戦国時代の武家の女性の座り方について田端泰子本学名誉教授がコメント

 大河ドラマなどで見る武家の女性が座るシーンが、正座ではなく立て膝で座ることがSNSなどで話題になっている。日本中世史・女性史を研究している田端泰子本学名誉教授の共著『身体はだれのものか 比較史でみる装いとケア』(昭和堂、2018年)で、戦国から江戸時代の肖像画をたどり、立て膝が不作法でなかったことを裏付けている。室町時代や豊臣秀吉の時代は、床は板敷き。当時の身分の高い女性の肖像を見ると立て膝やあぐらで座っている。肖像画を描かせる時には畳が敷かれていたが、立て膝のままポーズを取っていることから、正式な座り方だったと推測される。女性の衣服も、小袖は丈が短くゆったりした作りで足が自由に動かせたことからも、時代考証的に正しいと田端教授は話した。

【2020年6月13日 読売新聞・夕刊に掲載】



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