文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授が大山古墳(仁徳天皇陵)についてコメント

 11月22日(木)、国内最大の前方後円墳、大山古墳(大阪府堺市)に考古学・歴史学関係の研究者ら約40人に調査現場が初公開された。10月から行われている宮内庁と堺市の共同発掘調査は、墳丘本体ではなく、古墳の三重の濠(ほり)のうち、最も古墳に近い濠に面している第1堤の3ヵ所を発掘。研究者らは円筒埴輪列や石敷きが出土された調査現場を見学した。大阪府教育委員会の技師として陵墓古墳の周辺を調査した経験があり、大山古墳についての著書もある本学文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授は「宮内庁の陵墓の多くは墳丘だけが陵墓に指定されているため、周囲を地元自治体の教育委員会が発掘して埴輪が見つかることが多い。仁徳陵は濠や堤もすべて宮内庁が管理しているので日本最大の古墳なのに、埴輪の情報が非常に少なかった。日本最大の古墳の姿が少しでも具体的にわかった意義は大きい。堤にも石があったとなると、集め、運ぶ労力は大変なものだ。隅々まで手を抜かない造りで、外から古墳を見る人を意識した設計だ」と話した。

【2018年11月23日 産経新聞・毎日新聞・読売新聞・京都新聞、24日 朝日新聞(大阪版)に掲載】

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