陵墓祭祀の初公開について本学文化財学科の一瀬教授がコメント

 宮内庁が仁徳天皇陵に指定している大山古墳(大阪府堺市)で2月8日、仁徳天皇の没後1,613回目の命日祭「正辰祭(しょうしんさい)」が行われた。皇室が祖先を慰霊する私的祭祀の一つとされる。全国に約600ヵ所ある天皇陵や陵墓参考地で、それぞれ年に一度は行われているが、国民の目に触れる機会はほとんどなかった。今回、共同通信に対し、初めて取材と撮影が許可された。これを受け、文化財学科の一瀬和夫教授は「今回、正辰祭の様子が報じられたことで、天皇陵が現代も生きた祭祀の場であることがうかがえる。陵墓の情報公開という意味で一歩前進といえる。世界文化遺産の登録審査では、遺跡としての価値や意義だけでなく、どんな祭祀がどのくらい長く伝わっているか、国民が伝統として指示しているかも評価される。祭祀の様子をできるだけ国民に見てもらい、理解を得ることも大切」とコメントした。

【2012年2月8日 京都新聞、2月9日 山陽新聞に掲載

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