歴史遺産学科では、実習やフィールドワークをふんだんに取り入れた授業を展開し、これにより、歴史遺産に関する幅広い知識と技術を身につけていきます。ここでは、その一端を紹介しています。
文化遺産の宝庫である延暦寺や東寺を対象に、調査や観察を実施。写真は、文化財保存修理工事中の比叡山延暦寺「根本中堂(国宝)」において、その工事の内容を設計監督者に直接聞いている学生の様子です。歴史遺産を体感するとともに、成り立ちや時代背景を考察し、存在の意味を理解します。事前に十分な研究を重ね、学生それぞれがテーマを抽出。実見後に再検討を行い、成果を発表します。個々での研究はもちろん、グループワークを展開することで、調査に不可欠なコミュニケーション能力を獲得。ものごとを論理的に分析する力や社会が求める知識、教養を身につけます。
歴史遺産学科では、希望者を対象に、アジアをはじめ世界各地の歴史遺産を訪ねる研修旅行を実施します。人類の宝として、地球上に点在する歴史遺産。その景観の美をじかに感じることはもちろん、保存状況の調査や周辺の人々との関わりなど、現地の風土や歴史も知ることで、歴史遺産への考察を深めるきっかけとしています。
壁画の模写作業(写真左)では、模写専用紙で仏像の原作をトレースした原画にあて画稿をつくり、最終的に墨線をつけ、原画に近づけていきます。また、古文書の整理と取り扱い方を学ぶ実習(写真右)では、総本山醍醐寺所蔵の本物の醍醐寺関係文書を取り扱い、その内容を解読し、歴史的に理解していきます。
博物館や美術館を見学し、展示や保護の方法などを学んだり、遺跡現場で測量の実習をしたり、古墳の上で発掘作業を行ったり。本学では、長い歴史のある京都、さらに近隣に奈良や大阪があるというメリットを活かし、さまざまなフィールドワークや実習を行います。多くの「ほんもの」に触れるなかで経験を積み、より専門的な知識や技術を身につけていきます。