榊差遺跡から出土した国内最古の獣脚の鋳型に五十川伸矢本学元教授がコメント

 5月23日(水)、滋賀県草津市教育委員会は、榊差遺跡(滋賀県草津市)で、鍋や釜を支える「獣脚」を鋳造するのに使われた鋳型の破片約50点が出土したと発表した。奈良時代前半(8世紀前半)のものとみられ、これまでの平安時代(8世紀末)の出土例よりも古く、国内最古級とされる。獣脚の鋳型の出土例は少なく、貴重な事例だという。
 五十川伸矢本学元教授は「今回の発見で、8世紀前半には近江で鋳造技術が定着していたと考えられ、それが8世紀後半に北陸や東北などの東国に拡散したのだろう。鍋釜の鋳鉄生産の開始時期も確実にさかのぼることとなり、今後の調査で鋳鉄生産の歴史認識が大きく修正される可能性もある」とコメントした。


【2018年5月24日 朝日新聞・産経新聞・毎日新聞・読売新聞・京都新聞に掲載】

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