新木山古墳から出土した大量の埴輪片について文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授がコメント

 新木山古墳(奈良県広陵町)で、築造途中に埋めたとみられる大量の埴輪片が出土した。埴輪は本来、墳丘上や周囲に立て並べる葬送具で、土中から見つかるのは異例。用途も不明で、さまざまな説が出ている。文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授は、「技術者は工事に慣れておらず、どこまで土を積むか目安が必要だったのでは。施工の基準として柱を立て、埴輪片を周囲に押し込んで補強したのではないか。完成後に柱を抜き取って埴輪片が残ったか、埴輪片そのものが目印だった可能性がある」とコメントした。

【2012年11月27日 京都新聞に掲載

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