歴史文化専攻 博士前期課程

カリキュラムの特色

文学研究科歴史文化専攻(博士前期課程)は、研究者および高度専門職業人として自立するための基礎を身につけるため、歴史文化の3分野を設定し、特徴的な科目を配置しています。それぞれの研究領域・分野に帝王した専門的な知識や方法論を学ぶとともに、専門の枠を越えた履修ができるようにすることで、学際的な視野の獲得を促します。

また、演習科目として「特別研究Ⅰ~Ⅳ」を1年次から段階的に配置し、基盤となるテーマの設定や研究資料の収集、具体的な分析や研究内容の精査など、大学院生一人ひとりによりそって修士論文作成の指導を行います。研究指導にあたっては、高度な専門知識に加え、学際的な視点や専攻分野の周辺領域にも配慮しながら指導します。

なお、書道分野においては、修士論文作成の指導に加え、作品制作(漢字・かな)に関する指導を行います。

日本歴史文化分野・外国歴史文化分野・歴史遺産分野

日本歴史文化分野

日本史学(古代~現代)、日本文学(古典・近現代)、日本語学、書道(かな・漢字)を研究することができます。
〔開講科目例〕日本史研究(古代/中・近世/近・現代/女性史)、日本文化研究(古典文学/近現代文学/日本語/日本語教育)、日本文化演習(かな書法/漢字書法)など

外国歴史文化分野

東洋史、西洋史、中央・西アジア史など、洋の東西を問わず、世界各地・各時代の歴史を研究することができます。
〔開講科目例〕東洋史研究(政治社会/文化)、西洋史研究(中・近世/近代/女性史)など

歴史遺産分野

現代に伝わる様々なモノ(歴史遺産)を対象とする考古学、美術史学、建築史学を研究することができます。
〔開講科目例〕歴史遺産研究(考古学/古文書・史料学/美術史学/遺産修復・整備研究/景観・建築遺産研究)など

共通科目

研究を進めるために必要となる知識や方法論を学ぶとともに、専門の枠を超えた学際的な分野を研究することができます。
〔開講科目例〕京都の歴史・文化研究、比較文化論、文化交流史論、応用言語学研究、歴史学・歴史遺産学研究方法論、日本言語文化研究など

修了生論文テーマ例

[修士論文]

  • 初級日本語教育における終助詞「ね」の扱い
  • 村上春樹の翻訳世界ー翻訳の対比を交えてー
  • 森鴎外『魚玄機』論
  • 書における人格論の変遷と今日の書の鑑賞の在り方
  • ー儒教的観点と書芸術の関係ー

  • 現在中国における仮名書の美について理解と受け入れ方
  • ー王義之の草書と日本仮名の相関からー

  • 法隆寺五重塔初層北面における鬼形像の尊像構成
  • 北宋新宗・哲宗期における対高麗外交の様相
  • 六波羅蜜寺蔵空也上人像の制作意図とその背景
  • 歴史遺産としてのながめを未来へ活かす手法の研究
  • ー近江八景を事例としてー

  • 文化財の活用における再活性化方策に関する基礎的研究について
  • ー二条城・丹波篠山を事例としてー



    [博士学位論文]

  • 中世前期における不婚内親王と女院・皇后・准母の研究
  • 山科家の記録にみる中世後期の贈答に関する研究

教育・研究上の特色

取得できる資格

歴史文化専攻(博士前期課程)では、中学校(国語・社会)・高等学校(国語・書道・地理歴史)の専修免許状が取得できます。ただし、中学校・高等学校の前記教科に対応する一種免許状を取得していることが必要です。なお、2016年に教育職員免許法が改正されたため、2018年以前に大学に入学し、すでに卒業し、学生の身分を継続していなかった人が、大学院に入学し、専修免許状の取得を希望する場合、一部科目について学部での履修が必要になります。

資格取得に関する詳細は、本学人文系事務課(TEL. 075-574-4192)までお問い合わせください。

TA(ティーチング・アシスタント)制度

きめ細かな指導を行い教育・研究水準の向上をめざすため、大学院生が担当教員の指導に基づき、学部科目の授業補助を行うティーチング・アシスタント(TA)制度を設けています。また、学内だけでなく、本学の海外提携大学である淡江大学(台湾)へ日本語TAを派遣する制度も設けています。どちらも、将来、教育職や研究職をめざす大学院生にとっては、貴重な体験を積むことができる機会です。

京都橘大学大学院派遣留学生(淡江大学日本語TA)制度

本学の海外提携校である淡江大学(台湾新北市)大学院へ本学大学院生(科目等履修生も含む)を派遣し、同大学院における日本語授業のTAをつとめながら学ぶ制度です(派遣期間は9月から1年間)。大学院入学後に応募することができます。詳しくは、本学国際系事務課(TEL.075-574-4365)までお問い合わせください。

大学院生研究室と研究環境

研究用個別ブース、パソコン、ロッカー、会議スペース、研究用書籍等を備えた大学院生研究室を設置しています。図書館・情報メディアデスクには専門スタッフが常駐し、研究の支援を行っています。全大学院生・学部学生にはメールアドレスとアカウントが配布され、学修・研究目的でのみ本学のインターネット環境を自由に利用することができます。

