2024年11月8日(金)、京都薬科大学にて多職種連携教育(IPE:Interprofessional Education)を開催しました。
このIPEは本学看護学部看護学科、健康科学部理学療法学科および作業療法学科の4回生、京都薬科大学薬学部薬学科5回生を対象に毎年合同で実施している選択制のプログラムで、多様化する患者対応のためにチーム医療を推進できる人材育成の一環として実施しているものです。
当日は各学科から10~15人ずつ計51人が参加し、両大学の教員により設定されたシナリオ事例について学生が専門知識を駆使してグループディスカッションを行いました。
第Ⅰ部では同じ学科の学生同士で編成されたグループでシナリオ事例について討議し、それぞれの専門分野ならではの視点で発表を行いました。
第Ⅱ部では学科混成のグループを編成し、1グループ約8人でSGD(Small Group Discussion)を実施。シナリオ事例には患者の主訴や入院に至る経緯、入院中の検査結果および治療方針、退院に向けてのカンファレンス、退院時処方などの情報の他に、その患者の家族構成やキーパーソンの有無だけでなく、間取りも含めた住宅環境など具体的な情報が設定されており、学生たちはシナリオの日常生活をイメージしながら、第Ⅰ部で討議した内容も踏まえて薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士のそれぞれの立場で討論を行いました。
最終的には共通の目標(アウトカム)を設定し、手段やサポート、改善点などを具体的にまとめてグループごとに発表を行いました。学生たちは他職種の視点や考え方、チーム医療としての医療支援方針について活発に議論し、理解を深めていました。
両大学の教員からの講評では、「多職種連携において共通の目標を設定し、その目標へ向かって協力することが非常に重要」「もう少し踏み込んだ支援方法を提案できるよう、それぞれが専門性を高めてほしい」「今回は4つの職種だったが、実際の現場はもっと多くの職種と関わることになる。その時に患者やその家族を中心にする基軸をしっかり認識して、専門性を発揮してほしい」というフィードバックがあり、学生たちは真剣に耳を傾けていました。
参加した学生からは「各学部によって注目する視点が全く異なっていた」「他職種の強みと、共通の目標に向かって知識を共有することの大切さが分かった」という声があり、専門知識を生かしながらチーム医療として最適な医療・サポートを行っていく重要性について学ぶよい機会となりました。
本学は、今後も京都薬科大学と連携を深めながら、プログラムの充実と継続を図り、より専門性と実践能力の高い人材の育成を目指していきます。
写真提供(全て):京都薬科大学