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予備校講師による入試科目別学習アドバイス

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英語予備校講師による入試科目別学習アドバイス

本学の公募推薦や一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度公募推薦および一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

公募推薦

出題傾向

解答形式は、全問マークシート方式。
問題の構成は、大問3問。[Ⅰ]は長文(約480語)の読解問題で、設問形式は、空所補充(4問)、類義語選択(4問)、一つのセンテンスの意味を英語で言い換えたものを選ぶ問題(1問)、内容真偽問題(5つの選択肢の英文について、本文の内容と合っているかどうかを判断するもの)。英文の内容は、「2020年、コロナ禍にあっても、人々がポジティブな気持ちを持っていたことを、グーグル検索に用いられた言葉から読み取る」というもの。[Ⅱ]は短文空所補充問題で、標準的な文法の問題(5問)。[Ⅲ]は、日英対照形式の英文完成問題で、主に日本文に対応する英文を完成するのに必要な語彙力が試される問題である。内容は、「日本での、点字ブロックに代表される、障害者にやさしい工夫」の紹介。

難易度について。[Ⅰ]の英文は、報道などで取り上げられる今日的な問題についてある程度知識がないと、読み解くのはやや難しいと思われる。[Ⅱ]は、語彙の意味用法の問題は1問のみで、それ以外は文法問題で基本的なレベルのものである。[Ⅲ]は、形式は独特だが、内容的にはおなじみのものであり、英文に対応する日本文があるので、落ち着いて取り組めば難しいものではない。

学習対策

まず、語彙力をつけること。全体として、語彙の問題(類義語句の選択問題と語句の空所補充問題)が大きな割合を占めているので、何よりも語彙力の充実が望まれる。語彙力をつけるためには、毎日、単語・熟語集を使い、受験必修の単語・熟語を覚える努力が欠かせない。

もちろん、英文を読む力をつけることも大事であることは言うまでもない。そのために500語程度の長さの英文、それも今日的なテーマの英文にある程度当たることが必要である。出題される英文は、日本の文化や社会に関することや今日的なテーマについての新聞や雑誌の記事が多いので、そのような英文にもある程度触れておくことが必要である。

基本的な文法の知識を身につけることも欠かせない。英文の意味を捉えるためには、文構造や語句の結びつきを正しく把握する力をつけることが必要である。

過去問に当たって練習しておくことも大事なことである。制限時間内に必要な得点を得るにはどうすればよいのかがわかるからである。

一般選抜

出題傾向

解答形式は、前期A、B、C日程、後期日程のいずれも全問マークシート方式。

問題の構成は、前期日程が大問4題、後期日程が大問3題。前期では長文読解問題が2題出題されるのに対し、後期ではそれが1題となっている。前期日程は、[Ⅰ] [Ⅱ]ともに450~550語程度の長文読解問題、[Ⅲ]は短文空所補充問題と単語の定義選択問題、[Ⅳ]は日英対照式の英文完成問題。[Ⅰ] [Ⅱ]の長文読解問題では空所補充、類義語句選択、内容真偽問題(各選択肢の英文が本文の内容に「合っている」か「合っていない」か、を判断するもの)が共通して出題されている。英文のテーマは、前期A日程[Ⅰ]「国籍が様々な、日本在住の人たちによる、ホームレスの人たちへの支援活動について」、[Ⅱ]「船乗りのことばに由来する、英語の慣用句について」、前期B日程[Ⅰ]「コロナ禍による行動制限で生まれた時間の余裕を美容整形にあてる人々が増えたこと」、[Ⅱ]「日本におけるヤングケアラーの実態把握と、その対策が緒に就いたばかりであること」、前期C日程[Ⅰ]「世界的に著名でありながら、正体不明のアーティスト、バンクシーの作品について」、[Ⅱ]「日本で働き、日本に生活拠点がある外国籍の人々が、コロナ禍で法的に不当な差別を受けていること」。[Ⅲ]は、短文空所補充問題が5題、単語の定義選択問題が5題出題されている。[Ⅳ]の日英対照式の英文完成問題では、空所補充問題に加えて、整序英作文が出題されている。

後期日程の問題構成は、[Ⅰ]長文読解問題、[Ⅱ]短文空所補充問題、[Ⅲ]日英対照形式の英文完成問題となっており、長文読解問題が1題少ないことと単語の定義選択問題がないこと以外は、前期日程と同じである。その長文の内容は「大気汚染、特に大気中の二酸化窒素が、産婦の流産の原因になっていること」である。

難易度については、全体として標準的なものであるが、長文問題で取り上げられている英文は、テーマが主に新聞や雑誌で論じられるような「時事的な」ものであるために、やや難しいものである。また、[Ⅲ]の定義選択問題については、定義の記述から推測できないような語彙も問題になっているので、難しい問題と言ってよいでしょう。

学習対策

まず語彙力を充実させなければいけない。単語集・熟語集を利用して繰り返し覚えることが不可欠である。全体として語句の空所補充問題と類義語句選択問題の占める割合が高いので、語彙力の強化だけでもかなりの得点源になる。もちろん、語彙力を充実させるためには、英文を読み解くことをしながら、個々の語彙についての理解を深めることが大切であることは言うまでもない。長文総合問題の対策として、400~500語程度の標準的なレベルの英文の要点をつかむ練習をしよう。また、ネット上の英字新聞や雑誌にアクセスして、様々な今日的問題を扱う英文に触れておくことも大いに役立つ。そうした英文によく用いられる語彙や表現に慣れることも大事である。キーワードを知っていれば、何がテーマか分かりやすいからである。

