田端泰子本学名誉教授が「戦争と平和・人権」をテーマに京都新聞にコラムを執筆した。今年は国際的に戦争の危機が身近に感じられ始めた一年で「平和」に関する記事は少なかった。世界は対立と抗争、人命を軽んじる方向に向かっているように思える。現代の複雑な国際情勢のもとでは、どこかの国の卓越した指導者が「平和」を提唱しても、世界中に共有されることは難しいだろう。今考えられる最上の方法は「国際的平和維持機構」として設立された国連の機構改革と権限強化しかなく、国連が非加盟国に対しても協力を求め、交渉に応じさせる姿勢が求められる。それ以上に必要なのは、私たち一人ひとりが、自分の命と等しく他人の命は尊いのだという人権意識を再喚起することであろう、と語っている。
【2015年12月6日 京都新聞に掲載】