1月30日(土)、堺市文化財課は、堺市北区のニサンザイ古墳の濠から木製の蓋形(きぬがさがた)埴輪の一部が出土されたと発表した。木製の蓋形埴輪の出土は国内では初めて。これまでに多数の木片が出土しており、墳丘全体を囲うように並べられていた可能性があるという。蓋形埴輪は高貴な人物が眠っていることを表しているとされる。文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授は「ニサンザイ古墳は、埴輪を木製に材質転換したり、葺石を敷き詰めないことから、それまでの時代に築かれた古墳に比べ造営を簡略化している。当時の古墳の造営方法の変遷をうかがえる興味深い発見だ」と話している。
【2015年1月31日 朝日新聞、産経新聞・毎日新聞・読売新聞に掲載】