  • 図書館開館時間…開講期 8:45 ~ 20:30、土曜日 8:45 ~ 17:15(休講期は月~土曜日 8:45 ~ 17:15)
  • 情報メディアデスク窓口時間…開講期 月~金曜日 8:45 ~ 19:30、土曜日 8:45 ~ 17:15(休講期 月~土曜日 8:45 ~ 17:15)
  • 日曜日・国民の休日等、開館・開室しない日もあります。
  • 詳細はホームページでご確認ください。

図書館ホームページ
情報メディアデスクホームページ

研究生制度

本学大学院は研究および教育に支障のない範囲で、研究生の受け入れを行っています。研究生は、特定の研究テーマについて、本学大学院の指導教員のもとで研究を行います。研究期間は、4月からの1年間、または前期ないし後期の半期となります。所定の研究を終了したときには、願い出によって研究事項や研究期間などについて、証明書を交付します。

対象者は下記の通りです。

【歴史文化専攻(博士前期課程)】
修士の学位または専門職学位を有する者(取得見込みを含む)

【歴史文化専攻(博士後期課程)】
本学大学院博士後期課程に3年以上在学し、必要な単位を修得して退学した者

なお、研究生としての期間満了後、引き続き研究生を希望する場合は、次年度の募集要項に従い、あらためて選考を受ける必要があります。

科目等履修生制度(博士前期課程のみ)

大学院生に在籍しなくても、歴史文化専攻(博士前期課程)の開講科目を受講し単位を修得することのできる「科目等履修生制度」を設けています。選考を経た上で受講を許可する科目は、「特別研究Ⅰ~Ⅳ」を除く当該年度開講科目で、1年間に12単位を上限としています。その後、本学大学院に入学した場合、科目等履修生として修得した科目は、10単位を上限に申請により大学院の単位として認定することが可能です。なお、この科目等履修生制度で単位を修得しただけで、本学で修士の学位を取得することはできません。

科目等履修生制度の詳細は、以下の本学ホームページをご参照ください。

科目等履修生制度

カリキュラム 2023年度

講義内容詳細については、シラバスをご参照ください。

分野等 授業科目 単位数 授業形態
 必修 選択 
共通科目 京都の歴史・文化研究Ⅰ・Ⅱ  

各2

講義
比較文化論Ⅰ・Ⅱ   各2 講義
文化交流史論Ⅰ・Ⅱ   各2 講義
応用言語学研究Ⅰ・Ⅱ   各2 講義
歴史学・歴史遺産学研究方法論Ⅰ・Ⅱ   各2 講義
日本言語文化研究Ⅰ・Ⅱ   各2 講義
日本歴史文化分野 日本史研究Ⅰ・Ⅱ(古代)   各2 講義
日本史研究Ⅲ・Ⅳ(中・近世)   各2 講義
日本史研究Ⅴ・Ⅵ(近・現代)   各2 講義
日本史研究Ⅶ・Ⅷ(女性史)   各2 講義
日本史研究Ⅸ・Ⅹ(古文書)   各2 講義
日本史研究Ⅺ・Ⅻ(史料講読)   各2

演習

日本文化研究Ⅰ・Ⅱ(古典文学)   各2 講義
日本文化研究Ⅲ・Ⅳ(古典文学)   各2 講義
日本文化研究Ⅴ・Ⅵ(近現代文学)   各2 講義
日本文化研究Ⅶ・Ⅷ(日本語)   各2 講義
日本文化研究Ⅸ・Ⅹ(日本語教育)   各2 講義
日本文化研究XI・XII(漢字文化論)   各2 講義
日本文化研究XIII・XIV(かな文化論)   各2 講義
日本文化演習Ⅰ・Ⅱ(漢字書法)   各2

演習

日本文化演習Ⅲ・Ⅳ(かな書法)   各2

演習

外国歴史文化分野 東洋史研究Ⅰ・Ⅱ(政治社会)   各2 講義 
東洋史研究Ⅲ・Ⅳ(文化)   各2 講義 
東洋史研究Ⅴ・Ⅵ(女性史)   各2 講義
東洋史研究Ⅶ・Ⅷ(史料講読)   各2

演習

西洋史研究Ⅰ・Ⅱ(中・近世)   各2 講義
西洋史研究Ⅲ・Ⅳ(近代)   各2 講義
西洋史研究Ⅴ・Ⅵ(女性史)   各2 講義
西洋史研究Ⅶ・Ⅷ(史料講読)   各2 演習
歴史遺産分野 歴史遺産研究Ⅰ・Ⅱ(考古学)   各2 講義
歴史遺産研究Ⅲ・Ⅳ(古文書・史料学)   各2 講義
歴史遺産研究Ⅴ・Ⅵ(美術史学)   各2

講義

歴史遺産研究Ⅶ・Ⅷ(遺産修復・整備研究)   各2 講義
歴史遺産研究Ⅸ・Ⅹ(景観・建築遺産研究)   各2

講義

特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 各2   演習

修了要件

次の3点を満たすと修士(文学)の学位が授与されます〈標準修業年限2年〉。

  1. 「特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」(各2単位)、計8単位を修得。
  2. 「特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」を除く科目を22単位以上修得。なお、専攻する分野から8単位以上を修得すること。
  3. 以上、合計30単位以上の修得、かつ必要な研究指導を受けた上で修士論文またはこれに代わる研究成果を提出し、学位論文審査および最終試験に合格。

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