衣紋道山科流・当主山科言和(ときかず)氏が来訪ー山科家ゆかりの大宅地区を本学教員とともに巡見ー

 2022年3月23日(水)、衣紋道山科流・当主山科言和(ときかず)氏とご家族が本学に来訪されました。山科家は藤原北家四条流の流れをくむ旧公家・華族の家柄で、上冷泉家とともに明治維新後も京都に本拠を置き続けている数少ないお家です。本学キャンパスの所在する大宅地区は、この山科家の"名字の地"である山科東庄の故地にあたります。言和氏ご子息の山科言親(ときちか)氏(家元後嗣)が、日本中世史を専門とする細川涼一本学前学長の講演を聴かれたことが、今回の来訪のきっかけとなりました。
 当日は細川前学長と野田泰三前副学長が、山科東庄について解説し、現地の巡見を行いました。中世山科の歴史に造詣が深い細川前学長は、ご自身でまとめられた資料「中世の山科大宅と山科家・後白河院―大学周辺の中世史―」をもとに大宅地区の歴史を説明し、現在と昔の地図・絵図を見比べながら、後白河法皇の山科新御所や法皇を祀った御影堂の比定地や歴史的景観の移り変わりについて説明されました。
 また、同じく日本中世史を専門とする野田前副学長は、本学が所蔵する古文書―山科言継・言経父子の位記―を示しながら、その内容を解説されました。山科家の方々も非常に興味深く見られており、言親氏は「いつかこの古文書を見てみたいと思っていたので、実物を拝見できて非常に嬉しいです」と話されました。
 その後、山科家ゆかりの沢殿(後白河院山科御所)故地(大宅沢町)、甲ノ辻、澤野井邸、岩屋神社等を見学されました。
 今後も山科家の方々と交流を深め、本学としてもより質の高い歴史研究・教育につなげていければと考えています。

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言継・言経父子の位記の解説を聞く山科家のみなさん

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山科言継(上)・言経(下)の位記

-足利義晴や豊臣秀頼・徳川秀忠の名前が見える-

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細川前学長による大宅地区の説明

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