黒土遺跡で鉄製品鋳造施設跡が出土したことに五十川伸矢元教授がコメント

 3月11日(水)、滋賀県草津市教育委員会は、黒土遺跡(滋賀県草津市)で鉄製の鍋釜を鋳造したとみられる施設が見つかったと発表した。飛鳥時代末(7世紀末~8世紀初め)のものとみられ、国内最古級の可能性が高い。土坑跡から、これまでの発見例では最大となる口径1メートル以上の鍋釜が製造されていたこともわかった。五十川伸矢元教授は「大陸から伝わったとみられる高度な鋳造技術が、中央政権のほかに近江でも駆使されていたことが判明した。国家形成期にあった当時は鋳物の生産が大きく発展し、その影響を近江地域がいち早く受けたことを示す重要な発見」とコメントした。

【2020年3月12日 京都新聞、朝日新聞・夕刊に掲載】


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