工学部情報工学科の学生が、オリジナルゲームの制作発表会を実施

 2022年9月13日(火)、工学部情報工学科1回生の学生25人が、「情報工学実践」の授業で、SDL(Simple DirectMedia Layer)※を用いたオリジナルゲームを制作し、成果発表会を行いました。「情報工学実践」では、情報工学に関わる技術の実社会への応用を意識した、実践的かつ主体的な学習を行うことを目的としています。
 夏休み期間中の9日間の集中講義形式で行われた本授業で、学生たちは、プログラミングの基本言語の一つであるC言語の応用処理を習得し、個人またはグループで、ゲームの企画提案や開発計画の立案を行ってきました。学生たちは、時には授業時間以外にも大学に通い、担当教員のアドバイスを受けながら作業を進め、オリジナルゲームを完成させました。
 公開授業として実施された制作発表会では、前半に各グループから、ゲームの概要、キャラクター設定、操作方法、制作に際し苦労した点などが発表されました。学生たちが制作したゲームは、謎解きゲーム、対戦ゲーム、複数人協力アクションRPG等、バラエティに富んだ内容で、各チームそれぞれの特色が現れた発表となりました。後半は、参加した聴講者を交えてゲームを体験する時間が設けられ、制作した学生たちの説明を聞きながら、聴講者もゲームに挑戦していました。学生たちが制作したゲームのクオリティーの高さに、教室では驚きの声があがっていました。

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授業を担当した工学部情報工学科の西出俊准教授と、受講した学生にお話を伺いました。

西出 俊 准教授
 この授業では、ゲームエンジン等を使わず、最も基礎的なプログラミング言語の一つであるC言語を用いて、ゲーム制作を行っています。ゲームの企画や開発計画の立案だけではなく、ゲーム内のアニメーションや当たり判定などを、どのようにプログラム内で記述するかを考えながら実装してもらいました。このような基礎的な要素であっても、プログラミングすることは難しく、またゲームのように千行を超えるプログラムを書く場合、さまざまな変数の管理も難しくなります。プログラミングが難しい処理は、私がヒントを出す形で進めましたが、ヒントなしで学生が処理を書けることもありました。期間が限られている中でゲームを完成させることは、なかなか大変だったと思いますが、学生のみなさんも熱心に取り組んでくれ、高い完成度のゲームができたと思います。学生のみなさんにはC言語でゲームを作るという今回の経験を活かし、ゲーム以外のさまざまな分野にも応用してもらいたいと思います。

西口 奏多さん 工学部情報工学科1回生
 長い夏休みを無駄に過ごさず、何かに熱中したいという思いがあり、集中講義の受講を決めました。また、ゲーム制作に興味があり、授業を通して、プログラミング技術を集中的に身に付けられるというのも魅力に感じました。初めてのゲーム制作で、最初は完成させることができるのか不安がありました。制作過程では、当たり判定のプログラミングなど、想定内にいかないこともあり、難しさも感じましたが、グループメンバー全員で協力し、期間内で完成させることができました。プログラミング作業は難しい面もありますが、完成したゲームをみんなでプレイした時の達成感は、この授業でないと味わえないと思います。今後も授業の中でグループワークが増えていくと思いますが、今回の経験を活かし、コミュニケーションを大切に、より積極的に参加していきたいと思っています。

久保田 葉月さん 工学部情報工学科1回生
 今回のゲーム制作の授業は、1回生優先だったこと、また、ゲーム制作が面白そうだなと思ったことがきっかけで受講しました。今回習得したC言語は、プログラミング言語の基礎といわれるものですが、数多くあるプログラミング言語の中でも難易度が高く、また、私たちのグループが企画したゲームには細かい設定が多く、制作には多くの時間を要しました。制作発表会を終えてみて、まだまだ課題が多くあるなと実感しましたが、実際にゲームを体験してくれた方から、「こうしてみては?」という案やご意見を頂き、もっとやってみたいと、さらに意欲が湧いています。グループでの制作は、それぞれの得意分野を活かしたり、意見交換をすることで、内容を発展させることができたので、とても楽しかったです。C言語は、後期から必修で学ぶことになるので、今回の学習を活かし、今後も学びを深めていきたいと思っています。

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※SDL(Simple DirectMedia Layer)はグラフィクス、サウンド、ジョイスティック、スレッド、タイマーなどの機能を持つ、マルチメディアを扱うためのライブラリである。Linux、Windows、MacOSなど様々なOSで使用可能であり、C言語、C++、Javaなど複数のプログラミング言語にも対応している。






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