理学療法学科リカレント講座「腰痛症に対するコアセラピー」を開催

 2012年5月12日(土)、本年度開設した健康科学部理学療法学科によるリカレント講座が、理学療法士やスポーツトレーナー、柔道整復師など医療・スポーツ関係者76名の参加で開催されました。
 テーマは「腰痛症に対するコアセラピー」。近年、腹横筋をはじめとする"コア"と呼ばれる筋群の、腰椎・骨盤安定への関与が注目されています。当日は、本学の横山茂樹教授に加え、広島国際大学保健医療学部の蒲田和芳准教授を迎えて、今春竣工した優心館の施設・設備を使い、腰痛症のコアセラピーに関する講義と実技指導が行われました。

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 講座ではまず、横山教授がコアを構成する骨格・筋の構造と機能を解説しました。特に深腹筋といわれる腹横筋や骨盤底筋群の機能と、その機能不全が引き起こす腰痛のメカニズムについて、文献的考察も踏まえ紹介。さらに、コアセラピーの基本的概念や、コアを構成する胸郭・骨盤の評価法について講義しました。
 蒲田准教授の講義では、リアラインコンセプトの総論と、腰痛症に対するコアセラピーの理論および実践について解説。特にマルアライメントによる機械的ストレスと腰痛症との関連性、コアセラピーへのアプローチ方法の講義が行われました。さらに、下肢のマルアライメントが腰痛に及ぼす影響や、下肢の運動時に生じる大殿筋の緊張伝達パターンの異常についても紹介されました。
 講義後に行われた蒲田准教授による実技では、伸展型腰痛症に対するアプローチとして、皮下脂肪や筋膜のリリース法を中心に指導を展開。また、胸郭の機能不全に対する皮下組織のリリース法から始まり、機能的な筋活動の修得をめざしたATM2を利用した運動療法の実践指導も行われました。

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