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予備校講師による入試科目別学習アドバイス

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英語予備校講師による入試科目別学習アドバイス

本学の公募推薦や一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度公募推薦および一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

公募推薦

出題傾向

解答形式は、全問マークシート方式。

問題の構成は、大問3問。[Ⅰ]は長文(約530語)の読解問題で、設問形式は、空所補充(4問)、類義語選択(4問)、一つのセンテンスの意味を英語で言い換えたものを選ぶ問題(1問)、内容真偽問題(5つの英文について、本文の内容と合っているかどうかを判断するもの)。英文の内容は、「対外戦争と内戦が続いたイラクの復興のために、伝統的な楽器による演奏会を開き、その収益で音楽教育などを支援している伝統的な楽器演奏者の紹介」である。[Ⅱ]は短文空所補充問題で、標準的な文法の問題(5問)。[Ⅲ]は、日英対照形式の英文完成問題で、主に日本文に対応する英文を完成するのに必要な語彙力が試される問題である。内容は、「東京の原宿周辺、特に対照的な竹下通りと表参道」の紹介である。

難易度について。[Ⅰ]の英文は、過去30年ほどのイラクの歴史をある程度知っていれば、読みやすいかもしれないが、英文の難易度としては易しいとは言えず標準的なレベルである。[Ⅱ]は、5問とも文法問題で、標準的なレベルのものである。[Ⅲ]は、形式は独特だが、内容的にはおなじみのものであり、英文に対応する日本文があるので、落ち着いて取り組めば難しいものではない。

学習対策

まず、語彙力をつけること。全体として、語彙の問題(類義語句の選択問題と語句の空所補充問題)が大きな割合を占めているので、何よりも語彙力の充実が望まれる。語彙力をつけるためには、毎日、単語・熟語集を使い、受験必修の単語・熟語を覚える努力が欠かせない。

もちろん、英文を読む力をつけることも大事であることは言うまでもない。そのために500語程度の長さの英文、それも今日的なテーマの英文にある程度当たることが必要である。出題される英文は、新聞や雑誌の記事が多いので、そのような英文にもある程度触れておくことも必要である。

基本的な文法の知識を身につけることも欠かせない。英文の意味を捉えるためには、文構造や語句の結びつきを正しく把握する力をつけることが必要である。

過去問に当たって練習しておくことも大事なことである。制限時間内に必要な得点を得るにはどうすればいいのかが分かるからである。

一般選抜

出題傾向

解答形式は、前期A、B、C日程、後期日程のいずれも全問マークシート方式。

問題の構成は、前期日程が大問4題、後期日程が大問3題。前期では長文読解問題が2問出題されるのに対し、後期ではそれが1問となっている。前期日程は、[Ⅰ] [Ⅱ]ともに500~600語程度の長文読解問題、[Ⅲ]は短文空所補充問題と単語の定義選択問題、[Ⅳ]は日英対照式の英文完成問題である。[Ⅰ] [Ⅱ]の長文読解問題では空所補充、類義語句選択、内容真偽問題(各英文が本文の内容に「合っている」か「合っていない」か、を判断するもの)が共通して出題されている。英文のテーマは、前期A日程[Ⅰ]は「エストニアの首都タリンの環境にやさしい都市作りの紹介」、[Ⅱ]は「AIによる新しい技術に対して、一般のアメリカ人がどう思っているかの世論調査を分析したもの」、前期A日程[Ⅰ]は「世界的に珍しい、日本人の生ものを食べる習慣について」、[Ⅱ]は「二人のドイツ人による、日本での新しいレストラン・チェーンの成功物語」、前期C日程[Ⅰ]は「現代英語の起源である古英語(Old English)で書かれた詩や歴史書などの紹介」、[Ⅱ]は「大坂なおみが、プロテニス選手として活躍をしているだけでなく、社会の不公平や不正義、特に人種差別に対する抗議活動をしていること」などである。[Ⅲ]は、短文空所補充問題が5題、単語の定義選択問題が5題出題されている。[Ⅳ]の日英対照式の英文完成問題では、空所補充問題に加えて、整序英作文が出題されている。

後期日程の問題構成は、[Ⅰ]長文読解問題、[Ⅱ]短文空所補充問題、[Ⅲ]日英対照形式の英文完成問題となっており、長文読解問題が1題少ないことと単語の定義選択問題がないこと以外は、前期日程と同じである。その長文の内容は「東南アジアにおける農業の分野へのデジタル技術の応用」である。

難易度については、全体として標準的なものであるが、長文問題で取り上げられている英文のほとんどが、ネット版の新聞や雑誌に掲載されたものであるために、かなり読みにくい箇所がある。また、前期日程の[Ⅲ]の定義選択問題については、定義の記述から推測することが難しい語彙も問題になっているので、やや難しい問題と言ってよいだろう。

学習対策

まず語彙力を充実させなければいけない。単語集・熟語集を利用して繰り返し覚えることが不可欠である。全体として語句の空所補充問題と類義語句選択問題の占める割合が高いので、語彙力の強化だけでもかなりの得点源になる。もちろん、語彙力を充実させるためには、英文を読み解きながら、個々の語彙についての理解を深めることが大切であることは言うまでもない。長文総合問題の対策として、500~600語程度の標準的なレベルの英文の要点をつかむ練習をしよう。また、ネット上の英字新聞や雑誌にアクセスして、様々な今日的問題を扱う英文に触れておくことも大いに役立つ。もちろん、なかなか理解するのは難しいであろうが、タイトルなどを見て、何が問題になっているかを知ることは大いに役立つと思われる。

また、基本文法の習得も欠かせない。文法・語法問題はもちろんのこと、長文読解問題や日英対照式の英文完成問題でも文法力を必要とする問題が出題されているからである。

過去の問題を解いて時間配分を考えておくことも大事である。自分がどの問題で得点しやすいのか、あるいは得点し難いのかをチェックし、本番では自分の得点しやすい問題から解いていくのが得策である。