また、基本文法の習得も欠かせない。文法・語法問題はもちろんのこと、長文読解問題や日英対照式の英文完成問題でも文法力を必要とする問題が出題されているからである。

過去の問題を解いて時間配分を考えておくことも大事である。自分がどの問題で得点しやすいのか、あるいは得点しにくいのかをチェックし、本番では自分の得点しやすい問題から解いていくのが得策である。

国語予備校講師による入試科目別学習アドバイス

本学の公募推薦や一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度公募推薦および一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

公募推薦

出題傾向

現代文から4題出題され、その内訳は文章読解問題1題、文学史の単独問題1題、四字熟語に関する問題1題、漢字の単独問題1題であり、前年度と概ね変わりはない。解答方式はすべてマーク式である。

文章読解問題(選択肢4者択一、ただし内容合致問題は、6つの選択肢の中から正解2つを選ばせるもの、また脱文補充は、5者択一)には例年、内容・分量ともに標準的な評論文が出題されているが、それに変化は見られない。本年は熊野純彦『マルクス 資本論の哲学』であり、「商品」の属性を哲学的な観点から考察している。示唆に富む文章であり、入試現代文にふさわしい内容である。量的にも適度と言えよう。

設問に関しては、第1問の文章読解問題は、接続語や語句の空欄補充問題、脱文補充問題、文中の要所に関する設問、本文全体にかかわる内容合致問題が出題されている。問題数は5問で、前年度と変わらない。適度な量であり選択肢の文も読みやすく、特に解きにくい問題はない。第2問から第4問の知識問題も標準的な良問であるので、普通に勉強していれば確実に得点できる。

学習対策

知識問題の比重が大きく、その意味で基礎的な国語常識に重点が置かれていると言える。知識問題は、確実に点数が取れる分野なので、取りこぼしをしないよう注意しよう。文学史は文学作品の冒頭や結び、戦後作家、短歌雑誌などやや難しいものが出題されているので、細部に至るまでしっかりと学習しておこう。敬語に関しては、敬語を使った例文に習熟しておくこと。また外来語や漢字の構成などにも目配りが必要である。文学史、漢字、四字熟語などはそれぞれ最低でも一冊の問題集はやり遂げ、それを繰り返し、しっかりと身につくまで反復練習しておこう。

文章読解問題については評論文を中心に練習を積んでおくことが必要である。人によって得手不得手はあろうが、現代文の場合、答えを決めてかかるとうまくいかないことが多い。先入観を持たずに問題文を正確に読解することを心がけよう。特に空欄補充は感覚に頼るのではなく、前後の文脈に即した語句や接続語を選ぶようにしよう。選択肢問題も最初に答えを決めてしまうのではなく、消去法で答えを絞り込むのがよい。その際、労をいとわずに本文を丁寧に比較参照しながら、選択肢を吟味すること。脱文補充に関しても、選択肢に一つ一つ当てはめ、前後の論理的なつながりを吟味したうえで、判断を下すことを心がけよう。安易な即断はくれぐれも禁物である。

一般選抜

出題傾向

各日程ともに、現代文から大問4題が出題されている。内訳は、前期のA・B・C日程が文章読解問題(選択肢は内容合致がすべて6者から二つ選ばせる形式、他は概ね4者択一か5者択一であるが、脱文補充でひとつ6択があった)が2題、文学史の単独問題が1題、慣用表現等国語常識の単独問題が1題であった。後期日程については、文章読解問題(選択肢は内容合致が6者から二つ選ばせる形式、他はすべて4者択一)が1題、文学史、慣用表現や文法、漢字の単独問題がそれぞれ1題ずつであった。解答方式はすべてマーク式である。

文章読解問題は各日程ともにすべて評論文である。内容は多岐にわたっており、タイトルで一例を示すと、A日程・樺山紘一『旅の博物誌』、B日程・森岡正博『生まれてこないほうが良かったのか?』、C日程・篠原資明『ベルクソン』、後期日程・岡西政典『新種の発見』などである。特に読みにくい文章とは言えないが、制限時間内で正確な読解をするためには、普段から問題集等で社会科学系の評論文に慣れておく必要があるだろう。なお、問題文の分量は適度なので、あせらず丁寧に読むことに努めよう。

設問内容については、文章読解問題では、接続語や語句を補充する空欄問題、脱文補充問題、傍線部に関する設問、本文内容合致問題等が出題されている。選択肢の表現は素直で読みやすく、適度に差別化されているので、解きにくい問題は見当たらない。知識問題については、文学史がやや難しめと言えよう。作品名や作家名を選ばせる問題が中心になってはいるが、普段あまり出題されない現代作家など、かなり突っ込んだ内容が問われる場合があるので留意しておこう。過去問による周到な研究が必要である。四字熟語や慣用句は順当なものであり、普通に勉強していれば問題はない。

学習対策

前期日程では、大問[Ⅰ]、[Ⅱ]の文章題での得点が合否の鍵を握る。

文章題の出典は評論文なので、普段から問題集等で社会科学系の文章に慣れておかなければならない。出題されている文章の内容はやや難解なものも含まれるが読みにくいものではなく、また量的にも適度なものなので、日頃の練習量が決め手になるだろう。決して感覚的な勘などに頼るのではなく、文章の筋道を正確に丁寧に読み取ったうえで判断するように心がけよう。

