健康科学専攻 博士前期課程

※健康科学専攻(博士前期課程・博士後期課程)の開設に伴い、2021年4月より健康科学専攻(修士課程)は募集停止しました。

※健康科学専攻(修士課程)情報は ▶こちら をご確認ください。

人材養成目標

①高度専門職業人の養成

人間のこころとからだに多角的な視点から科学的にアプローチして、統合的に健康科学を追究し、心身の健康を守り、その向上と新しい生き方の創出に資することのできる高度専門職業人を養成します。

②教育者・研究者をめざす人材の養成

博士前期課程修了後、健康科学の分野において研究者や後進の教育に携わることを目標として博士後期課程に進学するための知識・能力を養成します。

■理学療法学コースで養成する人材

理学療法学コースで養成する高度専門職業人とは、生活機能障害系理学療法、運動器障害系理学療法、脳機能障害系理学療法の各分野における高度な専門的知識や技能を有する実践能力を持った人のことであり、かつ、その実践の裏づけとしての知見を自身で検証できる人です。すなわち、理学療法に関する高度な知識を身につけ、自身で研究を進めることができ、それらを背景としてチームにおいて指導的役割を果たすことができる理学療法士の養成をめざしています。

■作業療法学コースで養成する人材

作業療法学コースで養成する高度専門職業人とは、医学的知識に裏付けられた生活行為の支援や生活環境の調整に関する高度な専門知識・技術を有する人材のことであり、かつ、その実践の裏付けとしての知見を自身で検証できる人です。こうした作業療法分野の研究を遂行する問題発見力と問題解決力を兼ね備え、日本及び世界の社会的課題に広く貢献できる人材の養成を行います。

■臨床心理学コース(臨床心理士指定大学院〈第1種〉)で養成する人材

医療・福祉・教育・司法・産業などの臨床現場で人々の心身の健康を支援する人材を養成します。すなわち、障がいを持つ子どもの療育・教育や学校への適応や家族への支援、精神科のみならず内科・小児科・整形外科・形成外科などのさまざまな医療分野における患者支援、高齢者福祉の場における心理面や生活の支援、産業場面における企業内の心理相談などを担当できる高度な専門性を持つ職業人への道が想定できます。

※臨床心理学コースでは、修了要件に加え、資格要件に定められた科目の単位を修得することで、臨床心理士および公認心理師の資格試験の受験資格を取得することができます。

■心理学コースで養成する人材

脳科学と接する行動神経科学や行動分析学による健康科学の基礎的実証的研究を担う研究者、社会・産業心理学における組織研究による就労場面での心身の健康管理に貢献する人材や、心理学の知識・スキルを活用して健康向上に役立つ商品開発やその広報に貢献できる企業人、幼児・児童・生徒の心理面への深い理解と学校適応への支援に優れた教員といった高度な専門性を持つ職業人を養成します。

■救急救命学コースで養成する人材

救急救命学分野における高度な専門的知識や技能、および研究能力を有する高度専門職業人を養成します。すなわち、救急救護活動および災害・防災に関する確かな知識と技術、関連職種と密な連携を取るためのコミュニケーション能力や危機管理能力を持ち、プレホスピタル・ケアにおける救急医療の充実・強化に寄与するとともに、現場で指導的役割を果たすことのできる救急救命士の養成をめざします。

■臨床検査学コースで養成する人材

臨床検査学コースで育成する高度専門職業人は、多岐にわたる医学・臨床検査学に関する高度で専門的な知識と技術を有し、また、深い科学的洞察力を糧に新たな技術の開発や自身の専門分野の研究を遂行する実践・実行能力を兼ね備え、広く社会に貢献できる人材を養成します。

カリキュラムの特色

共通基礎科目として、人間の健康を科学的にとらえ、その向上と新しい生き方を創出するという理念を体現するため、「健康科学特論Ⅰ・Ⅱ」を開講するとともに、こころとからだに多角的な視点からアプローチできるように、専門領域の基盤となる知識を幅広く学ぶ科目群を配置します。

「理学療法学」「作業療法学」「臨床心理学」「心理学」「救急救命学」「臨床検査学」の6つの科目群で高い専門性を身につける

専門領域の科目群を6つに区分し、理学療法学領域、作業療法学領域、臨床心理士特修領域、心理学領域、救急救命学領域、臨床検査学領域を配置します。それぞれの領域において、基礎的な研究力を養うとともに、高度な専門知識や技能を学びます。なお、京都の私立大学における理学療法学系、作業療法学系、救急救命学系および臨床検査学系の大学院は、本学が初の設置です。

臨床心理学コースでは臨床心理士受験資格および公認心理師受験資格が取得可能

公益社団法人日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院となっています。また、公認心理師法の定める「大学院における必要な科目」を配置しており、臨床心理学コースの修了要件に加え、資格要件に定められた科目の単位を修得することで、臨床心理士および公認心理師の資格試験の受験資格を取得することができます。学内に設置する「心理臨床センター」や学外の病院、学校、福祉施設などで実習を行い、臨床心理活動に必要な能力を実践的に身につけます。
(公認心理師受験資格を得るためには大学にて「学部における必要な科目」を修得し卒業していることが必要です。)
臨床心理士、公認心理師の受験資格を取得するために必要な科目とその単位は下表をご確認ください。

