「ゴーランド・コレクション」の調査プロジェクトが終了し、代表を務めた文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授がコメント

 日本考古学の父と呼ばれるイギリス人のウィリアム・ゴーランドが、明治時代に日本で多くの古墳などの遺跡を調査・研究し、持ち帰った資料が大英博物館に保管されてきた。全容は明らかにされておらず、2010年度からそれらの資料を大英博物館や日英の大学・機関の研究者約30人が共同で調査をしていた。調査は、1.ゴーランドの古墳関係資料の実測・撮影など総合的な調査 2.ゴーランドが日本で調査した古墳の再調査・検討 3.調査・研究成果の国内外への発信などをめざし行われた。プロジェクトが終了し、報告書が2冊刊行された。調査プロジェクトの代表を務めた文学部歴史遺産学科の一瀬和夫教授は「ゴーランドは精度の高い調査をしており、遺物の破片やメモまで散逸せず、タイムカプセルのように残っていた。このため現代の再調査も可能になった。ゴーランドが、どこでどのような調査をしたのか、正確にたどれるようになってきた。さらに分析を進めることで研究も深まる」と話した。

【2019年10月13日 読売新聞・夕刊、2020年1月9日 日本経済新聞・夕刊に掲載】

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