特に接続語の空欄補充に関しては、安易な判断は禁物である。少し時間をかけてでも丁寧に考えなければならない。脱文補充も選択肢の一つ一つに当てはめて、文脈に合った適切な個所を慎重に見極めるべきである。傍線部に関する設問、内容合致問題については、正解を最初から決めてかかるのではなく、選択肢を比較考量し、どれがより正解に近いかという観点から検討するやり方がよい。いずれにしても普段から、過去問や問題集にあたり、自分に合った勉強方法を確立しておくことが重要である。

知識問題は文学史がやや難しめであり、ここでの取りこぼしは合否を左右しかねない。したがって、単に作品名を暗記するだけでは十分とは言えず、詩や俳句の分野、作品の成立年代、機関誌や雑誌名、書き出しなどに習熟しておかなければならない。問題集を一通りやり終えたら、反復練習して記憶を完全に定着させることが必須である。また、国語便覧等を適宜参照し、情報をより多く蓄えるようにしよう。後期日程の場合、知識問題の比重が大きいので、以上述べたようなことに留意して、最善の取り組みをしなければならない。

数学予備校講師による入試科目別学習アドバイス

本学の公募推薦や一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度公募推薦および一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

▼数学ⅠA

公募推薦

出題傾向

大問3題で、小問の総数は24題である。限られた試験時間の中で、確かな基礎力で手際よく解答していく必要がある。また、解答形式はすべて空所を補充するマークシート方式である。

[Ⅰ]は、5つの分野からの小問集合である。内容は、式の展開と因数分解、AB=4の形をした最も基本的な整数解、余弦定理(三平方の定理だけでも可能)による図形の計量、データの平均と分散、玉に書かれた数に関する代表的な確率である。いずれも基本レベルであるから完答したい。[Ⅱ]は、[1]が教科書の章末問題レベルの2次方程式・不等式の解とグラフとの関係に注目する入試頻出の問題、[2]が速さ・移動距離・所要時間について方程式を立てる文章問題となっている。[Ⅲ]は、三角柱を用いた図形の計量であるが、[1],[2]は教科書の例題レベルであるのに対して、[3]は思考力と応用力が求められるやや難しい問題になっている。

幅広い分野についての基礎能力を重視した出題内容であるが、高校では特別に学習することはない内容で思考力を見る問題([Ⅱ] [2])や問題演習による経験量を見る問題([Ⅲ] [3])も含まれている。単に型通りの問題に対応できるだけでなく、普段の学習の積み重ねによって自然に得られる思考力や応用力も発揮できるようにしておきたい。

学習対策

●教科書で全体像を捉える
各分野における重要な概念とそれを表現するのに必要な用語や記号、更に定理や公式の導出という風に、数学特有の流れを系統的に学習することが最も重要で、効率よく学力を伸ばすことができる。そのための最初のステップは、教科書を丁寧に読むことである。問題を解くための道具としての定理や公式の暗記ばかりに気を取られず、解決の糸口を素早く見つけて考えを論理的に進められるような力を養っておこう。

●問題演習によって内容の理解を深める
教科書の内容が本当に理解できたかどうかは、実際に問題を解いてみることによって明らかになる。また、思考力や応用力は問題に当たって考えを進めていくという経験によってのみ養われるので、教科書の例題や章末問題をマスターし、基本~標準レベルの問題集も使いながら十分な演習を積んでおこう。

●過去問題やマークシート方式の問題で仕上げる
最終段階では、実践に近い形の問題に取り組むとよい。最後まで解くのに要した時間が制限時間を超えたときは、理解不足の分野についての十分な復習をしておくことが大切である。また、弱点を知るためにも解答に至る重要な式は必ず残して活用しよう。

一般選抜

出題傾向

前期A~C日程は大問4題で試験時間は60分、後期日程は大問3題で試験時間は40分程度である。どの日程についても、[Ⅰ]は異なる分野からの小問集合、[Ⅱ]は2分野からそれぞれ1つの題材の下での問題、[Ⅲ]、[Ⅳ]は1つのテーマに沿った問題となっていて、解答形式はすべて空所を埋めるマークシート方式である。

内容については、「2次関数」「図形と計量」「図形の性質」「場合の数と確率」を柱とし、[Ⅰ]を小問集合にすることによって幅広い分野に関する理解を問う構成になっている。また、どの日程においても[Ⅱ][2]は、中学校までに学習する内容を含んだ文章題になっているのが特徴である。

難易度については、教科書の例題や章末問題に載っている基本問題が中心であるが、問題集で十分な演習を積んでおかないと解法の手掛りを見つけるのに時間を要してしまう問題も含まれている。特に、場合の数、確率、図形の問題は、機械的な式変形だけでは対応できず、的確な状況判断と柔軟な思考力が必要である。教科書で正しい知識を得て、問題を解くことによって理解を深めれば、試験時間内で対応できるだろう。