国語予備校講師による入試科目別学習アドバイス

本学の公募推薦や一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度公募推薦および一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

公募推薦

出題傾向

現代文から4題出題され、その内訳は文章読解問題1題、文学史の単独問題1題、四字熟語に関する問題1題、漢字の単独問題1題であり、前年度と概ね変わりはない。解答方式はすべてマーク式である。

文章読解問題(選択肢4者択一、ただし内容合致問題は、6つの選択肢の中から正解2つを選ばせるもの、また脱文補充は、5者択一)には例年、内容・分量ともに標準的な評論文が出題されているが、それに変化は見られない。本年は小林敏明『フロイト講義(死の欲動)を読む』であり、フロイトなどを例にあげながら、ネガティヴからポジティヴへの変転を通して語りえぬものを語ろうとする努力の大切さについて考察している。知的示唆に富む文章であり、入試現代文にふさわしい内容である。量的にも適度と言えよう。

設問に関しては、第1問の文章読解問題は、接続語や語句の空欄補充問題、脱文補充問題、文中の要所に関する設問、本文全体にかかわる内容合致問題が出題されている。問題数は5問で、前年度と変わらない。適度な量であり選択肢の文も読みやすく、特に解きにくい問題はない。第2問から第4問の知識問題も標準的な良問であるので、普通に勉強していれば確実に得点できる。

学習対策

知識問題の比重が大きく、その意味で基礎的な国語常識に重点が置かれていると言える。知識問題は、確実に点数が取れる分野なので、取りこぼしをしないよう注意しよう。文学史は明治期の作家から戦後作家に至るまでまんべんなく広範囲にわたって出題されているので日頃から綿密に学習しておく必要がある。四字熟語はそれほど難度の高いものは出題されておらず、普段から着実に学習を積み重ねていれば、確実に得点できるはずである。いずれにしても文学史、漢字、四字熟語などはそれぞれ最低でも一冊の問題集はやり遂げ、それを繰り返し、しっかりと身につくまで反復練習しておこう。

文章読解問題については評論文を中心に練習を積んでおくことが必要である。人によって得手不得手はあろうが、現代文の場合、答えを決めてかかるとうまくいかないことが多い。先入観を持たずに問題文を正確に読解することを心がけよう。特に空欄補充は感覚に頼るのではなく、前後の文脈に即した語句や接続語を選ぶようにしよう。選択肢問題も最初に答えを決めてしまうのではなく、消去法で答えを絞り込むのがよい。その際、労をいとわずに本文を丁寧に比較参照しながら、選択肢を吟味すること。脱文補充に関しても、選択肢に一つ一つ当てはめ、前後の論理的なつながりを吟味したうえで、判断を下すことを心がけよう。安易な即断はくれぐれも禁物である。なお脱文補充の選択肢は年度によって4択から6択まで変化しているので、その点にも留意しておくこと。

一般選抜

出題傾向

各日程ともに、現代文から大問4題が出題されている。内訳は、前期のA・B・C日程が文章読解問題(選択肢は内容合致が6者から二つ選ばせる形式か4者から一つ選ばせる形式、他は概ね4者択一か5者択一である)が2題、文学史の単独問題が1題、慣用表現等国語常識の単独問題が1題であった。後期日程については、文章読解問題(選択肢は内容合致が6者から二つ選ばせる形式、他はすべて4者択一)が1題、文学史、慣用表現、漢字の単独問題がそれぞれ1題ずつであった。解答方式はすべてマーク式である。

文章読解問題は各日程ともにすべて評論文である。内容は多岐にわたっており、タイトルで一例を示すと、A日程・永嶺重敏『〈読書国民〉の誕生』、B日程・佐伯啓思『近代の虚妄』、C日程・大澤真幸『経済の起原』、後期日程・伊藤亜紗『手の倫理』などである。特に読みにくい文章ではないが、制限時間内で正確な読解をするためには、普段から問題集等で社会科学系の評論文に慣れておく必要があるだろう。なお、問題文の分量は適度なので、あせらず丁寧に読むことに努めよう。

設問内容については、文章読解問題では、接続語や語句を補充する空欄問題、脱文補充問題、傍線部に関する設問、本文内容合致問題等が出題されている。選択肢の表現は素直で読みやすく、適度に差別化されているので、解きにくい問題は見当たらない。知識問題については、文学史がやや難しめと言えよう。作品名や作家名を選ばせる問題が中心になってはいるが、代表作ではない作品名などかなり突っ込んだ内容が問われる場合があるので留意しておこう。過去問による周到な研究が必要である。四字熟語や慣用句の難易度は順当なものであり、普通に勉強していれば問題はない。

学習対策

前期日程では、大問[Ⅰ]、[Ⅱ]の文章題での得点が合否の鍵を握る。

文章題の出典は評論文なので、普段から問題集等で社会科学系の文章に慣れておかなければならない。出題されている文章の内容はやや難解なものも含まれるが読みにくいものではなく、また量的にも適度なものなので、日頃の練習量が決め手になるだろう。決して感覚的な勘などに頼るのではなく、文章の筋道を正確に丁寧に読み取ったうえで判断するように心がけよう。

特に接続語の空欄補充に関しては、安易な判断は禁物である。少し時間をかけてでも丁寧に考えなければならない。脱文補充も選択肢の一つ一つに当てはめて、文脈に合った適切な個所を慎重に見極めるべきである。傍線部に関する設問、内容合致問題については、正解を最初から決めてかかるのではなく、選択肢を比較考量し、どれがより正解に近いかという観点から検討するやり方がよい。いずれにしても普段から、過去問や問題集にあたり、自分に合った勉強方法を確立しておくことが重要である。

知識問題は文学史がやや難しめであり、ここでの取りこぼしは合否を左右しかねない。したがって、単に作品名を暗記するだけでは十分とは言えず、詩や俳句の分野、作品の成立年代、機関誌や雑誌名、書き出しなどに習熟しておかなければならない。問題集を一通りやり終えたら、反復練習して記憶を完全に定着させることが必須である。また、国語便覧等を適宜参照し、情報をより多く蓄えるようにしよう。後期日程の場合、知識問題の比重が大きいので、以上述べたようなことに留意して、最善の取り組みをしよう。

