本学健康科学部は、現代人の健康を「心」と「体」の両面からとらえ、人が健康に永く生きられる社会の実現をめざし、2012年4月に心理学科※ および理学療法学科の2学科から成る組織として開設しました。その後現在に至るまで、救急救命学科、作業療法学科、臨床検査学科を設置し、西日本の医療系分野で最大規模を誇る学部として成長してきました。実践的なカリキュラムを軸におき、経験豊富な教授陣や現場の指導者の下、専門分野への学びを深めています。さらに毎年高い国家試験合格率を有し、病院や民間企業、消防署等で即戦力として活躍できる人材を日本全国へ輩出しています。
同学部が今年で10周年を迎えたことを受け、2022年9月18日(日)にアカデミックリンクスにて記念公演会を開催しました。講師には元スピードスケート選手であり、平昌オリンピック金メダリストの髙木菜那氏と、日本スケート連盟専属トレーナーの佐伯武士氏(京都下鴨病院理学療法部技師長)をお招きし、トップアスリートとトレーナーの特別対談『理学療法士と共に歩んだ6年間~栄光と苦難~』を実施しました。
髙木氏と佐伯氏が出会った経緯や、お互いが抱いた当初の印象、メダル獲得をめざしておこなったトレーニング指導やリハビリの内容、平昌オリンピックでの金メダル獲得時の状況など、動画や写真を用いてお話しいただきました。二人が日々共に目標に向かって歩む中で、佐伯氏が真摯に選手と向き合い、スピードスケートというスポーツを理解することに努めながら、髙木氏との信頼関係を築いていったこと、そしてその信頼関係の大切さが語られました。また、髙木氏は、オリンピックでの金メダル獲得という目標を達成するために、ご自身がどのように考え動いたか、夢に向かって努力することの素晴らしさについて語ってくださいました。さらに、髙木氏がオリンピックで獲得したメダルを会場で披露する場面も見られ、参加者にとっても貴重な機会となりました。
講演会には卒業生や在学生のほか、医療従事者を中心とした一般の方など、およそ120名が参加しました。参加者からは「医療従事者として患者さんとの信頼関係を築くことの大切さ、そのために相手と真摯に向き合うことが必要であることを改めて実感させられました」「オリンピックでの金メダル獲得のため髙木さんが並々ならぬ努力をされてきたことや、その素晴らしさに感銘を受けました」などといった声が寄せられました。
また、同日に心理学科、理学療法学科、臨床検査学科の卒業生対象イベントも実施しました。各学科、教室に卒業生と教員が集まり、久しぶりの再会を喜びながら卒業生の近況を語り合うなど、和やかに懇談する姿が見られました。
【健康科学部長 堀江淳教授のコメント】
本学健康科学部は、2022年4月をもちまして、開設10周年を迎える事となりました。これもひとえに、関係各所の皆様のご支援の賜物と深く感謝申し上げます。 健康科学部は、医療職を養成する学科が多いことから、学外実習科目がたくさんカリキュラムとして設定されております。学内教育だけではなく、実習施設の皆様の御尽力がなければ学部教育は成り立ちません。また、社会貢献活動や研究活動においても、地域の皆様の御協力なしでは成立しません。そのような意味からも、皆様と共に迎えることができたこの10周年であると思います。学生諸君には、皆様への感謝の気持ちを忘れることなく「恩返し」のできる人材に成長してほしいと願っております。
最後に、健康科学部は、これからも変化を続けます。その先駆けとして、来年度は、心理学科が、総合心理学部として独立します。社会の皆様、地域の皆様に愛され、頼られる健康科学部に成長していきたいと思います。
※2023年4月より総合心理学部 総合心理学科となります。