学習対策

●基本事項を着実に理解し、苦手分野を作らない
数学Ⅰ・数学Aの各分野から基本的な内容がまんべんなく出題されるので、まずは教科書の基本事項の理解を徹底するようにしたい。その上で、教科書傍用問題集などで演習を繰り返し行うことで、理解の定着を図ることが重要である。
2次関数・1次不等式・確率・図形の性質といった単元は頻出なので、掘り下げて学習しておきたい。2次関数や1次不等式では、絶対値記号のついたものや文字定数を含むもの、問題文を適切に立式することが求められるものも出題される。確率では、問題文から多くの内容を読み取って立式することが要求される。図形の性質では、三角形と円の両方の性質を組み合わせて考える典型問題であっても、問題集で練習を積んでおかなければ考えにくいレベルの問題も出題される。
一方で、三角比・データの分析・整数の性質・命題と集合といった単元も出題されることがあるが、これらは基本事項をマスターしておけば対策としては十分であるから、教科書の章末問題などで練習しておくようにしたい。

●計算ミスに注意
解答形式が全問マークシート方式であるため、部分点はなく計算ミスは致命的となる。普段から、正確にミスなく計算することを心掛けるだけでなく、工夫して計算することで計算を簡略化してミスを防ぐことを意識するようにしたい。また、計算結果の見直しに時間を割けるようにするために、教科書の例題や章末問題などの基本的な問題や典型問題では、すぐに解答方針が立てられるか、最後まで滞りなく解けるかをチェックしておくと良い。その上で、自らの解答の手順や計算方法の中で、模範解答の流れとは異なる部分を見比べて、より効率よく解答できる方法を見極めておくとより良いだろう。

▼数学ⅠAⅡB

公募推薦

出題傾向

大問3題で、小問の総数は24題である。試験時間は40分であるから、確かな基礎力で手際よく解答していく必要がある。また、解答形式はすべて空所を補充するマークシート方式である。

[Ⅰ]は、5つの分野からの小問集合である。内容は、式の展開と因数分解、AB=4の形をした最も基本的な整数解、余弦定理(三平方の定理だけでも可能)による図形の計量、数列の和から一般項の確定、底<1の指数関数の値域である。いずれも基本レベルであるから完答したい。[Ⅱ]は、[1]が教科書の章末問題レベルの2次方程式・不等式の解とグラフとの関係に注目する入試頻出の問題、[2]が放物線と直線で囲まれた部分の面積を求める代表的な問題である。[2](3)は(1)(2)を用いないで公式を使うと、時間の節約が可能となる。[Ⅲ]は、外分点の位置ベクトル、内積の定義、2直線の交点の位置ベクトルと、平面図形とベクトルの重要テーマがしっかり盛り込まれ、学力がはっきり点数に現れる問題である。特に[3]は誘導の意図をくみ取ることができるかがポイントになっている。

各分野で学ぶ基本的な考え方が理解できているかを見ることに重点が置かれている。特別な知識や解法を必要とする問題はないので、教科書の例題、章末問題を解けるようにし、理解をより確実なものにするために、問題集で入試頻出の典型的な問題に慣れておくとよいだろう。

学習対策

●数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの教科書の内容を漏れなくしっかり学習しよう
数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの分野からまんべんなく出題されているので、各分野の内容をしっかり学習しよう。特に自分が苦手とする分野については、基礎に立ち返ってもう一度最初から学習する気持ちで臨もう。その際にはまずは教科書を使って基本事項や公式をしっかりと理解し、練習問題や章末問題が解けるように何度も繰り返すことが一番効果的である。そののちに、教科書傍用問題集などを活用するとよりレベルアップが図れる。

●計算力が合否を分ける
マークセンス方式の問題では、解答方針が正しかったとしても計算間違いをすると「ゼロ」になる。普段の学習からどの問題も必ず最後まで計算をして、間違えた場合は原因を探って同じ間違えを繰り返さないように心がけよう。

●誘導に乗る
普段の学習ではあまりしない「誘導に乗る」練習もマークセンス方式の問題では重要である。共通テスト形式の問題集を使って、問題を解きながら練習していこう。

●最後は過去問チェック
また、基礎力がついた直前期には過去問でチェックを行うこと。過去問は今どのくらいの学力に達していて、あと何が自分に足らないのかを教えてくれる最良の問題である。

一般選抜

出題傾向

前期A~C日程は大問4題で試験時間は60分、後期日程は大問3題で試験時間は40分である。どの日程についても、[Ⅰ]は異なる分野からの小問集合、[Ⅱ]は2分野からそれぞれ1つの題材の下での問題、[Ⅲ]、[Ⅳ]は1つのテーマ沿った問題となっていて、解答形式はすべて空所を埋めるマークシート方式である。

出題内容については、特別な分野に偏ることなく、幅広く基礎力を見るものになっている。また、異なる分野に及ぶ融合問題もなく、それぞれの分野で学習する重要事項に絞った内容になっている。

難易度については、ほとんどが教科書の例題や章末問題で扱っているレベルであるが、少し計算量の多いものが含まれているので、要領よく処理できるように基礎力を養っておくことが大切である。

出題内容やその難易度から見ると、各分野で学ぶ内容が理解できていれば試験時間内で対応できるはずである。ただ、確率や図形の問題では、解くための糸口を見つけるには的確に状況を見抜く能力と柔軟な思考力が必要であるから、教科書で得た知識を問題演習で活かす経験を十分に積んでおくことが望まれる。

