歴史遺産学科の学生が埋蔵文化財の展示×解説に挑戦!公益財団法人滋賀県文化財保護協会でのインターンシップに参加

 2022年8月2日(火)から8月6日(土)の5日間、滋賀県埋蔵文化財センター(滋賀県大津市)で文学部歴史学科・歴史遺産学科の2回生3人が、公益財団法人滋賀県文化財保護協会によるインターンシップに参加しました。

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 このインターンシップは、本学文学部の「キャリアゼミⅣ」の授業の一環で実施しました。「キャリアゼミⅠ~Ⅵ」は、1回生前期から3回生前期までの3年間にわたって学ぶ科目で、卒業後、学生たちが選択するキャリアを自信を持って進んでいけるように、社会で求められる知識、態度、技能を身につけていきます。「キャリアゼミⅣ」では、海外体験、インターンシップ、ボランティア活動、課題解決型PBLなどの各種体験プログラムを通して、行動力、協働力、主体性を高めることを目標としています。今回の公益財団法人滋賀県文化財保護協会でのインターンシップは、文化財に関する専門的な仕事について理解を深め、自ら実践して体感することを課題とし、展示内容と手法の研究、現地発掘調査員への取材、展示のアレンジ・改修の提案などを行いました。


【5日間の研修内容】

1日目:ガイダンス、滋賀県立安土城考古博物館の収蔵庫見学

2日目:大津・栗東市域での遺跡の発掘調査、整理調査現場の見学、勾玉づくりの手伝い

3日目:展示内容の検討と企画立案・準備

4日目:展示解説準備作業、午後からリハーサル

5日目:最終確認、成果発表会


 5日間の研修のなかで、埋蔵文化財調査員・学芸員という専門職の方々の仕事を間近で見て理解を深めた学生たちは、専門職員の指導のもと、生の文化財を実践的に取り扱う手法を学びました。5日間の研修の成果発表として、最終日には、同センターで展示している滋賀県埋蔵文化財地域展Ⅳ「滋賀をてらした珠玉の逸品たち-スコップと歩んだ発掘50年史-」を学生目線でアレンジし、展示物を前に、実際に一般観覧者や新聞記者へのギャラリートーク(解説)にも挑戦しました。
 文学部の中久保辰夫准教授は、「文化財の専門的な仕事を、インターンシップを通じて学ぶことができる大学は、日本全国を見渡しても数少ないです。文化財を守り、伝える仕事について知り、それが受講生それぞれのキャリア形成に役立つことがあればと思っています」と話しました。

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インターンシップに参加した3人の学生に、お話を伺いました。

中島僚吾さん 文学部歴史学科2回生:歴史遺産は、京都や奈良に多くあると思っていましたが、滋賀にも多くの遺跡があることを学びました。成果発表会では、年配の方だけでなく、歴史をほとんど知らない子どもたちも来場していたので、難しい単語を簡単な言葉に置き換え、伝わりやすいように心がけました。

古谷優太さん 文学部歴史遺産学科2回生:展示の事前準備として、出土遺物が記載されている調査報告書を読みこむこと、また示したい根拠をいかに説明するのかという点に難しさを感じました。今回経験した文化財保護に関する分野は、将来志望している進路の一つであるので、専門職員の方々の作業の様子を実際に見て学べたことは、とても良い経験となりました。

安間悟さん 文学部歴史遺産学科2回生:大学のゼミでの発表とは異なり、幅広い年代の方に向けて発表したという点では、とても良い経験になったと思います。市民の方は、文化財に関心のある方が多く、また、小学生の興味深げなまなざしも印象に残りました。インターンシップに参加し、社会との関わりを持てたこと、文化財関係の職場を体験できたことは、これから就職する分野を選んでいく中でとても参考になりました。


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