どんなことを学ぶの

コース紹介

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歴史遺産コース

歴史遺産に対する考え方は時代とともに変化し、専門化・高度化しています。考古遺産・建築遺産・文化的景観・近代化遺産など研究対象が多様化するなかで、歴史遺産を活用し後世に残すための情報収集や整理・管理法を学びます。自由な発想力や鋭い洞察力を養うことにより、社会で活躍する人材を育成します。

卒業研究の主なテーマ

  • 金沢城における現存鉛瓦について
  • 祇園会山鉾の変遷についての考察
  • 大溝城下町の変遷過程と町の特質について
  • 歴史遺産としての八日市飛行場
  • 彦根城の保全方法について
  • 平安京内における庭園遺構
  • 原爆ドームから見る負の遺産の在り方
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考古学コース

文化遺産に関する基礎知識から石器の実測や遺物の観察法といった実践的・専門的な技術まで、考古調査に必要な知識を学びます。所定単位を修得することで、埋蔵文化財調査で求められる2級考古調査士資格を取得。調査結果のまとめ方や編集する技術を実社会で活用できるところまで学習していきます。

卒業研究の主なテーマ

  • 日本古代における共用器・銘々器・属人器
  • 近江地域における釘付き式木棺
  • 再考・青塚古墳
  • マヤ文明のセイバル遺跡の特徴
  • 古代エジプトの王墓と古代中国の王墓の比較
  • 広島県における古墳時代中期土師器の様相
  • 近江地域出土の初期須恵器
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美術工芸史コース

絵画・彫刻・古文書など幅広い領域を研究対象としてとらえ、歴史を読み解く美術工芸史コースでは、建築・服飾・風俗や古代美術品に関しても積極的に学びを深めます。また、美術工芸史を学ぶうえで重要な美術品の緻密な観察と調査のため、博物館や寺院で実地研修を行い、美術工芸品への判断力や理解力を養います。

卒業研究の主なテーマ

  • 洛中洛外図屏風上杉本について
  • 東大寺法華堂執金剛神像と蜂
  • 雪舟の岩石描写と天橋立図
  • 立山曼荼羅における地獄の特異性
  • 醍醐寺蔵金銅両界曼荼羅の機能と円光院
  • 東海道五十三駅鉢山図絵からみる縮景物文化
  • 西浜御殿舞楽之図からみる徳川治宝

歴史遺産学科 実習・フィールドワーク

歴史遺産学科では、実習やフィールドワークをふんだんに取り入れた授業を展開し、これにより、歴史遺産に関する幅広い知識と技術を身につけていきます。ここでは、その一端を紹介しています。

歴史遺産総合演習

歴史遺産の存在意義に迫り論理的な思考力、分析力を身につける。

文化遺産の宝庫である延暦寺や東寺を対象に、調査や観察を実施。写真は、文化財保存修理工事中の比叡山延暦寺「根本中堂(国宝)」において、その工事の内容を設計監督者に直接聞いている学生の様子です。歴史遺産を体感するとともに、成り立ちや時代背景を考察し、存在の意味を理解します。事前に十分な研究を重ね、学生それぞれがテーマを抽出。実見後に再検討を行い、成果を発表します。個々での研究はもちろん、グループワークを展開することで、調査に不可欠なコミュニケーション能力を獲得。ものごとを論理的に分析する力や社会が求める知識、教養を身につけます。

歴史遺産学科海外研修

世界各地の歴史遺産を訪ねる

歴史遺産学科では、希望者を対象に、アジアをはじめ世界各地の歴史遺産を訪ねる研修旅行を実施します。人類の宝として、地球上に点在する歴史遺産。その景観の美をじかに感じることはもちろん、保存状況の調査や周辺の人々との関わりなど、現地の風土や歴史も知ることで、歴史遺産への考察を深めるきっかけとしています。

歴史遺産学実習

美術品や壁画の模写、古文書の取り扱いを体験する

壁画の模写作業(写真左)では、模写専用紙で仏像の原作をトレースした原画にあて画稿をつくり、最終的に墨線をつけ、原画に近づけていきます。また、古文書の整理と取り扱いを学ぶ実習(写真右)では、江戸時代の人びとの暮らしがわかる本物の古文書を取り扱い、その内容を解読し、歴史的に理解していきます。

フィールドワーク

バラエティ豊かなフィールドワークを展開

博物館や美術館を見学し、展示や保護の方法を学んだり、遺跡現場での測量、古墳での発掘作業などを学ぶ実習を行っています。ドローンを活用するなど、最新の調査手法を学ぶこともできます。本学では、長い歴史のある京都、さらに近隣に奈良や滋賀があるというメリットを活かし、さまざまなフィールドワークや実習を行います。多くの「ほんもの」に触れるなかで経験を積み、より専門的な知識や技術を身につけていきます。

カリキュラム

4年間の学習イメージ

1回生

歴史遺産の各領域を知り基礎知識を身につける

歴史遺産の概要を学び、基礎的な知識を身につけていきます。フィールドごとに異なる調査方法や歴史を理解するとともに、その後の大学生活と社会でも役立つプレゼンテーション能力を養います。

2回生

専門的な知識や技術を修得し歴史に関する深い理解力を高める

調査や実習をとおして、文化財の保存や管理法を学び、文献を読み解く力を磨きます。文化遺産の専門研究に欠かすことができない知識や技術を身につけ、学習に対する理解力を深めていきます。

3回生

コース選択で専門知識を探究しながら社会性や表現力を磨く

3つのコースから、関心や興味が高い専門分野を選択。それぞれのコースで、より深い専門知識を学びながら、自分の研究テーマにつなげていきます。同時に、自分の考えを的確に表現する授業も取り入れ、社会性を育みます。

4回生

卒業研究で得た知識を社会でいかす学びに変える

卒業研究として、資料の収集・観察・分析・考察に取り組みます。研究テーマを深く追究し、学びを社会でいかす力に変えるための論理的思考力や課題解決力を培っていきます。

文学部 歴史遺産学科 カリキュラム 

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取得できる資格

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状
    (地理歴史)
  • 2級考古調査士
  • 図書館司書
  • 学校図書館司書教諭
  • 博物館学芸員
  • 社会教育主事
  • 日本語教員

将来の進路

  • 観光・旅行関連業界
  • 文化財技師・調査員
  • 博物館・美術館学芸員
  • 情報・メディア産業
  • 中学校(社会)・高校(地理歴史)教員
  • 一般企業
  • 公務員 など