学習対策

●基本事項をしっかりマスターしよう
まずは数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの教科書をしっかり読んで、基本事項の理解を徹底しよう。定理の意味や公式の確認をすることに加えて、教科書の練習問題や章末問題で演習をして理解を深めよう。基本概念がすぐに思い浮かび正確に適用できるように、また自分で手際よく正解が導けるかどうかも確認しよう。マークセンス方式の問題で問題文の読み間違いや計算ミスなどがないように、普段の学習から細心の注意を払って演習する習慣をつけよう。

●計算力は、スピードと検算と工夫
マークセンス方式の問題では特に計算力は大切です。普段の学習から意識してスピードアップに努め、検算も怠らず、それに加えて「計算量を減らすことはできないだろうか」「工夫して計算できないだろうか」などという意識を持って取り組む習慣が大事である。

●グラフや図を正確に
解答の見直しがしやすいように、余白に丁寧に計算を書き、マークセンス方式の問題であってもグラフや図を出来るだけ正確に描くと正解により近づきやすい。

●過去問演習が重要
教科書の章末問題のレベルが出来るようになれば、過去問を複数年解いておくことが非常に有効である。解けなかった問題はそのままにせず、教科書や授業のノートを参照しながら解けるまで考えてみよう。それでもわからなかったら身近にいる数学の先生に質問して、少しでも疑問点をなくすように心がけよう。

日本史予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

2022年度入試は、例年通りA・B・C日程ともに大問3題であったが、小問(解答数)がA日程39問、B日程40問、C日程39問と若干のズレがあった。

問題構成は全日程ともに共通している。5~10行程度の標準的な内容のリード文がいくつか並び、文中に空欄や下線が設けられ、それに対して解答する。大学受験の日本史としては、極めてオーソドックスな形式である。解答形式はすべてマーク式である。

設問内容は、語句・人名といった基礎的な知識を解答するものと、4つの選択肢から1つの正文(または誤文)を選ぶ形式が大半を占める。それ以外には、4~5つの出来事(短文)を年代順に並べて3番目(または4番目)に該当するものを選ぶ問題や、地図中から当てはまる場所を選ぶ問題、史料文の空欄補充やその史料に関する語句を解答する問題、関係の深いもの同士を組み合わせて解答する問題が数問見られた。設問内容の大まかな割合は、基礎知識である語句・人名を問うものが約15~20問で全体のおよそ半分(2022年度はA日程が14問と例年より少なめであった)、正文(または誤文)判定問題が20~22問、残りが年代整序や地図などの問題である。語句は、応天門の変・大唐米・農業全書・札差・国姓爺合戦・台湾出兵・枢密院・日本社会党・金融緊急措置令など、人名は吉備真備・長崎高資・蓮如・高三隆達・工藤平助・海保青陵・喜多川歌麿・西園寺公望・ドッジなどが今年度は正解として求められた。どれも受験日本史の学習内容としては基礎レベルであるから、まずはここをしっかりと得点につなげていきたい。

正文(または誤文)判定では「古墳や古墳文化について」「応仁の乱後の政治・社会について」「桃山文化について」「松平定信がおこなった政策について」「秩父事件について」「明治期の文化・学問について」「ワシントン会議で結ばれた条約について」といった設問条件から4択で文章を解答する。基礎知識で解けるものもあれば、しっかりとした理解がなされていないと正解できないものまで幅広いレベルで出題が見られる。地図では「三菱の造船所・高島炭鉱から長崎を選ぶ(A日程)」「徳川斉昭から水戸を選ぶ(B日程)」「遼東半島の大連を選ぶ(C日程)」が問われた。昨年度は「閑谷学校の場所」「大塩の乱が起きた場所」「中尊寺金色堂の場所」であったから、江戸時代に重点を置きつつも、中世や近代もしっかりと確認しておきたい。図版(写真)を選択する出題は、A日程で「桂離宮」(数寄屋造の設問文)が出題されたが、並べられた写真は「姫路城」「東照宮(陽明門)」など教科書で必ず目にする文化財なので、取りこぼしは避けたい。昨年度は、尾形光琳の作品『燕子花図屛風』を複数の図版から選択する問題が見られた。ここもやはり、江戸時代を中心に教科書掲載の写真は必ず確認しておきたい。

西暦年代が直接答えとして求められることはほぼないが、前述した通り、年代順に並べる問題が各大問につき1問(1日程につき合計3問)出題されることや、正誤判定の選択肢文章に西暦が記載されるものもあるため、ある程度の年代知識も必要とされる。

出題範囲は古代から近代(戦前まで)が大半を占め、原始からの出題はなく、戦後史からの出題は各日程それぞれ2問であったが、昨年度まで戦後史は1問だったのが2問に増えていることを鑑みると、今後は戦後史の比重が高まるかもしれない。大問Ⅰが古代・中世、大問Ⅱが近世、大問Ⅲが近代という構成は全日程共通である。出題分野は、政治・外交分野が全40問中で約30問と大半を占め、残りが社会・経済分野と文化史分野となっている。文化史の出題は、A日程で5問(鎌倉文化・東山文化・江戸時代の文化)、B日程で6問(天平文化・鎌倉文化・桃山文化・江戸時代の文化)、C日程で5問(北山文化・江戸時代後期の文化)と幅広い時期から、しかもそれなりの出題数であるから配点も大きいと心掛けたい。教科書の本文はもちろん、掲載されている地図や図版にも気を使いながら学習しなければならないことがわかるだろう。いずれも大学受験の日本史としては標準的なレベルで、問題量も60分の試験時間に対して適切である。

