女性歴史文化研究所シンポジウム「近代女性の社会史」を開催

 2012年7月28日(土)、キャンパスプラザ京都第一講義室にて、「近代女性の社会史-日本とドイツ-」をテーマとして、「京都橘大学女性歴史文化研究所シンポジウム」が開催されました。

 当日は、猛暑日にもかかわらず、大学関係者、市民等の一般参加の方も含めて、188名が参加し、まさに熱気あふれるシンポジウムとなりました。
 第一部として、横田冬彦氏(京都大学大学院文学研究科教授)と本学文学部歴史学科の南直人教授による講演が行われ、その後、第二部として、高久嶺之介本学教授(女性歴史文化研究所所長・文学部歴史学科)のコーディネートのもと、2人の講演を中心にしながら、活発な討議がなされました。

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 横田氏は、「日本近代遊郭における娼妓と遊客」と題して、京都橘大学における史料収集(「遊客名簿」など)と女性歴史文化研究所での共同研究の成果をふまえて講演しました。とりわけ近世近大遊郭史のなかで遊郭における男性遊客の研究が欠如している点にふれ、近代の「遊客名簿」などをひもときながらその論を進めました。
 南教授は、「母乳が政治性を帯びるとき-20世紀初頭ドイツにおける乳児の生と死をめぐって-」と題して、19世紀末から20世紀初頭のドイツで母乳保育をめぐっての政府・自治体の政策と母親たちがそれにどのように対応していったのかを明らかにしました。

 このシンポジウムの目的である「近代社会における女性問題をさまざまな視点から明らかにしたい」という趣旨に沿ったものとなり、一般参加者からの質問や意見も盛り込んで進められ、参加者の感想も好評でした。

 最後に主催者を代表して高久女性歴史文化研究所長が「今後もより広い視点からのテーマを設定し、参加者の皆様の興味・関心に応えられるシンポジウムとして発展させていきたい」と挨拶し、閉会しました。

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