受験資格取得のために修得が必要な科目とその単位

修了生論文テーマ例

  • 胸郭柔軟性と脊柱運動との関連性
  • -健常者における体幹伸展動作に着目して-

  • 早期・初期変形性膝関節症における身体機能、生活の質に影響を及ぼす因子の検討
  • 高齢期有酸素運動がラット骨格筋ミオシン重鎖アイソフォームに与える影響
  • -タイプ別線維の組織化学的変化と運動誘発促進タンパク質の発現量に着目して-

  • 乳幼児期の子をもつ母親の母親像と養育態度
  • 小学校のスクールカウンセラーに期待される役割
  • - A 市を調査対象として、教師との連携に焦点をあてて-

  • 性別違和を持つ者のジェンダーアイデンティティ形成の心的過程 - FtM を対象とした質的研究-
  • 大学生における自己効力感と時間的展望の関連
  • E.H.Erikson の生涯発達論における垂直軸について
  • オキシトシンの投与が思春期マウスの社会情動性に与える影響
  • 他者の感情制御に対する認知に影響を与える要因の分析

教育・研究上の特色

複数教員による研究指導体制

1年次に「健康科学特別研究Ⅰ」、2年次に「健康科学特別研究Ⅱ」を配置して、研究指導を行います。研究指導は、学生の研究分野・テーマに対応する主研究指導教員1人と、理学療法学、作業療法学、心理学、救急救命学、臨床検査学のうち学生の研究分野・テーマ以外の専門を持つ副研究指導教員1人の2人体制とすることで、2分野の指導が相補的に機能するようにします。

社会人受講を考慮した柔軟な開講を実施

仕事を持つ社会人の学生などが勤務を継続しながら、大学院で学修することのできる環境を提供するため、平日の5・6講時や土曜日、長期休暇中を利用した集中的な授業など、柔軟な対応を行うとともに、研究指導の時間についても、できる限り弾力的に運用します(博士前期課程では理学療法学コース、作業療法学コース、救急救命学コース、臨床検査学コースが中心)。
また、標準修業年限は博士前期課程が2年、博士後期課程が3年ですが、長期履修制度によりそれぞれ3年、4年とすることが可能です。なお、授業料等の納付金については、どちらの修業年限を選択しても在学中に必要な合計金額は同一となります。

大学院生研究室の設置と研究環境

共用机・ロッカー・パソコンを備えた大学院生研究室が設置されています。
また、図書館および情報メディアデスクが大学院生・学部学生の支援を行っています。全大学院生・学部学生にはメールアドレスとアカウントが配布され、学修・研究目的でのみ本学のインターネット環境を自由に利用することができます。

  • 図書館開館時間…開講期 8:45 ~ 20:30、土曜日 8:45 ~ 17:15(休講期は月~土曜日 8:45 ~ 17:15)
  • 情報メディアデスク窓口時間…開講期 月~金曜日 8:45 ~ 19:30、土曜日 8:45 ~ 17:15(休講期 月~土曜日 8:45 ~ 17:15)
  • 日曜日・国民の休日等、開館・開室しない日もあります。
  • 詳細はホームページでご確認ください。

研究生制度

本学大学院は研究および教育に支障のない範囲で、研究生の受け入れを行っています。研究生は、特定の研究テーマについて、本学大学院の指導教員のもとで研究を行います。研究期間は、4月からの1年間、または前期か後期の半期となります。所定の研究を終了したときには、願い出によって研究事項や研究期間などについて、証明書を交付します。
なお、研究生としての期間満了後、引き続き研究生を希望する場合は、次年度の募集要項に従い、あらためて選考を受ける必要があります。

カリキュラム

2024年度 予定

*講義内容詳細については、シラバス をご参照ください。

科目
区分
授業科目 単位数 授業形態 回生 開講期
必修 選択 自由





健康科学特論Ⅰ 2     講義 1 前期
健康科学特論Ⅱ 2     講義 1 後期
研究倫理学特論 2     講義 1 前期
健康科学研究法特論Ⅰ   2   講義 1 前期
健康科学研究法特論Ⅱ   2   講義 1 後期
心理統計学特論   2   講義 1 前期
脳科学特論   2   講義 1 前期
健康心理学特論(心の健康教育に関する理論と実践)   2   講義 1 前期
精神医学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開)   2   講義 1 前期
救急医学特論   2   講義 1 前期
精神薬理学特論   2   講義 1 前期
生活支援学特論   2   講義 1 前期
運動機能学特論   2   講義 1 前期
発達障害特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)   2   講義 1 後期
高齢期支援学特論   2   講義 1 前期/後期
臨床検査学特論   2   講義 1 前期/後期
医科学研究法特論   2   講義 1 前期/後期