学習対策

大学入試問題は高校の教科書を基礎に作成されるので、教科書を中心に学習をすすめるのは当然である。その際、まずは問題の大半を占める政治・外交分野(つぎに社会・経済分野、さらに文化史分野)の基礎的な語句や人名を、混乱することのないよう覚えることが重要である。出題傾向で触れた通り、基礎知識に関する問題が全体の約半分を占めるため、ここで得点を積み重ねることを最優先にすべきである。もちろん、教科書に掲載されている地図や写真も意識すること。歴史用語はただ単に覚えればよいというわけではなく、「勘解由使」と「検非違使」、「北面の武士」と「西面の武士」など間違えやすいもの、「北条義時」と「北条泰時」など歴代執権を、さらには「山県②内閣=治安警察法」など歴代内閣と出来事を正確に組み合わせて解答できるかを意識しながら学習すること。また、歴史的事項は、ときの天皇・将軍・内閣などと結びつけながら整理し、重要な西暦年代もつけ加えながら時間軸を整理しよう。

長屋王の変→藤原広嗣の乱→国分寺建立の詔→橘奈良麻呂の変→恵美押勝の乱(2022年度A日程)、ロシア使節ラックスマン来航→イギリス軍艦フェートン号事件→アメリカ商船モリソン号事件→オランダ国王の開国勧告(2022年度A日程)、などといった整序問題に対応できるかどうかを念頭におくことも大切である。史料問題も必出であるため、教科書に掲載されている重要な史料は、文中の重要語句や重要フレーズを意識しながら目を通しておきたい。2022年度は、徳政論争・荘園の寄進(肥後国鹿子木荘)・歎異抄・バテレン追放令・自然真営道・工場法・金融恐慌などの史料が出題されているが、どれも重要な基本的史料であるため、必ず得点に結びつけたい。ただし史料学習は慣れが必要であるため、教科書学習と並行して、標準レベルの史料問題集を1冊こなすのも対策としてよいだろう。

正文(または誤文)判定の学習方法だが、問われる内容も多岐にわたっており、単純な歴史用語の知識だけでは対応できないので、まずは古代・中世の基礎的な学習が済んだ時点で、本学(京都橘大学)の過去問から大問Ⅰの正文(または誤文)判定問題を実際に解いてみるのがよい。正誤判定というのは、どこまで深く理解していなければ正解できないのか分かるはずである。そうすれば平素の学習においても、「時期」「内容」「結果」などにまで注意をはらう必要性が理解できるだろう。これを、近世の基礎学習→大問Ⅱ、近代(戦前まで)の基礎学習→大問Ⅲと続け、標準レベルの正誤判定問題集などを使って慣れていくとよいだろう。

学習範囲は、主要な出題範囲である7世紀初めの推古朝から太平洋戦争の終結までを中心にすえ、つぎに戦後の占領政策から高度経済成長期までを加えるとよい。前述したとおり、戦後史の出問が1問から2問になったので、戦後史とくに占領政策まではしっかり学習しよう。注意すべきは、文化史分野の学習をいつまでも後回しにしてしまったり、細かい事項にまで気を取られて、予定していた範囲の学習が終わらないまま受験本番とならないように、余裕を持った計画を立て、基礎的な用語の学習・正誤判定・過去問をバランスよく組み合わせていけるよう意識すること。用語を覚えることばかりに時間を費やし、勉強した「つもり」とならないよう、必ず問題集や過去問を解いて、自分に力がついているのかどうかを確認することが大切である。

世界史予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

大問は例年通り4題で、小問数も昨年度に続いて40問であった。4題とも、オーソドックスなリード文中の空欄や下線部についての設問で、全問マークシート方式。小問40問のうち、半数の20問が4つの短文から適当なもの、あるいは不適当なものを選ばせる正誤問題であり、17~18問が単語あるいは単語の組合せを答えさせる問題、それ以外では3つの短文を時代順に並べさせる問題や、地図や写真を使った問題も出題されている。全体に対する正誤問題の比率は例年変わっていない。

Ⅰ・Ⅱは欧米史、Ⅲ・Ⅳはアジア史。例年アジア史はⅢが中国以外、Ⅳが中国史と明確に分かれている。Ⅲの時代・地域はさまざまであるが、イスラーム史の比率が高い。例年通り、2022年度もA日程Ⅰのヨーロッパを中心とする戦争の歴史、Ⅳの儒学史、B日程Ⅳの長安の歴史、C日程Ⅲのイラン史のように、欧米史・アジア史ともに特定のテーマや地域を扱って長い時期にわたる事項を問う問題が目立った。

時代は古代から現代までまんべんなく出題されており、第二次世界大戦後からの出題も見られる。分野は政治史が中心であるが、社会経済史や文化史も幅広く問われる。

難易度は、いずれも教科書の記述の範囲内で問題が作成されており、標準的である。正誤を判定する問題の一部には判断に迷う短文も見られるが、その場合は他の短文の正誤の判定が明らかであり、消去法で解答できる場合が多い。分量は、正誤判定問題にじっくり取り組んだとしても、60分の制限時間内で充分解答できる。

