2024年10月19日(土)、文学部歴史遺産学科 2024年度「高野山金剛峰寺 バス研修」を実施しました。
歴史遺産学科では、1回生時に比叡山延暦寺と日吉大社を見学するなど、4年間の学びの中で京都市内や周辺の文化財の拠点を対象にした体感型の授業を展開しています。
本研修は、文学部歴史遺産学科2回生『歴史遺産学実習Ⅱ』の受講生を対象に、学生・教員合計60名が参加しました。
研修当日は、8時半に大学を出発し、道の駅くしがきの里で小休憩した後、11時半に高野山へ到着しました。昼食後、2班に分かれて一時間交代で霊宝館と壇上伽藍を見学しました。その後、14時から奥之院を見学し、15時に高野山を出発、18時過ぎに大学に帰校するというハードな行程でした。
高野山は弘仁7年(816年)の開創以来、真言密教の一大道場として法灯を護持されており、現在も山上盆地には117寺院が所在し、金剛峯寺を中心に宗教都市が形成されています。山内には、国宝23件、重要文化財188件、和歌山県指定文化財40件を数える文化財が集積され、未指定の文化財を含めると8万点以上になると言われています。
霊宝館では、宗教芸術の殿堂と呼ぶに相応しい、国宝阿弥陀三尊像や国宝八大童子立像、国宝金銀字一切経等数々の指定文化財を見学しました。学生たちは、国宝聾瞽指帰(ろうこしいき)弘法大師筆に見入ったり、孔雀明王像を興味深く見たり、ゼミ選択で深まった興味関心に従ってそれぞれ見学していました。
壇上伽藍では、檜皮葺の屋根葺替工事中の国宝金剛峯寺不動堂を周囲から見学しつつ、工程や材料について、講義しました。学生たちは尺貫法とメートル法との換算等に熱心に聞き入っていました。また、昭和7年に復興した武田五一設計の金堂と根本大塔の他、早くからドレンチャー設備を導入し耐震耐火補強した建物も見学しました。
昭和元年の火災では、金堂本尊はじめ多くの文化財が焼失しており、学生たちは文化財の学術価値のみでなく、精神性を育む「もの」をつなぐ大切さを学びました。