『初音ミク』を生み出したテクノロジー×創造力とは?-クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役 伊藤博之氏による特別講義を開催-

 2026年528日(木)、デジタルメディア学科1回生の必修科目「メディア学入門」において、世界的なバーチャルシンガー『初音ミク』の生みの親である、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 代表取締役 伊藤博之氏による特別講義を開催しました。デジタルメディア学科をはじめ、情報工学科や情報学研究科などの学生・院生・教員など約150名が参加しました。

 本科目では、ゲームやアニメ、音楽といったマルチメディア(文字・音声・映像などを融合させた複合メディア)の基盤技術の理解を目的としています。講義では、音声合成技術が進化してきたプロセスと、『初音ミク』が新しい文化として若い世代を中心に浸透していった背景について、技術と創造性、さらにはファンを増やしていくための仕掛けなど、多角的な解説が行われました。

 学生たちは熱心に耳を傾け、「次世代文化として、コンテンツ同士のコラボレーションの可能性」や「コンテンツを育てていくための戦略」、さらには「商標やライセンスなど専門知識について」など、さまざまな質問が相次ぎました。

 参加した学生からは、「テクノロジーが人の楽しさにつながる可能性を実感した」「技術の発展に頼るだけでなく、創造力やアイデアを鍛える重要性を改めて感じた」といった声が寄せられました。また、講義後も伊藤氏に直接質問をしたい学生が多く、若者文化に深く浸透していることが伺えました。

 最後に伊藤氏から学生へ「技術はあくまで手段であり、何を表現したいのかという想いが最も大切です。その想いを大切にしながら、ぜひ自分ならではの表現に挑戦してください」とメッセージが送られ、講義は大盛況のうちに幕を閉じました。

 伊藤氏は、『初音ミク』の企画開発を通して、音楽とテクノロジーを融合させた新たな表現文化を切り拓いてこられました。また、クリエイターの二次創作活動を支えるプラットフォーム『ピアプロ』の整備にも取り組み、一般の人がイラストや楽曲、漫画、動画などを自由に創作・発信できる環境づくりを推進されています。その結果、クリエイターたちによる創作の連鎖が生まれ、世界中にファンを生み出し、21世紀の音楽革命を巻き起こしました。

 生成AIをはじめとするテクノロジーが急速に進化する現代において、人々の楽しさや豊かさに寄与するコンテンツとは何か。本講義は、学生たちにとって、次世代のクリエイティブやコンテンツ産業の可能性を考える貴重な機会となりました。

【登壇者プロフィール】

伊藤博之(いとう ひろゆき)
1965年北海道標茶町生まれ。高校卒業後に北海道大学で職員として勤務する傍ら、北海学園大学経済学部を卒業。1995年、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社を設立。同社代表取締役。サウンド素材を取り扱う"音の商社"として、得意分野の"音"を探究しながらデジタルコンテンツに関わる事業を展開する中、2007年に歌声合成ソフトウェア「初音ミク」を企画開発した。掲げるミッションは、クリエイターが物事を「ツクル」ための技術やサービス、つくった物事を発表する場を「創る」こと。2016年よりNoMaps実行委員会委員長。2020年よりオンガラボ株式会社代表取締役。新規産業功績で、2013年に藍章を受章

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