ウワナベ古墳の宮内庁と奈良県、奈良市の同時調査について文学部歴史遺産学科の中久保辰夫准教授がコメント

 5世紀前半の前方後円墳「ウワナベ古墳」(奈良市)で宮内庁と奈良県、奈良市が初めて同時に調査を行った。同古墳は、歴代天皇や皇族の墓の可能性があるとして、宮内庁が原則、外部の立ち入りを認めていない「陵墓参考地」で、こうした調査に先例が少ないとされる。宮内庁が墳丘部の護岸工事の事前調査に合わせ、後円部の周濠(しゅうごう)部分を県と市が担った。県と市の調査区は一般向けに公開され、宮内庁の調査区は公開されたわけではないが一部見ることができた。文学部歴史遺産学科の中久保辰夫准教授は「陵墓に関してはまだ情報が不足しており、今回の調査で実態解明が一歩前進した。ほかの古墳との比較検討が可能になるという意味でも大きな成果だ。現場での説明や発掘時の動画公開など、宮内庁にできることはまだあるはず」と話した。

【2020年11月20日 NHK NEWS WEB、11月21日 毎日新聞、12月17日 読売新聞・夕刊に掲載】

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