2025.07.29
京都橘大学×JAL 産学公連携プロジェクト『京都市のオーバーツーリズム緩和に向けた“新たな人流”創出』ツアープランニング最終報告会を実施!
2025年7月10日(木)、共通教育のキャリア形成科目に位置する「クロスオーバー型課題解決プロジェクト」で経営学部経営学科の平尾毅教授が担当するプロジェクトにて、経済学部、経営学部の2・3回生25名が日本航空株式会社(JAL)へ『京都市のオーバーツーリズム緩和に向けた“新たな人流”創出』ツアープランニング最終報告会を実施しました。
本科目では、毎年、企業や行政から提示されたリアルな課題について、学部・学科の枠を越えて各分野の専門知識を出しあい、課題解決に取り組んでいます。平尾教授が担当するプロジェクトでは、JALとの産学公連携プロジェクト「ツアープランニング(新たな人流)で地域課題を解決!」を進行してきました。
京都市は2024年に外国人観光客が初の1000万人超となり、近年はオーバーツーリズム対策として「観光の分散化」を掲げています。また、「もうひとつの京都」プロジェクトにおいても、海の京都(日本海に面する北部地域)・森の京都(日本の原風景が残る中部地域)・お茶の京都(茶畑の青々とした新緑の景色が息づく南部地域)などの各エリアならではの魅力を発掘し、地域全体の活性化をめざしています。こうした京都の観光産業における課題を踏まえ、本プロジェクトでは「訪日外国人観光客」と「もうひとつの京都」をキーワードに、京都市のオーバーツーリズム緩和に寄与するツアープランニングに学生が挑戦しました。






最終報告会にはJAL京都支店長の佐渡谷有希氏、松井啓泰氏、中村優希氏、JAL航空みらいラボ産学共創部 関西統括グループ長の遠山忠輝氏、そして、森の京都DMOの野末綾氏、椙田裕美氏にお越しいただきました。また、海の京都DMOからは小西由起氏にオンラインでご参加いただきました。


各チーム提案終了後は佐渡谷氏、遠山氏から講評をいただきました。
【各チーム提案に対する講評】
●海の京都「Beautiful Sea」チーム
観光客へのインタビュー調査について、その結果が非常に勉強になった。特に、香港や台湾からの観光客にリピーターが多く、人混みを避け、日本の伝統文化を気に入ると何度も訪れるというインサイトが得られたことは、JALにとっても役立つ情報だった。久美浜や峰山といった、比較的観光地化されていない地域をあえて選んで旅を企画した点が非常に面白かった。
●海の京都「Ecstasy for love and peace」チーム
ペルソナ(裕福なイギリス・フランス人夫婦)の設定が非常に面白かった。JALも、この層が好奇心旺盛で、日本の文化に深い関心を持っていることを認識しており、裕福な旅行者は文化的な体験を非常に重視している。貸し切りタクシーの利用という移動手段の提案も、このターゲット層に適している点で面白い。
●森の京都「Happy Happy」チーム
3回生が多く、チームとして最初からまとまりがあった印象。「仕事や子育てで疲れている世代をメインターゲットにする」という企画の軸が最初から最後までぶれずに貫かれており、綺麗にまとまっていた。亀岡をメインに据えた企画であり、とても良い日本の体験を作り上げていた。
●森の京都「わんわん」チーム
お香商品を取り扱う「NIMBUS STUDIO」に注目したアプローチが他の発表と全く異なっており、非常に面白かった。香りという切り口から文化に関心のある層を引きつけるという発想が特にユニークであった。また、季節ごとの具体的な提案があった点も、単に良い要素を組み合わせただけでなく、新しい発想でアプローチしている。
●お茶の京都「friends」チーム
京都市に本社を置く大手ゲーム開発企業とのコラボレーション企画について「もし許可が得られるならば」という前提つきではあるが、街おこしになる点を評価したい。グッズを集めながら地域を巡るというアイデアは、普段人が流れない場所にも人を呼び込むことができる。
●お茶の京都「世界平和」チーム
和束町の地域課題である「空き家問題」を取り上げた点について、予想していなかった視点であり、高く評価したい。政府も地方の活性化に向けて二拠点生活などを推進している中で、地域の課題解決という視点を旅行プランに組み込んだことは、非常に聞き応えのあるプレゼンテーションであった。
各チームの提案に対して評価の集計結果、海の京都「Ecstasy for love and peace」チームが最多のポイントを獲得し最優秀チームとして表彰されました。佐渡谷氏からは、提案された企画が「京丹後エリアを開拓するツアーとして、JALが考えていたものにとても良く似ていて驚いた」と評価をいただきました。





本科目ではプロジェクト活動を通じて、今まで関わりのなかった人たちとつながり自身の変化と進化を生み出していく「越境力」。自分とその周りをより良く変えていくために未来を具体的にイメージする「未来構想力」。これらの力を高めていくとともに、不確実性の増す現代社会でキャリアを形成するための力を育み、卒後のキャリアに繋げていきます。
▼共通教育
https://www.tachibana-u.ac.jp/faculty/liberalarts/index.html
▼TACHIBANA DISCOVERY
学生×教員が本音で語ってみた。
『クロスオーバー型課題解決プロジェクト」って実際どうなの?
https://www.tachibana-u.ac.jp/discovery/special/4920