数学予備校講師による入試科目別学習アドバイス

本学の公募推薦や一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度公募推薦および一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

▼数学ⅠA

公募推薦

出題傾向

大問3題(小問の総数は27題)で、試験時間は40分である。問題の内容は、教科書の例題から章末問題まで扱っている。基本問題が中心であるから、確かな基礎力で要領よく解き進めていくことが必要である。

[Ⅰ]は、異なる分野からの小問5題で構成されている。「放物線と 軸の位置関係」、「データの平均値と中央値」、「三角形の内心が角の二等分線の交点であることに着目した面積比」、「素因数分解をベースに最小公倍数から2つの整数の組の確定」、「解に含まれる整数の個数による1次不等式の決定」である。いずれも基本の理解を見る内容であるが、定理や公式の背景にある考え方も学習しているかが問われる問題も含まれている。[Ⅱ]は、2つの分野からの出題である。〔1〕は、正四面体において余弦定理や面積公式を用いて図形の計量をさせる入試頻出の代表的な問題である。特別な直角三角形の存在に気が付くかもポイントになっている。〔2〕は、定価と値引きが設定された商品の購入代金について、方程式・不等式・関数を作って数学的な処理が出来るかが試される問題である。小・中・高での学習の積み重ねに焦点が当てられている。[Ⅲ]は、順列・組合せからの出題である。特別な条件が付けられた並べ方や分け方の総数を、重複することなくもれなく数えるには、代表的なものについてはその処理の方法を知っておかなければならない。これらを応用して見慣れない条件に対しても適用出来るように、いろいろなタイプの問題に当たっておくとよいだろう。

学習対策

●教科書を読み理解を深める
定理や公式を単に暗記しているだけでは、それらを入試問題に対して適切に使うことは難しい。問題解決に到る道筋を見つけるには、各分野特有の数学的な考え方を系統的に学習しておくことが必要である。そのための最適な方法は、教科書をしっかり読むことである。時間が掛かって遠回りに思うかもしれないが、深い理解を得ることができ、いくつかの定理や公式の関連性に気が付くと「覚える」という作業を減らすことも出来るだろう。中途半端な知識でごまかすことなく、効率よく正しい知識を身につけて欲しい。

●問題を解き実践力を高める
教科書の内容は分かったと思っても、実際に問題を解き始めると行き詰まることがあるだろう。抽象的な理論を具体的な状況に円滑に適用出来るようになるには、問題演習を十分に行うことが必要である。教科書の例題を完全に解けるようにした上で、章末問題、さらに問題集を利用し、少しレベルの高い問題に取り組みながら思考力や応用力を磨くとよいだろう。また、解答形式がマークシート方式であっても、自分が用いた解法の大筋を見返すことが出来るよう記述して書き残し、ミスの原因をはっきりさせることが重要である。単なる計算ミスなのか、詰めが少し甘かったのか、考え方そのものが間違っていたのかを検証して、実力を伸ばして欲しい。

一般選抜

出題傾向

前期A~C日程は大問4題で試験時間は60分、後期日程は大問3題で試験時間は40分である。どの日程についても、[Ⅰ]は異なる5つの分野からの小問集合、[Ⅱ]は2分野からそれぞれ1つのテーマで考える問題、[Ⅲ]と[Ⅳ]は1つのテーマに沿った問題になっている。また、解答形式はすべて空所を埋めるマークシート方式である。

内容については、「式の値」「不等式と方程式」「2次関数とそのグラフ」「図形」「場合の数と確率」が中心であるが、「データの分析」の問題が小問集合で出されている日程もある。また、[Ⅱ]〔2〕は、どの日程においても、中学校までに学習する内容を含んだ文章題になっているのが特徴である。

難易度については、基本~標準レベルで、特別な知識を必要とする問題は見当たらない。ただ、図形や確率の分野では、基礎力があればそれを少し応用すれば解答出来る問題が出題されることが多い。したがって、教科書の章末問題や標準レベルの問題集でしっかり練習をしておき、試験時間内で合格に必要な得点を上げることが出来る状態にしておくことが望まれる。

学習対策

●基本事項を徹底しよう
数学Ⅰ・Aの各分野からまんべんなく出題されるので、教科書をきちんと読んで基本事項の内容をしっかり理解することから始めよう。次に、教科書傍用問題集などで基本事項を定着させ、苦手な分野をなくそう。多くの分野では、基本事項をマスターしておけば対策としては十分なので、教科書の章末問題などで練習しておくようにしよう。

●頻出問題に慣れる
1次方程式や不等式・2次方程式・三角比・場合の数・確率と言った単元は、複数の小問から構成される大問として出題されることも多いので、掘り下げて学習しておこう。1次方程式や不等式・場合の数・確率では、問題文から解答に必要な多くの内容を読み取って立式することが求められる。こういった問題に苦手意識があると解答に時間が掛かってしまうおそれがあるので、問題集で練習を積むことで頻出の問題の形式に慣れておこう。

●演習の際はミスに注意する
全問マークシート方式であり、部分点などはなく計算ミスは致命的となる。普段から、正確にミスなく計算することを心掛けるだけでなく、工夫して計算することで計算を簡略化してミスを防ぐことを意識しよう。また、計算の結果の見直しに時間を割けるようにするために、教科書の例題や章末問題などの基本的な問題や典型問題では、すぐに解答方針が立てられるか、最後まで滞りなく解ききれるかをチェックしておくと良いだろう。その上で、自らの解答の手順や計算方法と、模範解答の流れとを見比べて、より効率よく解答出来る方法を見つけておこう。

▼数学ⅠAⅡB

公募推薦

出題傾向

大問3題(小問の総数は29題)で、試験時間は40分である。問題の内容は、教科書の例題で扱われているものが中心になっていて、幅広い分野についての理解を見ようという意図が読み取れる。例題に載っているような問題は、頭に入れてある解法で短時間で片付けることが望まれる。

