キトラ古墳(奈良県明日香村)の近くで、国内で初めて実物の壁画を保存・公開する施設「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」が9月24日にオープンした。キトラ古墳の壁画は、石室からはぎ取り、村内の仮設施設で修理などを進めてきた。修理後の保存先については、古墳内での保存技術が確立していないため、古墳の石室内には戻さず、当面の間は、四神の館で保存・公開される。玄武の発見から住民と一緒に調査を進めてきた猪熊兼勝本学名誉教授は「キトラで終わりではない。体験館は壁画を維持管理する知見を培い、今後の文化財保存に生かしてほしい」とコメントした。
【2016年9月23日 朝日新聞に掲載】