歴史文化専攻 博士後期課程

教育・研究上の特色

博士学位論文の作成が最終目標となる博士後期課程では、「特別研究」における大学院生の研究報告と、それを受けた担当教員による指導が中心となります。「特別研究」の指導にあたっては、大学院生の研究内容’分野に応じて1名の研究指導主担当教員と、研究分野の異なる教員を含めた2名の副担当教員を配置し、複数かつ多角的・学際的な視点から指導を行うように配慮しています。
また、教員による指導のみならず、学内外の学会・研究会等での活動や学術雑誌への積極的な論文投稿を奨励し、大学院生が広い視野を持って主体的に研究を遂行するように留意しています。
計画的に研究を進めるために、大学院生には研究経過の報告を義務づけており、2年次夏には中間報告会を開催するほか、年度末ごとに「研究成果報告書」の提出を求めています。
中間報告会や予備論文審査には、主・副担当教員のみならず、専攻の全教員が参加して活発な議論を行い、大学院生の研究の幅を広げるとともに、学位取得に向けて支援しています。
近年は、社会人入学や、二つめの学位取得のために進学する事例も見受けられます。

修了生論文テーマ例

[修士論文]

  • 初級日本語教育における終助詞「ね」の扱い
  • 村上春樹の翻訳世界ー翻訳の対比を交えてー
  • 森鴎外『魚玄機』論
  • 書における人格論の変遷と今日の書の鑑賞の在り方
  • ー儒教的観点と書芸術の関係ー

  • 現在中国における仮名書の美について理解と受け入れ方
  • ー王義之の草書と日本仮名の相関からー

  • 法隆寺五重塔初層北面における鬼形像の尊像構成
  • 北宋新宗・哲宗期における対高麗外交の様相
  • 六波羅蜜寺蔵空也上人像の制作意図とその背景
  • 歴史遺産としてのながめを未来へ活かす手法の研究
  • ー近江八景を事例としてー

  • 文化財の活用における再活性化方策に関する基礎的研究について
  • ー二条城・丹波篠山を事例としてー



    [博士学位論文]

  • 中世前期における不婚内親王と女院・皇后・准母の研究
  • 山科家の記録にみる中世後期の贈答に関する研究

TA(ティーチング・アシスタント)制度

本学では、きめ細かな指導を行い教育・研究水準の向上をめざすため、大学院生が担当教員の指導に基づき、学部科目の授業補助を行うティーチング・アシスタント(TA)制度を設けています。また、学内だけでなく、本学の海外提携大学である淡江大学(台湾)へ日本語TAを派遣する制度も設けています。どちらも、将来、教育職や研究職をめざす大学院生にとっては、貴重な体験を積むことができる機会です。

京都橘大学大学院派遣留学生(淡江大学日本語TA)制度

本学の海外提携校である淡江大学(台湾新北市)大学院へ本学大学院生(科目等履修生も含む)を派遣し、同大学院における日本語授業のTAをつとめながら学ぶ制度です(派遣期間は9月から1年間)。大学院入学後に応募することができます。詳しくは、本学国際系事務課(TEL.075-574-4365)までお問い合わせください。

大学院生研究室と研究環境

研究用個別ブース、パソコン、ロッカー、会議スペース、研究用書籍等を備えた大学院生研究室を設置しています。図書館・情報メディアデスクには専門スタッフが常駐し、研究の支援を行っています。全大学院生・学部学生にはメールアドレスとアカウントが配布され、学修・研究目的でのみ本学のインターネット環境を自由に利用することができます。

  • 図書館開館時間…開講期 8:45 ~ 20:30、土曜日 8:45 ~ 17:15(休講期は月~土曜日 8:45 ~ 17:15)
  • 情報メディアデスク窓口時間…開講期 月~金曜日 8:45 ~ 19:30、土曜日 8:45 ~ 17:15(休講期 月~土曜日 8:45 ~ 17:15)
  • 日曜日・国民の休日等、開館・開室しない日もあります。
  • 詳細はホームページでご確認ください。

図書館ホームページ
情報メディアデスクホームページ

研究生制度

本学大学院は研究および教育に支障のない範囲で、研究生の受け入れを行っています。研究生は、特定の研究テーマについて、本学大学院の指導教員のもとで研究を行います。研究期間は、4月からの1年間、または前期ないし後期の半期となります。所定の研究を終了したときには、願い出によって研究事項や研究期間などについて、証明書を交付します。

対象者は下記の通りです。

  • 【歴史文化専攻(博士前期課程)】
    修士の学位または専門職学位を有する者(取得見込みを含む)

  • 【歴史文化専攻(博士後期課程)】
    本学大学院博士後期課程に3年以上在学し、必要な単位を修得して退学した者

なお、研究生としての期間満了後、引き続き研究生を希望する場合は、次年度の募集要項に従い、あらためて選考を受ける必要があります。

カリキュラム 2023年度

*講義内容詳細については、シラバス をご参照ください。

分野等 授業科目 単位数 授業形態
必修 選択
日本史分野 日本古代社会文化論特殊演習 4 演習
日本中世社会文化論特殊演習 4 演習
日本近世社会文化論特殊演習 4 演習
日本近代社会文化論特殊演習 4 演習
日本女性史特殊演習 4 演習
歴史資料学特殊演習Ⅰ(古文書学) 4 演習
歴史資料学特殊演習Ⅱ(考古学) 4 演習
歴史資料学特殊演習Ⅲ(美術史学) 4 演習
東洋史分野 アジア社会文化論特殊演習 4 演習
アジア女性史特殊演習 4 演習
西洋史分野 ヨーロッパ社会文化論特殊演習 4 演習
ヨーロッパ女性史特殊演習 4 演習
特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 各4 演習

修了要件

次の3点を満たすと博士(文学)の学位が授与されます〈標準修業年限3年〉。

  1. 「特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(各4単位)、計12単位を修得。
  2. 「特別研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を除く科目を4単位以上修得。
  3. 以上、合計16単位以上を修得、かつ必要な研究指導を受けた上で博士論文を提出し、学位論文審査および最終試験に合格。

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