歴史学科の田端泰子教授が読売新聞で近著を語る

 歴史学科の田端泰子教授は著書『細川ガラシャ 散りぬべき時知りてこそ』で安土桃山時代のキリシタン女性の生涯を究明した。ガラシャは小説やドラマに、しばしば「悲劇のヒロイン」として登場するものの、史料が少ないために歴史研究の対象にはなりにくかった。田端教授はイエズス会士ルイス・フロイスの「日本史」や、ガラシャの侍女による「於しも覚書」などを照合し、人物像を描き出した。ガラシャの最期は、石田三成に人質となることを死をもって拒絶。「人質を取れば西軍に傾く大名が出ると考えていた三成も、その死に驚いて人質作戦を中止した。女性と子どもは非戦闘員だった当時、ガラシャの態度が与えた影響は大きかった」と語った。

【2010年4月6日 読売新聞に掲載】

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