7月13日(土)、心理臨床センター開設記念・健康科学フォーラム「子どもと大人社会-同時代を生きる-」がキャンパスプラザ京都で開催されました。
第一部では、3名の講師から報告を受けました。
羽下大信教授(本学健康科学部)は「子どもの心の発達と大人という環境」をテーマに、臨床心理学の視点から、体の成長や心の発達の過程における「ひとりでいることができる能力」「他者とかかわる能力」の重要性に触れ、子どもが大人になるためにはコミュニティ・サポートなどの環境整備が必要であることなどを報告しました。
桜井智恵子氏(大阪大谷大学教育学部教授)は「大人と社会の役割」をテーマに、学校における競争的な環境が、いじめ・不登校などの問題を助長している可能性に触れ、大人と社会がどのような役割を果たすべきかを報告しました。
高橋哲氏(芦屋生活心理学研究所所長)は「三陸の子どもたちにかかわって」をテーマに、三陸の子どもたちの手紙や現場からの生の声などを通して、現地の子どもたちの現状や、今後の学校におけるスクールカウンセラーの活動の可能性について報告しました。
第二部では、日比野英子教授(健康科学部長/心理臨床センター長)をコーディネーターとして、3名の講師により、子どもと大人の関係や大人の役割についてのパネルディスカッションが行われ、盛んな意見交流・提言が行われました。
受講者からは、「東日本大震災における現地の様子を知る機会がこれまでほとんどなかったが、子どもより大人の方が苦しんでいることがわかった」「“心のケア”についての関心が深まった」「これから孫の育つ社会への不安から気軽に参加したが、迫力のある話だった」などの意見が出され、震災から2年半たった今でもいろいろな問題を抱える現地の状況を知り、今後を考えるための貴重な機会となりました。