学習対策

教科書中心の学習で充分に合格点に達することができるが、設問の半分を占める正誤判定問題に対応できなければならない。そのためには、単に歴史用語を覚えるだけではなく、その内容や前後の経緯などを理解しなければならない。例えば、「カノッサの屈辱」なら、いつ起こったのか(11世紀後半)、どういう事件なのか(ローマ教皇が神聖ローマ皇帝を破門し、神聖ローマ皇帝がローマ教皇に謝罪)、なぜ起こったのか(ローマ教皇と神聖ローマ皇帝が聖職叙任権をめぐって対立)、事件の結果どうなったのか(教皇権が強化に向かった)を含めて頭に入れていなければならない。

正誤判定問題の誤りの文章は、事件の「名称」が誤っているだけでなく、事件の「時期」が誤っている、事件の「内容」が誤っている、事件の「原因や結果説明」の部分が誤っているなど、さまざまなパターンがあるからである。教科書の文章をよく読んで、歴史の流れをしっかり把握することが重要である。歴史の流れをつかむことは、短文を時代順に並べる問題に対応する上でも必要である。

欧米史はまんべんなく学習することが求められるが、アジア史は中国史が頻出分野なので確実に対策しておきたい。さらに、イスラーム史は同じく頻出分野でありながら、苦手な受験生も多く、差がつきやすい分野なのでしっかり学習しておくことが必要である。また、文化史もおろそかにしないようにしたい。

数は少ないが、地図や図版を使った問題も必ず出題されるので、教科書に載っている地図や写真には目を通しておくことが望ましい。

以上のような傾向と対策は、本大学の実際の入試問題を解くことによって実感できるので、本大学の過去問を解くことは、有効な学習対策になるだろう。

物理予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

A日程、B日程ともに大問4題で構成されていて、出題の仕方は次のごとくである。[Ⅰ]は、物理基礎のいろいろな分野から基本レベルの小問6題が、[Ⅱ]~[Ⅳ]は、それぞれ2つの分野から重要なテーマの下で数題の小問が出題されている。解答形式は、すべて解答群から正解を選ぶマークシート方式である。

・A日程で出題された内容
[Ⅰ] 等加速度直線運動、熱効率、気柱にできる定常波、抵抗の並列接続、力学的エネルギーの保存、音波の基本的な性質
[Ⅱ] (1)連結された2物体(一方のみ摩擦あり)の運動 (2)固定端反射と定常波
[Ⅲ] (1)斜方投射された小球と壁の非弾性衝突 (2)P-Vグラフと状態方程式および熱力学第一法則
[Ⅳ] (1)光ファイバーの原理 (2)磁場で運動する導体棒による電磁誘導

・B日程で出題された内容
[Ⅰ] 運動方程式と等加速度直線運動、直線電流が作る磁場の向き、縦波のy-xグラフ作成、物体の摩擦力による静止条件、物質の混合と熱量保存則、I-Vグラフで表された抵抗の直列接続
[Ⅱ] (1)重力、弾性力、浮力と力のつり合い (2)変圧器と送電
[Ⅲ] (1)静止および運動している台上での小物体の運動 (2)理想気体の混合と内部エネルギー
[Ⅳ] (1)回折格子による光の干渉 (2)電池の起電力と内部抵抗

小問の総数は25題弱で、殆どは各分野を理解するのに欠かせない基礎知識を問うものであるが、両日程とも[Ⅲ](1)はレベルを上げた力学の問題になっており、理解の深さも判定できるように考えられている。

試験時間は60分で、教科書の内容を理解していれば解くのに適切な時間といえる。

学習対策

様々な分野から重要かつ基礎的なことを理解しているかを問う問題が、典型的な形で出題されている。異なる分野に及ぶ複雑な問題や特殊な解法を必要とする問題は見られないので、教科書の例題と章末問題が確実に解けるようにしておくことが大事である。

物理においては、問題の難易度が高くても低くても、解くのに必要な法則は同じである。従って、基礎が易しいという訳ではないが、物理の特性を押さえた勉強の仕方を心掛ければ高得点を狙えるのである。

まず、いろいろな物理量の定義とそれらを用いて表される法則についての教科書の説明を丁寧に読むこと。次に、問題演習で実際に法則を使いながら理解を深めていくこと。その際、最も重要なことは、見た目の現象の違いに気をとられず、それらが従っている共通の法則に注目することである。そうすれば、難解な理論も整理され、各分野の全体像がはっきりと見えてくるはずである。

解答方法は選択肢から正解を選ぶ形式である。最初は教科書や問題集(レベルは基本~標準)の問題を記述式で解き、一定の理解が得られた段階でマークシート方式の問題集も併用しながら、内容の確認と解くスピードアップを図ると良いだろう。

化学予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

A日程、B日程とも、問題数は大問4題で、試験時間は60分である。例年通り、[Ⅰ]は小問集合、[Ⅱ]は理論化学、[Ⅲ]は無機化学、[Ⅳ]は有機化学からの出題であり、[Ⅱ]~[Ⅳ]はいずれも〔1〕と〔2〕に分問されている。

[Ⅰ]と[Ⅱ]は「主に化学基礎」、[Ⅲ]と[Ⅳ]は「主に化学」からの出題であり、解答はすべてマークシート形式である。いずれも標準レベルの内容であり、各分野からバランスよく出題されているが、理論化学の分野については[Ⅰ]と[Ⅱ]は「主に化学基礎」からの出題に限定されるので、結晶格子、気体の全圧・分圧、溶液(濃度以外)、熱化学、反応速度と化学平衡に関する計算問題は皆無であり、この傾向はこれからも続くと思われる。

