田端泰子本学名誉教授が京都新聞「天眼」に足利将軍家に関連したコラムを執筆

 田端泰子本学名誉教授が京都新聞「天眼」に「変わる義満の人物評価」と題したコラムを執筆した。室町時代の三代将軍足利義満は「天皇制の砦に肉迫した唯一の人物」と評されてきたが、その評価が通説と大きく変わってしまったという。義満は有力守護大名を圧倒し、朝廷を一本化したこと。日明貿易を掌握したことにより、天皇とは異なる「日本国王」となり得る立場を獲得したが、得た巨大な富を惜しげもなく朝廷や臣下、また社寺修造に分け与えた。そのことからも、義満は天皇家に対し、その存続を願って真摯に対応しており、公家、寺社に対しても経済的援助を惜しまない、広い心を持っていたように感じる。その御恩に浴した多くの人々から高く評価され、室町時代随一の繁栄期を築くことができたといえると結んでいる。

【2018年11月18日 京都新聞に掲載】

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