2026年6月30日から7月6日にかけて韓国・仁川(松島コンベンシア)で開催された「RoboCup世界大会2026」に、本学情報学研究科及び工学部情報工学科の学生が東京情報デザイン専門職大学(TID)との合同チームとして出場しました。

国内大会「RoboCup Japan Open」での優勝に続く挑戦となった本大会では、両大学の学生が協力し、世界各国から集まったチームと競い合いました。
本学チームが出場した「@Homeリーグ」は、家庭や日常生活で人を支援するサービスロボットの技術を競うリーグです。ロボットは音声認識や画像認識、自律移動、物体把持など複数の技術を組み合わせ、人とのコミュニケーションや日常生活の支援を想定したさまざまなタスクに挑戦します。


今大会の「@Homeリーグ」には世界各国から24チームが出場し、本学合同チームは12位という成績を収めました。本学としては世界大会初出場ながら上位半数に入り、海外の強豪チームと互角に競い合う健闘を見せました。
本学は、4つの競技タスクのうち、洗濯物の認識・操作を行う「ランドリータスク」と、注文の受付から配膳までを行う「レストランタスク」の開発を主に担当しました。「ランドリータスク」では、ロボットが衣類を見分けて正しい位置でつかめるように、画像認識や位置を計算するプログラムを開発しました。「レストランタスク」では、ロボットが人の声を聞き取るための音声認識の開発に加え、競技で使用する部品を3Dプリンタで製作するなど、ソフトウェアとハードウェアの両面からチームを支えました。
大会終了後、出場した学生にインタビューを行い、世界大会で感じたことや開発を通じて得た学びについて聞きました。
出場メンバー:
情報学研究科2回生:吉年大地
情報学研究科1回生:高田ひなた
情報工学科4回生:樋口雅裕、高田健之介、西野佑太朗
教員:ロボティクス学科 小野哲雄、兼古哲也
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■学生インタビュー
Q.世界大会に参加して、一番印象に残ったことを教えてください。
高田ひ
とにかく、あっという間の1週間でした。タスクを進めるためのアイデアを考えたり、他チームのロボットの動きを観察したりと、やることが本当に多く、時間が過ぎるのがとても早く感じました。充実した楽しい時間でした。
高田健
海外チームは同じタスクに対しても全く違う方法でアプローチしていて、その発想力に驚きました。そのタスクをクリアするためにハードもかなり工夫が凝らされていました。
樋口
例えばセンサ一つとっても、タスクに合わせた設置の向きや位置が研究されていて、とても勉強になりました。
Q.開発で苦労したことや、世界大会ならではの難しさはありましたか。
西野
ロボットの大会への参加自体、今年が初めてで、大学にロボットが届いたのも大会数ヶ月前だったため、十分な準備期間を確保できませんでした。大会前はそれぞれが開発に取り組むので精一杯で、チーム内で情報共有する余裕もなく、もどかしさを感じることもありました。しかし現地では朝から晩まで一緒に開発する生活となり、自然とコミュニケーションが増え、チームとして団結できたと感じています。
樋口
仮想空間や学内の模擬セットでは問題なく動いていたものでも、本番では照明や環境音などの違いによって思うように動作しないことがありました。自分は画像認識を主に担当していたのですが、特に照明による白飛びや、現地で初めて公開されたオブジェクト(競技で使用する対象物)が想定より小さかったことへの対応に苦労し、現地でも認識モデルやパラメータを調整しながら改善を重ねました。大会中ずっと、どうしたらうまく認識させることができるかアイデアを考えていました。
Q.逆にうまくいったこと、成果を感じたことはありますか。
高田ひ
学内の模擬セットでテストをしていたとき、ロボットがどうしても誤動作してしまうことがありました。原因を探り続けた結果、窓ガラスの反射が影響していることが分かりました。本番でもロボットが思うように動かない場面がありましたが、それを思い出し、「もしかすると流し台のステンレスの反射が原因ではないか」と気付くことができました。練習環境での不具合や失敗が、世界大会でのトラブル対応にも生きたと感じています。
高田健
「ランドリータスク」では、現地で用意された洗濯かごが本学のロボットの仕様に合わず、アームが底まで届かないことがわかりました。しかし、そこで無理に対応しようとするのではなく、「できることを確実に積み重ねていこう」という考え方に切り替え、着実に得点を重ねることを意識できました。
Q.世界大会を通して、どのような学びや成長がありましたか。
西野
一番大きかったのは、トライアンドエラーを前ほど恐れなくなったことです。本番までは「短期間で本当に完成するのか」という不安もありましたが、まずは手を動かしてみて、そこから改善を重ねることの大切さを実感しました。
樋口
技術面では、他のチームから学ぶことが本当に多くありました。今後は、関西の@Home出場チーム同士で勉強会を開くなど、大学の枠を超えて切磋琢磨できる環境ができれば、さらに技術力を高められると思います。
吉年
今年初めてRoboCupに出場することになり、何もわからない状態からのスタートでした。それにもかかわらず、一人ひとりが自分の役割をしっかり果たしながら、大会に向けて着実に力を付けることができました。また、メンバー同士が活発に意見を出し合える雰囲気があったことも、チームの成長につながったと思います。
私自身が海外での学会発表の時期と重なり、十分に活動に時間を割けない時期もありましたが、他のメンバーが主体となって開発を進めてくれました。技術面だけでなく、大会や現地での生活に関する情報収集など、さまざまな面で支えてくれて、メンバーには本当に感謝しています。

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なお、今年度、本学工学部にはロボティクス学科が開設され、本学のロボット分野における教育・研究活動は新たなステージを迎えました。
RoboCupへの初挑戦となった国内大会「RoboCup Japan Open」での優勝に続き、世界大会でも24チーム中12位という好成績を収めた本学チーム。今回の経験を糧に、さらなる技術力の向上と世界への挑戦を続けていきます。
今後も、本学RoboCupチームへの温かいご声援をよろしくお願いいたします。