a
生活機能障害理学療法学特論Ⅰ   2   講義 1 後期
生活機能障害理学療法学特論Ⅱ   2   講義 1 後期
b
運動器障害理学療法学特論Ⅰ   2   講義 1 後期
運動器障害理学療法学特論Ⅱ   2   講義 1 後期
c
脳機能障害理学療法学特論Ⅰ   2   講義 1 後期
脳機能障害理学療法学特論Ⅱ   2   講義 1 後期






a
生活環境支援学特論   2   講義 1 前期
生活環境支援学特別演習   2   演習 1 後期
b
生活行為作業療法学特論   2   講義 1 前期
生活行為作業療法学特別演習   2   演習 1 後期




a
発達心理学特論   2   講義 1 前期
認知心理学特論   2   講義 1 後期
学習・行動分析学特論   2   講義 1 後期
b
組織心理学特論   2   講義 1 前期
社会心理学特論   2   講義 1 後期
社会調査特別演習   2   演習 1 後期
司法・犯罪心理学特論(司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開)   2   講義 1 後期
産業・労働心理学特論(産業・労働分野に関する理論と支援の展開)   2   講義 1 前期






救急救護学特論   2   講義 1 前期
救急救護学特論演習   2   演習 1 後期
災害・防災学特論   2   講義 1 後期
救急救命システム特論   2   講義 1 後期






a
生命情報医科学特論   2   講義 1 後期
生命情報医科学特論演習   2   演習 1 後期
b
人体情報医科学特論   2   講義 1 後期
人体情報医科学特論演習   2   演習 1 後期








a
臨床心理学特論   4   講義 1 通年
臨床心理学面接特論Ⅰ(心理支援に関する理論と実践)   2   講義 1 前期
臨床心理学面接特論Ⅱ   2   講義 1 後期
臨床心理査定演習Ⅰ(心理的アセスメントに関する理論と実践)   2   演習 1 前期
臨床心理査定演習Ⅱ   2   演習 1 前期
臨床心理基礎実習   2   実習 1 通年
心理実践実習Ⅰ   4   実習 1 通年
臨床心理実習A(心理実践実習Ⅱ)   6   実習 2 通年
臨床心理実習B   1   実習 2 通年
b
分析心理学特論   2   講義 1 後期
投映法特論   2   講義 1 後期
思春期臨床心理学特論(教育分野に関する理論と支援の展開)   2   講義 1 後期
グループアプローチ特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)   2   講義 1 後期



健康科学特別研究Ⅰ 2     演習 1 通年
健康科学特別研究Ⅱ 6     演習 2 通年





教育心理研究     2 講義 1 前期/後期
教育原理研究     2 講義 1 前期/後期
教育方法研究     2 講義 1 前期/後期

修了要件

6つのコースを設定し、それぞれコースごとに、以下のとおりとします。

  1. 理学療法学コースは、共通基礎科目から必修6単位、選択必修を「健康科学研究法特論Ⅰ」を含む12単位以上(ただし、心理学領域で4単位まで代替可能とする<演習科目を除く>)、理学療法学領域のa~c群いずれか1つの群から4単位、研究演習8単位、合計30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で論文の審査および最終試験(口頭試問)に合格すること。
  2. 作業療法学コースは、共通基礎科目から必修6単位、選択必修を「健康科学研究法特論I」を含む12単位以上(ただし、心理学領域で4単位まで代替可能とする<演習科目を除く>)、作業療法学領域のa、b群いずれか1つの群から4単位以上、研究演習8単位、合計30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上で論文の審査及び最終試験(口頭試問)に合格すること。
  3. 臨床心理学コースは、共通基礎科目から必修6単位、選択必修2単位以上、心理学領域a・b群から各2単位以上(演習科目を除く)、臨床心理士特修領域のa群から21単位以上、b群から2単位以上、研究演習8単位、合計43単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で論文の審査および最終試験(口頭試問)に合格すること。
  4. 心理学コースは、共通基礎科目から必修6単位、選択必修8単位以上、心理学領域から8単位以上、研究演習8単位、合計30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で論文の審査および最終試験(口頭試問)に合格すること。
  5. 救急救命学コースは、共通基礎科目から必修6単位、選択必修を「健康科学研究法特論Ⅰ」を含む10単位以上(ただし、心理学領域で4単位まで代替可能とする<演習科目を除く>)、救急救命学領域の「救急救護学特論」「救急救護学特論演習」を含む6単位以上、研究演習8単位、合計30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で論文の審査および最終試験(口頭試問)に合格すること。
  6. 臨床検査学コースは、共通基礎科目から必修6単位、選択必修を「健康科学研究法特論Ⅰ」を含む12単位以上(ただし、心理学領域で4単位まで代替可能とする<演習科目を除く>)、臨床検査学領域のa、b群いずれか1つの群から4単位、研究演習8単位、合計30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上で論文の審査および最終試験(口頭試問)に合格すること。

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