[Ⅰ]は、異なる分野からの小問5題から成っている。「放物線と𝒳軸の位置関係」、「データの平均値と中央値」、「三角形の内心が角の二等分線の交点であることに着目した面積比」、「成分表示された2つのベクトルの平行条件と垂直条件」、「3次関数の平均変化率と微分係数」であるが、いずれも基本レベルであるから完答しておきたい。[Ⅱ]は、2つの分野からの出題である。〔1〕は、正四面体において余弦定理や面積公式を用いて図形の計量をさせる入試頻出の代表的な問題である。特別な直角三角形の存在に気が付くことが出来るかもポイントになっている。〔2〕は対数の定義から始まり、対数法則を用いた方程式と関数の最大値・最小値を考える入試頻出の標準レベルの問題である。対数の意味をよく理解しておくことが必要である。[Ⅲ]は、数列に関する問題である。等差数列と等比数列を用いて、分数数列の和、の和、階差数列を与える漸化式についての代表的な問題が並んでいる。この分野はそれぞれの特性を活かした解法があるので、問題演習を十分に行い、問題を見て直ぐに対応出来るような力を付けておくことが大切である。

学習対策

●「解法の定石」を身につけよう
毎年、基本~標準的な問題の出題が大半です。まずは「典型的な問題に対する解法の定石」を身につけよう。教科書のすべての分野で、定義や公式の仕組みを理解し、例題やそれに付随する問いの中で、解けないものがあれば1つずつ出来るようにしていこう。

●速く正確な計算力
 マークセンスの問題なので、計算力がきわめて大切。マーク式解答では式は合っているのに計算間違いをすると0点になる。日々の学習の中で最後まで問題を速く正確に解くことを心掛けよう。また、図形問題に取り組むことも不可欠である。図形の問題を解くときに、与えられている条件を図に書き込み、合同や相似を見つけたり、補助線を引いたり、対称性に注目したり、定理や公式が使えないかということを、普段の学習に取り入れていこう。

●過去問題集は一番の問題集
「解法の定石」を身につけたら、早速過去問を数年分やってみよう。過去問には、大学が受験生に望んでいる学力を必要とする問題が詰め込まれています。過去問に3回取り組むと自分の弱点が分かってくる。出来なかった分野は、教科書傍用問題集や参考書などを使って重点的に練習をして穴をなくしていくことが合格への近道だ。

一般選抜

出題傾向

前期A~C日程は大問4題で試験時間は60分、後期日程は大問3題で試験時間は40分である。どの日程についても、[Ⅰ]は異なる5つの分野からの小問集合、[Ⅱ]は2分野からそれぞれ1つのテーマで考える問題、[Ⅲ]と[Ⅳ]は1つのテーマに沿った問題になっている。また、解答形式はすべて空所を埋めるマークシート方式である。

内容については、出来るだけ幅広い分野についての基礎学力を見るものになっている。出題範囲がⅠ、A、Ⅱ、Bと広いので、重要なところにポイントを絞った出題のされ方になっている。

難易度については、教科書で扱われている基本~標準レベルのものが中心となっているが、積分計算では工夫を要するややレベルの高い問題も見られる。学習した内容を十分に理解していれば自然に応用出来るレベルの問題だけではなく、多くの問題に当たることによって得られる要領の良い計算方法も知っておくと、余分な時間を掛けることなく解き進めることが可能となり、得点力アップにも繋がるだろう。

学習対策

●まずは過去問をやってみよう
時間を区切って過去問を解いてみることで、難易度の見極めや時間配分が適切かどうかを確認しておこう。解くコツとしては、見慣れない問題と典型的な問題が混在しているので、問題全体を見渡して、解きやすそうな問題から解いていくことが大切だ。また、一見すると見慣れないタイプの問題でも、題意をしっかり読んで対応すると、よく知られている事柄であることに気づかされることも多い。

●偏りがない出題
過去問を解いたのち、出来ていないところを重点的に復習するのはもちろんのこと、偏りがなくいろいろな範囲から出題されるので、教科書や参考書を用いて一通り見直してみて、抜けている定理や公式がないか、基本的な問題に対応する力が身についているかを一度確かめてみることが合格への最短ルートだ。

●マークシート方式の問題に慣れよう
最終結果のみに点数が与えられるマークシート方式は、計算ミスや転記ミスに注意し、見直しもしっかり行うこと。対策としては同じような方式の、共通テストの過去問や共通テスト対策用の問題集を使って演習を積み重ねて慣れていこう。

日本史予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

構成はA・B日程どちらも大問3題で、小問(解答数)がA日程40問、B日程39問と昨年度並みであった。

問題のスタイルは両日程とも共通しており、大問ごとに25~30行程度のリード文に対して空欄や下線が施され、それぞれに設問が設けられている。例年と設問内容や難易度に大きな変化はなく、大学受験の日本史としては、極めてオーソドックスな形式であるので、対策としては、従来の過去問を参考にするとよいだろう。

設問内容は、語句・人名といった基礎的な知識を5つの選択肢から選んで解答するものと、4つの選択肢から1つの正文(または誤文)を選ぶ形式が大半を占める。それ以外には、5つの出来事(短文)を年代順に並べて3番目に該当するものを選ぶ問題や、地図中の記号と、その場所に関する説明文を正誤判定する問題、史料文の内容に対する正誤判定問題、関係の深いもの同士を組み合わせて解答する問題が出題されている。設問内容の大まかな割合は、語句・人名(基礎知識)を問うものがA日程で19問、B日程で14問(加えてA日程には見られない関係の深い語句・人名を組み合わせる問題が3問)と全体のおよそ半分で、いくつか具体例をあげると、懐風藻・北面の武士・曼荼羅・保科正之・大学頭・五箇条の誓文・壬午軍乱・尾崎行雄・神武景気(A日程)、男衾三郎絵巻・安達泰盛・万福寺・政談・杉田玄白・愛国社・渋沢栄一・ノモンハン事件(B日程)といったものである。どれも受験日本史の学習内容としては基礎レベルであるから、まずはここをしっかりと得点につなげていきたい。文化史もおろそかにできない。

