2026.07.31
学生が教員とともに執筆した研究論文が4年連続で国際雑誌に掲載されました
理学療法学科の学生が教員とともに作成した研究論文が「IBRO Neuroscience Reports誌」に掲載されました。

下段左から 若林勇人さん、北村幸大さん、青木詩葉さん、下田直哉さん、前田孔太さん
IBRO Neuroscience Reports誌は国際脳研究機構(International Brain Research Organization:IBRO)の公式オープンアクセス誌であり、神経系の構造や機能、神経活動、行動など、神経科学の幅広い分野に関する研究を掲載する査読付き国際学術誌です。Elsevierから刊行されており、神経科学分野の国際誌『Neuroscience』の姉妹誌に位置づけられています。
今回、IBRO Neuroscience Reports誌に掲載された論文(4回生の北村 幸大さん・下田 直哉さんが共同筆頭著者、重藤 隼人 助教が責任著者、4回生の青木 詩葉さん・前田 孔太さん・若林 勇人さん・宮﨑 純弥 教授・兒玉 隆之 教授が共同著者の研究論文)では、健康な若年者を対象として、側臥位股関節外転ドロップ課題中の脳活動および筋活動の特徴が、片脚立位バランスとどのように関連するかを検討した研究です。
『側臥位股関節外転ドロップ課題における大脳皮質および神経筋活動の特徴は、片脚立位バランスと関連する』
北村 幸大さん、下田 直哉さん、重藤 隼人 助教(責任著者)
<研究概要>
本研究では、健康な若年成人26名を対象に、側臥位股関節外転ドロップ課題と立位での静的・動的姿勢制御課題として片脚立位課題、ラテラルステップダウンテストを実施しました。側臥位課題では、検査者が支えていた下肢を離した際の脳波、股関節・体幹周囲筋の活動、骨盤加速度を計測し、下肢が離される前の「予測的姿勢制御相」と、離された後の「代償的姿勢制御相」に動作相を分類して分析しました。さらに、Elastic Net解析とよばれる手法を用いて、側臥位股関節外転ドロップ課題の神経・筋活動と立位バランスとの関連を検討しました。
その結果、側臥位課題における腹部・股関節・体幹筋の活動、骨盤加速度、ならびに頭頂葉領域(C3領域)の脳波N1成分が、片脚立位バランスと関連することが示されました。一方、ラテラルステップダウンテストとの明確な関連は認められませんでした。
これらのことから、側臥位股関節外転ドロップ課題は、動的姿勢制御バランスではなく、片脚立位のような静的姿勢制御バランスに関係する大脳皮質および神経筋活動の特徴を反映する可能性が示唆されました。
本研究は、立位ではなく側臥位での簡便な姿勢でも立位バランスに関わる脳・筋機能を評価できる可能性を示しており、将来的には立位評価が難しい段階の対象者に対する安全で簡便な姿勢制御評価法への応用が期待されます。

【学生のコメント】
4回生 北村 幸大さん
本研究では、先行研究の整理や統計解析を用いたデータ解析など、初めて取り組む内容が多く、思うように進まない場面もありました。しかし、その都度文献を読み直し、姿勢制御について学び直しながら試行錯誤を重ねることで、一つひとつ理解を深めることができました。また、先生方から丁寧なご指導をいただき、多くの助言を受けながら最後まで研究を完成させることができました。
本研究では、臥位で実施できる姿勢制御評価を臨床で活用できる可能性を明らかにしたいという思いを持って取り組みました。研究を通して、課題に粘り強く向き合い、根拠をもって考察する姿勢や、目標に向かって最後までやり遂げることの大切さを学ぶことができました。
4回生 下田 直哉さん
本研究では、特に統計解析手法の理解と活用、得られた結果から推測される関係性の検討に苦労しました。ですが、指導教員や共同研究者と多角的に議論を重ねることで、納得のいく考察へ繋げることが可能となりました。臨床で活用できる手法の提供を目標に掲げ、最後までやり抜く力を身につけられたと感じています。
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2025年10月10日公開「理学療法学科の学生が教員とともに執筆した研究論文が国際雑誌に掲載されました」