特別公開講座「キトラ古墳壁画発掘の軌跡」で猪熊兼勝本学名誉教授が講演

 5月11日、特別公開講座「キトラ古墳壁画発掘の軌跡 ~壁画と保存、世界遺産登録を考える~」が東京国立博物館の平成館大講堂(東京都上野)で開催された。これは、東京国立博物館で開かれた特別展「キトラ古墳壁画」に合わせて、奈良県明日香村と関西大学が開催したもの。「キトラ古墳の被葬者像」をテーマに講演した猪熊兼勝本学名誉教授は、「キトラ古墳がある飛鳥南部に造墓を許されたのは、天武天皇と関係が深い皇族だけで、皇位を争わないと天武天皇に誓った草壁、大津、高市、河嶋、忍壁、志貴の6皇子が被葬者に該当する」と指摘。その上で、キトラ古墳の木棺・副葬品の豪華さ、年代などから、天武天皇の第一皇子の高市皇子の墓の可能性が高いと推定。また、「周辺の天皇や皇族の墓とみられる古墳の位置関係が北斗七星の形に配置されている」と話した。

【2014年5月12日、20日 朝日新聞に掲載】

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