次に正文(または誤文)判定問題であるが、両日程ともに19問(地図・史料問題を含む)で残りの約半分である。具体例は「古代の宮都について」「古代日本の仏教について」「平安時代の土地制度について」「鎌倉幕府の役職について」「近世・近代のキリスト教政策について」「江戸時代の貨幣政策について」「江戸時代の農具について(図版問題)」「版籍奉還について」「殖産興業について」「大正期の社会について」「55年体制について」、4つの選択肢から選ぶといったものである。ちなみに昨年度では「古墳や古墳文化について」「応仁の乱後の政治・社会について」「桃山文化について」「松平定信がおこなった政策について」「秩父事件について」「明治期の文化・学問について」「ワシントン会議で結ばれた条約について」などが出題されている。これを見るだけでも、大まかな想像ができるだろう。正文(または誤文)判定問題の難易度であるが、基礎知識で解けるものもあれば、しっかりとした理解や詳細な知識がないと正解できないものまで幅広い。

次に地図問題だが、今年度は地図中の4ヵ所について説明された文章の正誤判定をする形式となった。A日程では日中戦争を主題に、北京・西安・南京・重慶、B日程では太平洋戦争を主題に、ハワイ真珠湾・ミッドウェー・サイパン・シンガポールが取り上げられた。地図問題は、国内であれば三内丸山遺跡や吉野ケ里遺跡など遺跡の場所、多賀城や胆沢城など東北支配関係、小田原や一乗谷など戦国大名の城下町、根室や下田など江戸時代後期における外国船来航関係、国外であれば中国から北京・上海・寧波・南京・重慶など、朝鮮に関連して対馬などは特に要注意であるから、日頃の学習に活かしてほしい。ちなみに過去には、「三菱造船所・高島炭鉱の文章から長崎を選ぶ」「徳川斉昭の文章から水戸を選ぶ」「遼東半島の大連を選ぶ」「閑谷学校の場所(岡山)」「大塩の乱が起きた場所(大坂)」「中尊寺金色堂の場所(岩手県平泉)」などが出題されているので参考にしてほしい。

最後に史料や図版に関する問題であるが、今年度はどちらも提示された史料・図版に関して正誤判定する問題であった。共通テストの史料読み取り問題を想像してもらえると分かりやすいだろう。扱われる史料は建武式目・武家諸法度・上げ米・日ソ共同宣言など、受験日本史では定番といえるものであるから、史料学習も怠ることのないようにしたい。昨年度までは、桂離宮や燕子花図屛風など文化財の図版(写真)を選択する問題が出されていたが、今年度は見られなかった。

西暦年代が直接答えとして求められることはないが、前述した通り、年代順に並べる問題が各日程につき2問ずつ出題されることや、正誤判定の選択肢文章に西暦が記載されるものもあるため、ある程度の年代知識も必要とされる。

出題範囲は古代から近代(戦前まで)が大半を占め、原始からの出題は各日程でそれぞれ1問、戦後史からの出題はそれぞれ2問であった。大問Ⅰが原始・古代・中世、大問Ⅱが近世、大問Ⅲが近現代という構成は両日程共通である。出題分野は、政治・外交分野が大半を占め、残りが社会・経済分野と文化史分野となっている。文化史の出題は、A日程で3問(天平文化・鎌倉文化・室町文化)、B日程で4問(鎌倉文化・室町文化・江戸時代の文化)と、昨年度から問題数は減少したが、基礎的な語句・人名を問うものであるから、しっかり得点を確保したい。文化史については、近代以降の出題は見られないため、江戸時代までの範囲を中心に、教科書の本文はもちろん、掲載されている図版にも気を使いながら学習しよう。時代・分野問わず、いずれも大学受験の日本史としては標準的なレベルで、問題量も60分の試験時間に対して適切である。

学習対策

大学入試問題は高校の教科書を基礎に作成されるので、教科書を中心に学習をすすめるのは当然である。その際、まずは問題の大半を占める政治・外交分野(つぎに社会・経済分野、さらに文化史分野)の基礎的な語句や人名を、混乱することのないよう覚えることが重要である。出題傾向で触れた通り、基礎知識に関する問題が全体の約半分を占めるため、ここで得点を積み重ねることを最優先にすべきである。もちろん、教科書に掲載されている地図や写真も意識すること。歴史用語はただ単に覚えればよいというわけではなく、「勘解由使」と「検非違使」、「北面の武士」と「西面の武士」など間違えやすいものは注意を払いながら、天皇・執権・将軍・内閣など時の権力者(執政者)と出来事を組み合わせながら覚え、そこに重要事項の西暦年代を加えて学習するとよいだろう。

長屋王の変→藤原広嗣の乱→国分寺建立の詔→橘奈良麻呂の変→恵美押勝の乱(2022年度A日程)、ロシア使節ラックスマン来航→イギリス軍艦フェートン号事件→アメリカ商船モリソン号事件→オランダ国王の開国勧告(2022年度A日程)、黒田清隆が超然主義を表明→第2次松方内閣→第1次大隈内閣→立憲政友会の結成→社会民主党の結成禁止(2023年度A日程)といった整序問題に対応できるかどうかを念頭におくことも大切である。史料問題も必出であるため、教科書に掲載されている重要な史料は、文中の重要語句や重要フレーズを意識しながら目を通しておきたい。2023年度は、地頭の横暴(阿氐河荘民の訴え)・建武式目・武家諸法度(寛永令)・上げ米・日独防共協定・日ソ共同宣言の史料が出題されたが、どれも重要な基本的事項に関する史料であるため、取りこぼしは避けたい。しかし史料学習は慣れが必要なため、教科書学習と並行して、標準レベルの史料問題集を1冊こなすのも対策としてよいだろう。