[Ⅰ]の小問集合では、A日程、B日程とも例年通り、教科書の序章「生活の化学」から1題、出題された。また、例年出題された反応式の係数決定については、ここでは出題されなかった。その他、A日程では原子およびイオンの電子配置、イオン半径の比較、同位体の存在比、気体反応の体積変化が、B日程では物質の分類、イオン化エネルギーの周期性、化学結合に関する問題が出題された。[Ⅱ]の理論化学では、例年と同様、A日程、B日程とも中和滴定と酸化還元反応が出題された。[Ⅲ]の無機化学では、A日程では気体の実験室的製法・性質、ナトリウムの単体および化合物の製法・性質が、B日程では窒素化合物と硝酸の工業的製法・性質、金属イオンの系統分離が出題された。[Ⅳ]の有機化学では、A日程、B日程とも例年通り、〔1〕が脂肪族化合物、〔2〕が芳香族化合物の性質および反応に関する内容となっている。

学習対策

本大学は高校の教科書内容の理解度に重点を置いているので、教科書を精読し、教科書準拠の問題集を併用して解答練習を繰り返すことが合格につながる。計算問題については面倒でも電卓を用いずに、日頃から筆算で解く習慣をつけると、本番での計算ミスを減らすことができる。「化学基礎」からの出題では、教科書の序章に記載された身近な化学物質として今年度は食品添加物や合金、洗剤に関する問題が出題されたが、過去にはプラスチックや繊維なども出題された。

理論化学の分野では、中和滴定と酸化還元反応が必ず出題されている。滴定器具の取り扱いや指示薬については正確に押さえておくこと。なお、今年度は、酸化還元滴定によるCODの測定、塩基性混合物の二段階滴定といった、受験生がやや苦手とする内容の問題が見受けられた。いずれも教科書の参考・発展事項として記載されている。無機化学や有機化学の分野では、題材が広範囲にわたるが、特殊な内容の問題はなく、教科書に記載されている物質の性質・反応を正確に把握しておけば十分対応できる。

生物予備校講師による入試科目別学習アドバイス

一般選抜の全出題科目は、すべてマーク式による解答方式ですので、ご注意ください。
学習アドバイスは2022年度一般選抜を元に記載されています。出題傾向、難易度などの参考にしてください。

一般選抜

出題傾向

一般入試前期A日程、前期B日程ともに、大問4題から構成されており、そのうち[Ⅰ]と[Ⅱ]は「主に生物基礎」から、[Ⅲ]と[Ⅳ]は「主に生物」から出題された。解答様式はすべてマークシート式である。

A日程の出題は、[Ⅰ]は生物基礎のすべての範囲から出題される小問集合であった。[Ⅱ]では、[1]は「遺伝情報とタンパク質合成」に関する問題、[2]は「バイオームとその分布」からバイオームに関する問題であった。[Ⅲ]では、[1]は「動物の反応と行動」からニューロンとその興奮に関する問題、[2]は「生殖と発生」から被子植物の配偶子形成に関する問題、および遺伝問題であった。[Ⅳ]では、[1]は「動物の反応と行動」から受容器(眼)の構造に関する問題、[2]は「植物の環境応答」から花芽形成と光周性に関する問題であった。

B日程の出題は、[Ⅰ]は生物基礎のすべての範囲から出題される小問集合であった。[Ⅱ]では、[1]は「生物の体内環境」から肝臓と腎臓に関する問題、[2]は「生態系とその保全」から物質とエネルギーの循環に関する問題であった。[Ⅲ]では、[1]は「細胞と分子」から細胞骨格に関する問題、[2]は「代謝」から呼吸と発酵に関する問題であった。[Ⅳ]では、[1]は「植物の環境応答」から光受容タンパク質に関する問題、[2]は「生殖と発生」から誘導に関する問題であった。

学習対策

本年度の入試では、実験問題の割合がやや少なくなった。しかし、A日程の[Ⅱ][1]の翻訳に関する実験問題や、[Ⅲ][2]の重複受精の遺伝計算、B日程の[Ⅲ][2]の呼吸基質量の計算などは、同様の問題を練習しておかなければ解を得るのは難しいだろう。また、A日程の[Ⅱ][2]のように知識に加えてグラフを読み取る力を必要とする問題や、B日程の[Ⅲ][1]問3のように実験結果を推察する問題があり、これらを解くためには、普段から実験問題に慣れておく必要がある。

A日程もB日程も、知識問題は複数の用語を組み合わせて選ぶ問題や、選択肢が語句ではなく文となっている設問が多い。これらの解答には正確な知識が必要であり、教科書記載の生物用語などをしっかりと理解できているかどうかの再確認が必要である。教科書の太字になっている用語や図、グラフなどはもちろん重要であるが、コラムなどで紹介されている実験などにも目を通し、それを知識として身につけるような、複合的な学習が望ましい。実験考察問題が出題されるとはいえ、合格点に達するためには知識問題を確実に得点することが最も重要であることを忘れてはならない。

計算問題は、例年数題は出題される。今年は出題されなかったが“ミクロメーター”、“腎臓の再吸収率”、“神経の伝導速度”、“光合成における二酸化炭素の消費量や酸素やグルコースの生成量”などに関する典型的な計算問題は練習を重ねておこう。