男性専用の悩み相談窓口を設ける動きを健康科学部心理学科の濱田智崇准教授がコメント

 仕事や家庭などで悩む男性をサポートしようと、男性専用の電話相談窓口を設ける動きが広がりをみせている。内閣府などによると2011年で34か所だったが、2020年3月時点で全国に72か所となり、約10年で倍以上に増えた。内閣府は2013年に自治体向けに男性を対象にした相談体制の整備マニュアルを作成したが、男性専用の窓口を設ける自治体はまだ少なく、予算や相談員の不足などが課題となっている。健康科学部心理学科の濱田智崇准教授は、1995年に臨床心理士らボランティアで全国初となる「『男』悩みのホットライン」を開設し、現在、代表、相談員も務める。また、一般社団法人日本男性相談フォーラムの理事でもある濱田准教授は、相談員養成の研修を開くなど、受け皿作りにも力を入れている。濱田准教授は「男性相談員が広がり、男らしさに縛られてしまう固定的な意識や社会が変わるきっかけになればうれしい。男性が己の問題や悩みに向き合うことで、ジェンダーの構造も変わりうる」と話した。

【2020年11月19日 朝日新聞に掲載】

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