25
食×経済学 オーガニックな食の生産現場体験ツアーを実施
経済学部経済学科1・2回生を対象に「食×経済学 オーガニックな食の生産現場体験ツアー」を実施しました。このツアーは、経済学部経済学科・平賀緑准教授のコーディネートによって実現したもので、持続可能な農業や食料システム、食と経済の関わり、地域で働く生き方を体験的に学ぶプログラムで構成されています。
事前学習では、平賀准教授による食と経済の関わりを理解するためのミニ講義のほか、明治国際医療大学の山本奈美氏より「有機農業と私たちの暮らしと社会」をテーマとした講演会が開催されました。有機農業とはどのような考え方やシステムで成り立っているのか、生産者と消費者との関係性などについても学び、参加した学生は現地に行くための事前知識を得たようです。
その後「NPO法人 使い捨て時代を考える会」ご協力のもと、京都府南丹市で1泊2日の研修を実施しました。現地では、同会の“南丹交流の家”を活動拠点として、有機農業や養鶏、地域における活動などを実践されている方々から話を伺いながら体験学習に取り組みました。
研修初日は、平飼いの養鶏と農業を営む湯浅拓氏の農地見学、養鶏舎での体験学習を実施。約2,000羽の鶏と300羽の雛の飼育現場を見学し、飼料の管理や卵の出荷作業について話を伺いました。また、今年の猛暑によるトマトのハウス栽培の状況から、環境変化が生産に与える影響についても学びました。


次に、今回の企画運営に協力いただいた「NPO法人使い捨て時代を考える会」の山田晴美氏、江副由紀子氏、榎本聡子氏から、生産者と消費者をつなぐ活動や地域コミュニティでの取り組みを紹介いただきました。田舎暮らしと自家製加工食品の話を伺い、手作り味噌の瓶入替えや醤油の天地返し、小麦の脱穀作業などを体験。無添加の加工食品づくりに込められた想いにふれ、普段何気なく口にしているものの製造過程を考える機会となりました。
夜は、地域産の野菜をふんだんに使った料理が食卓に並びました。つくり手の気持ちや苦労を見聞きしたあとでいただく新鮮な野菜や卵、手づくりの調味料は格別で、違いを感じながらの食事となりました。




研修2日目は、米と野菜の栽培を営む谷口農園を訪問し、農地や肥料舎、米づくりに必要な設備などを見学。仕事と暮らしが一体化する米づくりについて、生産者と消費者との距離の近さがあるからこそ感じられるやりがいや、幼い子どもを育てながらご夫妻で協力してワークライフバランスも意識しているという話に学生らは聞き入っていました。




昼食には、築80年の古民家をセルフリノベーションして開業した古民家DIYカフェ eco.epochを訪れました。カフェを営む大石ご夫妻は、家族で南丹市に移住しSNSによるリノベーションの過程の発信や飲食と農業をつなぐ独自イベントも開催しています。地域での新たな価値創造への挑戦にもふれ、学生らはとても刺激を受けた様子でした。


2日間を通して、自ら見て・聞いて・食べて・体験することで五感をフル活用し、有機農業や地域循環型の⾷の仕組みを学びました。また、⽣産者や地域の方々との交流を通じて、多様な生き方、暮らし方、働き方にふれることができ、自身の今後の学びやキャリアを考える大変よい機会となりました。