正文(または誤文)判定の学習方法だが、問われる内容も多岐にわたっており、単純な歴史用語の知識だけでは対応できないので、まずは古代・中世の基礎的な学習が済んだ時点で、本学の過去問から大問Ⅰの正文(または誤文)判定問題を実際に解いてみるのがよい。正誤判定というのは、どこまで深く理解していなければ正解できないのか分かるはずである。そうすれば平素の学習においても、「時期」「内容」「結果」などにまで注意をはらう必要性が理解できるだろう。これを、近世の基礎学習→大問Ⅱ、近代(戦前まで)の基礎学習→大問Ⅲと続け、標準レベルの正誤判定問題集などを使って慣れていくとよいだろう。

学習範囲は、主要な出題範囲である古墳時代(または推古朝)から太平洋戦争の終結までを中心にすえ、つぎに戦後の占領政策から高度経済成長期までを加えるとよい。前述したとおり、戦後史の出題が2問あるので、基本事項を中心に学習しよう。注意すべきは、文化史分野の学習をいつまでも後回しにしたり、細かい事項にまで気を取られて、予定していた範囲の学習が終わらないまま受験本番とならないように、余裕を持った計画を立て、基礎的な用語の学習・正誤判定・過去問をバランスよく組み合わせていけるよう意識すること。用語を覚えることばかりに時間を費やし、勉強した「つもり」とならないよう、必ず問題集や過去問を解いて、自分に力がついているのかどうかを確認することが大切である。

世界史予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

大問は例年通り4題で、小問数も昨年度に続いて40問であった。4題とも、オーソドックスなリード文中の空欄や下線部についての設問で、全問マークシート方式。小問40問のうち、半数の20問が4つの短文から適当なもの、あるいは不適当なものを選ばせる正誤問題であり、16~17問が単語あるいは単語の組合せを答えさせる問題、それ以外では3つの短文を時代順に並べさせる問題や年表を使った問題、地図や写真を使った問題も出題されている。全体に対する正誤問題の比率は例年変わっていない。

Ⅰ・Ⅱは欧米史、Ⅲ・Ⅳはアジア史。例年アジア史はⅢが中国史以外、Ⅳが中国史と明確に分かれている。Ⅲの時代・地域はさまざまであるが、イスラーム史の比率が高い。2023年度はA日程Ⅱ・B日程Ⅱがともに近現代史からの出題であったが、他の問題で古代・中世からも出題されており、全体として古代から現代までまんべんなく出題され、第二次世界大戦後からの出題も見られる。例年、A日程Ⅳの北京の歴史やB日程Ⅰのブルボン朝の歴史のように、欧米史・アジア史ともにあるテーマや地域を扱って長い時期にわたる事項を問う問題が多い。分野は政治史が中心であるが、社会経済史や文化史も幅広く問われる。

難易度は、いずれも教科書の記述の範囲内で問題が作成されており、標準的である。正誤を判定する問題の一部には判断に迷う短文も見られるが、その場合は他の短文の正誤の判定が明らかであり、消去法で解答できる場合が多い。分量は、正誤判定問題にじっくり取り組んだとしても、60分の制限時間内で充分解答できる。

学習対策

教科書中心の学習で充分に合格点に達することができるが、設問の半分を占める正誤判定問題に対応できなければならない。そのためには、単に歴史用語を覚えるだけではなく、その内容や前後の経緯などを理解しなければならない。例えば、「カノッサの屈辱」なら、いつ起こったのか(11世紀後半)、どういう事件なのか(ローマ教皇が神聖ローマ皇帝を破門し、神聖ローマ皇帝がローマ教皇に謝罪)、なぜ起こったのか(ローマ教皇と神聖ローマ皇帝が聖職叙任権をめぐって対立)、事件の結果どうなったのか(教皇権が強化に向かった)を含めて頭に入れていなければならない。正誤判定問題の誤りの文章は、事件の名称が誤っているだけでなく、事件の時期が誤っている、事件の内容が誤っている、事件の原因や結果説明の部分が誤っているなど、さまざまなパターンがあるからである。教科書の文章をよく読んで、歴史の流れをしっかり把握することが重要である。歴史の流れをつかむことは、短文を時代順に並べる問題や年表を使った問題に対応する上でも必要である。

欧米史はまんべんなく学習することが求められるが、アジア史は中国史が頻出分野なので確実に対策をとっておきたい。さらに、イスラーム史は同じく頻出分野でありながら、苦手な受験生も多く、差がつきやすい分野なのでしっかり学習しておくことが必要である。また、文化史もおろそかにしないようにしたい。

数は少ないが、地図や写真を使った問題も出題されるので、教科書に載っている地図や写真には目を通しておくことが望ましい。

以上のような傾向は、本大学の実際の入試問題を解くことによって実感できるので、本大学の過去問を解くことは、有効な学習対策になるだろう。

政治・経済予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

大問数4題、小問数40問で、前期A日程の構成は、大問2つ(Ⅱ、Ⅳ)それぞれの中に、2つのテーマが配置され、Ⅰ、Ⅲと合わせて6つの問題となっている。前期B日程は、大問3つ(Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)それぞれの中に、2つのテーマが配置され、Ⅲと合わせて7つの問題となっている。これらの問題は、それぞれのテーマの下にリード文が作られ、小問はこのリード文に関連して出題される。試験時間60分。解答形式は全問マークシート方式である。半分程度を占める短文選択問題は、4つの短文から「適当なもの」あるいは「不適当なもの」を選択させる正誤問題である。16~18問を占める語句選択問題は5つの選択肢から「適当なもの」を選ぶ問題である。その他に組み合わせ問題が3~4問、各日程で六肢択一で出題されている。

