2026.10.08
建築海外研修でドイツ・チェコを訪問
2026年8月24日から31日にかけて、本学教員引率のもと、工学部建築デザイン学科生15名が、建築海外研修に参加しました。今回は、近現代の都市景観を有するベルリンと中世の面影を色濃く残すプラハ、対象的な二つの都市とそこにある建築の魅力や奥深さを体感しました。


ベルリンでは、ドイツ工作連盟やバウハウスに関連する近代建築を見学するとともに、世界的建築家が設計した新国立ギャラリーや集合住宅のユニテ・ダビタシオン・ベルリンなどを訪れ、引率した教員から説明を受けました。一方、プラハでは、世界遺産であるプラハ歴史地区を訪れ、その構成要素の一つである聖ヴィート大聖堂を見学。その後アールヌーヴォー建築の傑作ミュニシパルハウスなどがある旧市街地を散策し、中世ヨーロッパの街並みの美しさを肌で感じました。


研修中は毎日振り返りの時間をもうけ、見学を通じて得た気づきや感想を学生同士で共有しました。学生らは、建築のスケール感や素材の質感、都市の歴史・文化と建築との関係などに関心をもったようです。事前学習で写真や映像で得た知識は、現地で実際に見学することでさらに深まりました。
毎年度実施している本研修は、当学科の学生にとって建築を学ぶ上で大きな刺激となるだけでなく、海外で視野を広げることで、将来の目標や進路について考える大切な機会となっています。今後も多くの学生が世界の建築を体感し、学びを広げられる機会を提供していきます。
参加した学生のコメント(一部抜粋)
西田 太一さん(建築デザイン学科2回生)
日本ではあまり見ることのないテラスの使い方がとても印象的で、屋外空間を生活の一部として積極的に活用している点に魅力を感じました。現地の方に話をうかがう機会がありましたが、街の人々がその環境を大切にし、受け継がれてきた街並みや文化を守りながら、より良いかたちで次世代へ残そうとしている意識も印象的でした。異なる環境に身を置くことで、多くの刺激を受け、自分にはなかった考え方や価値観を知ることができました。
田尻 梓紗さん(建築デザイン学科3回生)
見渡す限りの建物がどれもスケールが大きく、日本との規模の違いを強く感じました。聞こえてくる言語や食べ物の香り、道路のつくり、気候、文化など、目に映るものや肌で感じるもののすべてが日本とは異なりました。そこでの体験はテーマパークなどを訪れたときの感覚をはるかに上回るほど、強烈で刺激的なものでした。
引率した教員のコメント
松本 正富 教授
建築をデザインするためには、設計に関する専門知識だけでなく、その土地の歴史や風土、文化への理解が欠かせません。建築デザイン学科の海外研修は、こうした多面的な学びを総合的に体験できる絶好の機会です。旅を楽しみながら建築デザインの感性を磨けることは、大きな魅力の一つといえるでしょう。
今回はプラハとベルリンを訪れ、中世の面影を残す歴史的建築から現代都市を象徴する先進的な建築まで、多彩な事例に触れることで、建築や都市への理解を深める実りある研修となりました。
平井 良祐 専任講師
今回の海外研修はタイトなスケジュールではありましたが、2か国を周遊できるよう計画しました。その大きな目的は、学生たちにベルリンとプラハという隣接するヨーロッパの都市であっても、歴史や文化、街並みや建築だけでなく、通貨や言語に至るまで異なっていることを実際に体感してもらうことにありました。これは島国である日本ではなかなか得ることのできない経験です。
建築を設計する際、設計者はその建築を利用する人々のことを考えます。そして、人々の価値観を理解し、設計へと反映させていきます。しかし、その価値観は多種多様であり、その背景にある文化や歴史、環境まで理解することが求められます。
今後さらに情報化社会が進展し、AIが普及していく中で、人々の価値観を理解するという設計者の本質的な役割は、より重要性を増していくと考えています。
今回の海外研修を通して、学生たちは建築への学びとともに、現地の人々との交流を通じて、日本とは異なる文化や歴史から生まれた価値観にも触れることができたのではないかと思います。
■昨年実施した海外研修の記事はこちら「オーストリア海外研修を実施!」