田端泰子本学名誉教授が京都新聞「天眼」に「上に立つ人のあるべき資質とは」と題し、八条院暲子を取り上げたコラムを執筆した。平安時代終わりの院政期には、最高権力をもつ上皇(院)が登場した。八条院暲子は、生涯未婚のまま女院となった初の女性で、後白河院や二条天皇にとどまらず、敵味方関係なく多くの人に手を差し伸べた人であった。田端名誉教授は、戦乱の続く不穏な時代に「避難所」の役割を果たしたと述べている。そして、上に立つ人を選ぶ時に、その人のそれまでの言動をしっかり見極めることが可能な現代の私たちは、この選択眼を十分に生かさなければ、将来に大きな悔いを残すことになるだろうと結んでいる。
【2017年7月2日 京都新聞に掲載】