研究交流会「アースダイブで切り拓く経済学の可能性」を開催 | 京都橘大学 受験生サイト

研究交流会「アースダイブで切り拓く経済学の可能性」を開催

 2025年10月1日(水)、本学経済学部は、2026年度の「現代社会専攻」開設を記念し、研究交流会「アースダイブで切り拓く経済学の可能性」を開催しました。学部改組のキーコンセプトである「アースダイブ」という言葉は、私たちが生きるこの地球上のあらゆる現場に深く潜り、真理を探究する取り組みを広く表現しようとしたものです。

 

  

 研究交流会冒頭、第1部では吉川英治教授から経済学部経済学科が2026年4月より2専攻制となること、現代社会専攻の特徴について講演が行われました。また、第2部では経済学部教員によるアースダイブ事例紹介、第3部では龍谷大学政策学部 只友景士教授から講評及び講演をいただきました。

 

 

【第2部・アースダイブ事例紹介】

 

●小山大介 教授『地域経済研究における現地調査と政策研究への展開』

 

 小山先生からは、地域調査の実践例として、ゼミで取り組む京都府与謝野町などで100世帯を対象とした家計調査や聞き取り調査等について報告されました。これは所得や地域での消費の実態を直接把握する実践的なフィールドワークであり、学生は必ずこの地域理解の実習に参加しています。この地域に潜り込む調査活動を通じて得られる「発見の継続・積み重ね」が、行政関係者、研究者、そして学生や住民自身の成長と地域理解を深める最も重要な要素であると結んでいます。

 

 

●前田一馬 講師『「地域」を再発見する ―景観観察とGISがひらく学び―』

 

 前田先生からは、祇園新橋地域での伝統的な「お茶屋」の建物が現代でどのように使われているのかの調査を事例として、地図と、現場での五感を使ったフィールドワークを組み合わせて情報を収集し、地域の変化を明らかにする方法について紹介されました。街を歩き、景観観察と地図やGIS(※)といったツールの活用を模索することで、点ではなく奥行きや懐の広さを持つ地域の本質を把握し、小さな発見から地域研究につなげられると締めくくりました。

 

※ 地理情報システム。コンピューターを用いて位置情報を持つ様々なデータを重ね合わせ、分析・管理・表示するシステム技術の総称。

 

 

●牧和生 准教授『アースダイブへの挑戦 ―ゼミ×ホスピタリティの実践―』

 

 牧先生からは、経済活動において重要な概念「ホスピタリティ・マインド」を身につけるためのゼミ活動が紹介されました。ホスピタリティとは、異なる価値観を受け止め「敵ではない他者」を歓迎することだと捉え、ゼミ活動では相手をリスペクトしながらも自分の意見を言える「仲良く喧嘩する関係」の構築を目指しています。ゼミで開催するハロウィンパーティーやクリスマス会はホスピタリティを実践し、学生の成長を促すための手段だと語りました。先生は自身の「アースダイブ」を、研究を通じて社会の問題に飛び込むことに加え、ゼミや学生の輪に飛び込み、学生の心に寄り添うことと位置づけています。

 

 

●吉川英治 教授

『書斎で潜るアースダイブ―スミスもマルクスもケインズもアースダイバーだった―』

 

 吉川先生は自身の研究スタイルを「書斎でアースダイブ」と名付け、地域に実際に出向くフィールドワークだけでなく、古典的な研究を読み込み、埋もれてしまったが実は活かせるアイデアを発掘する手法を紹介しました。フィールドワーク(現場)と古典研究(書斎)の両面からアースダイブの可能性を示し、現代社会に必要なのは、人間と社会を深く掴み直す「人間学」としての経済学であるというメッセージを提示しました。理論中心や計量分析中心のアプローチだけでなく、地域に寄り添いながら調査研究を実施していくことを今後も意識して活動を展開していきたいと締めくくりました。

 

 

 

【第3部・只友教授の講評及び講演】

 

 只友先生は社会のダイナミズムや地域・住民の暮らしを守る動きに注目しているとし、学生を地域に巻き込む実践的な教育(アースダイブ的活動)として「政策実践・探求演習」やゼミでの活動事例を紹介いただきました。学生は活動の中で、自分たちの使命や、地域住民、学外の関係者に対する説明責任を果たすうちに「変わる瞬間」があり、成長していくと、只友先生の長年の研究・教育実践から得られた「アースダイブ」に通じる知見についてご講演いただきました。

 

 

 現代社会は、発展の可能性を秘めながら、一方で地球温暖化や資源やエネルギー問題、国際的な争いなど、全人類史的な危機に直面しており、新しいライフスタイルや社会をデザインできる柔軟性と創造力が求められています。

 

 京都橘大学経済学部は、現代社会専攻にて「アースダイブ」をコンセプトに人々の暮らしの場を訪ね歩き、深く潜ることで、現代社会の課題の本質に迫ります。そして、文理の垣根を越えた知識を習得し、新たな暮らしや社会をデザインする力を身につけた人材を養成してまいります。

 

▼経済学部経済学科 現代社会専攻

https://www.tachibana-u.ac.jp/admission/faculty/social/

 

▼TACHIBANA DISCOVERY

実社会とつながる経済学部が2専攻制に!

新しいライフスタイルをデザインする現代社会専攻が2026年4月スタート

https://www.tachibana-u.ac.jp/discovery/interview/5272

募集学科等の略号

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学部・学科等 略号
デジタルメディア学部 デジタルメディア学科 デジ【文系型】
デジ【理系型】
工学部 ロボティクス学科 ロボ
情報工学科 情報【文系型】
情報【理系型】
建築デザイン学科 建築
文学部 日本語日本文学科日本語日本文学コース・国際日本文化コース 日文
日本語日本文学科書道コース 書道
歴史学科 歴史
歴史遺産学科 遺産
国際英語学部 国際英語学科グローバルスタディーズ専攻 GS
国際英語学科国際共生専攻 国共
発達教育学部 児童教育学科 児童
総合心理学部 総合心理学科 心理
経済学部 経済学科経済学専攻 経済
経済学科現代社会専攻 現社
経営学部 経営学科経営学専攻 経営
経営学科スポーツ経営学専攻 スポ
看護学部 看護学科 看護
健康科学部 理学療法学科 理学
作業療法学科 作業
救急救命学科 救命
臨床検査学科 検査
臨床工学科 臨工

本学で利用できる大学入学共通テストの教科・科目

  • 「英語」の得点はリーディング(100点)とリスニング(100点)の合計。
    「 英語」でリスニングを免除された者は、リーディング100点満点を200点満点に換算(本学への受験上の配慮申請が必要。
    詳細は、9月中旬発行予定の『2026年度入学試験要項』に記載)。
  • 「国語」の得点は近代以降の文章と古典(古文・漢文)の合計(200点)。
  • 「英語」「国語」以外の科目は、200点満点に換算。
  • 「選択」としている科目のうち、必要科目数以上受験している場合は教科の括りに関わらず、高得点科目から順に採用。
    (同教科内から2科目も可。例:「物理」+「化学」)。

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試験科目 グループ 出題範囲
国語 「国語」
地理歴史
公民
「地理総合,地理探究」「歴史総合,日本史探究」「歴史総合,世界史探究」「公共,倫理」「公共,政治・経済」「地理総合/歴史総合/公共」
数学 「数学Ⅰ,数学A」「数学Ⅰ」
「数学Ⅱ,数学B,数学C」
理科 「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」
情報 「情報Ⅰ」
外国語 「英語(リーディング・リスニング)」

本学で利用できるのは、令和8年度大学入学共通テストのみ(前年度成績の利用は不可)。