両日程とも大問Ⅰと大問Ⅱ〔1〕は政治分野からの出題で、政治制度や民主主義における権利・義務について問う標準的な内容の問題である。大問Ⅱ〔2〕も両日程とも国際分野からの出題で国際社会や国際法、冷戦などに関する設問である。大問ⅢはA日程では国民生活分野の社会保障制度、B日程は経済分野の市場経済と企業からの出題である。大問Ⅳ〔1〕は両日程とも国民生活分野からの出題で、労働問題、地球環境問題からの出題であった。〔2〕も両日程とも国際分野からの出題で、戦後の国際経済体制や南北問題、国際収支からの出題であった。

両日程とも政治分野からの出題が3分の1以上を占めるが、経済・国民生活・国際の各分野からも出題されている。全日程を通してバランスのとれた構成と思われる。政治・経済分野はもちろん、国際問題や社会保障・労働問題、地球環境問題なども出題されており、ほぼすべての分野から出題されている。標準的な問題がほとんどなので、確実に正答すれば、十分に高得点が目指せる内容である。

学習対策

政治・経済・国際関係・国民生活の各分野から出題される可能性があるので、すべての分野を学習する必要がある。また、教科書に準拠した標準的な問題が多く出題されるので、まずは教科書のすべての内容をしっかりと理解するようにしよう。そして、学習する際には、教科書の重要語句をただ暗記するだけではなく、その前後の文脈も理解しながら学習しよう。また、教科書の欄外に示されている語句なども問われることがあるので、見落とさずに学習しておこう。さらに日本国憲法と大日本帝国憲法の重要な条文はしっかりと学習しておこう。これらを覚えておくだけで2割ほどは得点できる。またグラフや図表の読み取り問題にも対処できる学習も必要である。

教科書を学習していてわからない用語や難解な用語が出てきたら、すぐに調べられるように用語集を用意しておくと便利である。用語集には、『政治・経済用語集』(山川出版社)や『用語集 政治・経済』(清水書院)などがある。また、教科書で学習した事柄について理解を深めるために、資料集なども積極的に活用してほしい。

知識を定着させるために、多くの演習問題を解いてほしい。教科書の内容を確認できる基礎的な問題集がよいだろう。また、本大学の過去問題を解くことで力を身につけるとともに、傾向もしっかりとつかむことができる。

物理予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

A日程、B日程ともに大問4題(小問の総数24題)で構成されている。[Ⅰ]は、「物理基礎」のいくつかの分野についての基礎知識を問う小問集合である。[Ⅱ]~[Ⅳ]は、それぞれ2つの分野から柱となるテーマに沿った問題が出されている。解答形式は、解答群から正解を選ぶマークシート方式である。

・A日程の設問内容
x-tグラフと速度、動摩擦力の大きさ、気柱にできる定常波、抵抗とスイッチから成る直流回路、絶対温度とセルシウス温度、比熱と吸収熱量
[Ⅱ] 〔1〕ばねと斜面による小球の斜方投射 〔2〕弦にできる定常波
[Ⅲ] 〔1〕万有引力による等速円運動 〔2〕P-Vグラフと熱力学の第一法則
[Ⅳ] 〔1〕レンズの公式 〔2〕点電荷が作る静電場

・B日程の設問内容
[Ⅰ] 自由落下、あらい斜面を上る物体に働く合力、熱量保存の法則、波のグラフ(y-xグラフ)と媒質の振動、摩擦力による運動エネルギーの減少、 と合成抵抗
[Ⅱ] 〔1〕v-tグラフと加速度 〔2〕電熱線に発生するジュール熱
[Ⅲ] 〔1〕ばねの鉛直方向の単振動 〔2〕ピストン付きの容器に封入された気体の状態変化
[Ⅳ] 〔1〕ドップラー効果 〔2〕並列回路とブリッジ回路

どの問題も、それぞれの分野の土台となる考え方を正しく理解した上で法則や公式を使えるかを見ることが主旨である。

試験時間は60分だが、確かな基礎力で臨めば解答するのに適切な時間である。

学習対策

様各分野の中心となるテーマを理解するのに欠かせない基礎的事柄に関する問題、すなわち教科書の例題になっているような問題を正解できるようにしておけば十分に対応できるだろう。

●教科書を読んで法則を理解しよう
様々な運動や現象が従っている法則の意味を系統的に学び、整理された形で頭に入れておくことが重要である。質点の運動なら、運動の法則、力学的エネルギー保存の法則、運動量保存の法則が根幹を成すが、後の2つの法則については教科書で導出過程までしっかり学んでおくと、保存されるための条件も頭に入り、状況に応じて正しく法則を適用することが可能となる。
また、物理量の定義よりも式だけを覚える受験生が多いが、加速度や比熱の定義を知っていれば、は当たり前の式である。断片的な暗記は無駄が多く非効率であることも知っておいて欲しい。

●問題を解いて法則を使いこなそう
一般論である理論を具体的な個々の場面で使うのは意外に難しいものである。教科書の例題から始めて、使える法則を選んで使ってみるという経験を十分に積んで欲しい。この練習によって理解が深まり、楽に学力を伸ばすことができる。問題を解くときは、途中の式も見直せるような形で書き残し、ミスの原因を知ることが大事である。選択肢から正解を選ぶタイプの問題は最後の仕上げに利用し、各分野の基本内容の再確認や自身の学力レベルの評価をするとよいだろう。

化学予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

A日程、B日程ともに試験時間は60分で、問題数は大問4問、[Ⅰ]は小問集合、[Ⅱ]は理論化学、[Ⅲ]は無機化学、[Ⅳ]は有機化学からの出題で、[Ⅱ]から[Ⅳ]はいずれも〔1〕と〔2〕で構成されている。

[Ⅰ]と[Ⅱ]は主に「化学基礎」、[Ⅲ]と[Ⅳ]は主に「化学」からの出題であり、解答はすべてマークシート形式となっている。いずれも標準レベルの内容で、それぞれの分野からバランスよく出題されており、分量も適量といえる。理論化学の出題については、[Ⅰ]と[Ⅱ]が主に「化学基礎」からの出題に限定されていることから、結晶格子、気体の諸法則、希薄溶液の性質(濃度計算除く)、熱化学、反応速度と化学平衡に関する計算問題は、これまでにも出題はなく、今後もこの傾向は続くと考えられる。

[Ⅰ]の小問集合について。B日程においては例年通り「生活の化学」から1問出題された(A日程での出題はなかった)。その他、A日程では実験(蒸留)装置、原子構造、分子の極性、同位体に関する問題、さらに、加熱による質量変化から原子量を求める計算、メタンとプロパンの燃焼における量計算が、B日程では、単体と元素、周期表、同位体の質量数と電子数の関係に関する問題、さらに、混合溶液のモル濃度の計算、気体の発生に対する量関係を示すグラフの問題などが出題された。

[Ⅱ]については、例年と同様、〔1〕中和反応、〔2〕酸化還元反応からの出題となった。

[Ⅲ]の無機化学については、A日程では、〔1〕ハロゲン、〔2〕鉄の性質について、B日程では、〔1〕硫黄、〔2〕カルシウムの性質について出題の出題となっている。

[Ⅳ]の有機化学については、A日程では、〔1〕アセチレン、〔2〕有機化合物の分離について、B日程では、〔1〕元素分析、〔2〕フェノールの反応についての出題となっている。

[Ⅰ]~[Ⅳ]の各大問は6~7つの小問で構成されている。

学習対策

本学の入試問題は、高校化学の教科書内容の基礎的な理解を問う良問の多い構成となっていることから、まず教科書を精読し、学校の授業で理解を深めることが入試対策として重要となる。その上で、教科書準拠の問題集を繰り返し演習することが合格につながる。計算処理を伴う問題に対しては、日ごろから、事象を正確に捉えて立式をし、筆算により正解を正確に導き出す訓練をすることが対策となる。

「化学基礎」からの出題については、教科書序章に記載された身近な化学物質として、過去に合金、プラスチック、繊維、洗剤、食品添加物に関する知識を問う問題が出題されているので、受験生には注意が必要。「化学」からの出題については、理論化学からは毎年、中和滴定と酸化還元反応が必ず出題されているので、滴定器具の取り扱いや指示薬については正確に押さえておく必要がある。過去には、二段滴定、CODの測定といった発展レベルの内容の出題もみられる。無機化学や有機化学については、全体的にまんべんなく出題されているが、特殊な内容の問題はないので、教科書に記載されている物質の性質や反応を正確に把握しておけば十分に対応できる。

生物予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2023年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

一般入試前期A日程、前期B日程ともに、大問4題から構成されており、出題された小問数はA日程、B日程ともに、32問であった。解答様式はすべてマークシート式であり、[Ⅰ]と[Ⅱ]は「生物基礎」から、[Ⅲ]と[Ⅳ]は「生物」から出題された。

A日程の出題は、[Ⅰ]は生物基礎のすべての範囲から出題される小問集合であった。[Ⅱ]では、〔1〕は「生物の特徴」から細胞の構造と酵素のはたらき、〔2〕は「生物の体内環境」からヒトの循環系と免疫に関する問題であった。[Ⅲ]では、〔1〕は「代謝」から呼吸、〔2〕は「遺伝情報の発現」から遺伝情報の発現のしくみと遺伝子の発現調節に関する問題であった。[Ⅳ]では、〔1〕は「動物の反応と行動」から情報の統合や刺激への反応、〔2〕は「植物の環境応答」から成長の調節と植物ホルモンに関する問題であった。実験問題として、[Ⅲ]〔1〕問6で遺伝子発現の調節について出題され、問題形式は一般的であるものの、選択に時間がかかるものであった。[Ⅳ]〔2〕問6では与えられた条件と図・グラフを統合する必要があった。計算問題は出題されなかった。

B日程の出題は、[Ⅰ]は生物基礎のすべての範囲から出題される小問集合であった。[Ⅱ]では、〔1〕は「遺伝子とそのはたらき」から遺伝情報とDNAの構造、〔2〕は「生物の体内環境」からホルモンによる調節に関する問題であった。[Ⅲ]では、〔1〕は「細胞と分子」からタンパク質の構造と性質、〔2〕は「生殖と発生」から初期発生の過程および細胞の分化と形態形成に関する問題であった。[Ⅳ]では、〔1〕は「動物の反応と行動」から受容器と情報の統合、〔2〕は「植物の環境応答」から環境の変化に対する応答に関する問題であった。実験問題として、[Ⅱ]〔2〕問7はフィードバックを問う標準的な問題だが、[Ⅲ]〔2〕問7の神経誘導のしくみを問う問題、[Ⅳ]〔1〕問3の視神経の切断を伴う視野の変化などを推定する問題など、やや難解なものが出題された。計算問題は[Ⅱ]〔1〕問1・問4で出題されたが、DNAの複製時間や塩基組成に関する問題で、標準的なものであった。

学習対策

A日程、B日程ともに、知識問題は複数の用語や内容を組み合わせて選ぶ問題や、選択肢が文となっている設問が多い。これらの解答には正確な知識が必要であり、教科書記載の生物用語などをしっかりと理解できているかどうかの再確認が必要である。教科書の太字になっている用語だけでなく、図やグラフなども知識として身につけるような、複合的な学習が望ましい。実験問題の出題頻度が10%程度(A日程では32問のうち2問、B日程では32問のうち3問)、また、計算問題の出題頻度も少ない(A日程では出題なし、B日程では32問のうち2問)ことを考えると、知識問題で確実に得点できる力をつけることが最も重要であることがわかるだろう。

実験問題については、本年度の入試では出題数が少なかったものの、難易度は標準よりやや難であった。知識が必要なものもあるが、問題内で十分な情報が与えられており、時間さえ掛けてじっくり読み取れば解を導けるものであった。したがって、実験問題に時間を割けるように、知識問題を手際よく効率よく解く必要がある。

計算問題については、本年度の出題は少なかったが、過去において、それぞれの日程ごとに数問ずつは出題されており、典型的な計算問題は練習を重ねておく必要がある。