本学の学生が考えたキャッチコピーがポスターに採用!総数84案から選ばれ、京都市営地下鉄各駅で掲示中

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 京都府理学療法士会と京都市交通局では、現在「エスカレーターマナーアップキャンペーン」を実施しています。この取り組みの一環で2023年1月1日より、本学学生が考案したマナー啓発キャッチコピーが載ったポスターが京都市営地下鉄各駅に掲示されています。
 京都府理学療法士会エスカレーターマナーアップ推進委員会では、エスカレーターを利用する際は「歩かず、手すりを持って、立ち止まって」利用するよう啓発を実施し、事故防止と安全の確保に努めています。しかし、エスカレーターを駆け上がるなどの危険な行動がいまだ見受けられ、転倒、転落による骨折などの事故が起こっています。また、障害を抱えていて手すりを片側しか持てない人、杖を持っていないほうの手で手すりを持つ必要がある人など、すべての人が安心して利用できるようマナーの向上が必要な状況です。
 そこで、さらなるマナー向上をめざすことを目的とし、2022年6月12日、アリストンホテル京都十条にて、理学療法学科の学生などを対象に「キャッチコピーづくりワークショップ」を開催しました。

★900ワークショップ.png 講師にはコピーライターの池端宏介氏を招き、「エスカレーターでは立ち止まろう」をテーマに大学生22人がキャッチコピーを制作しました。出来上がったコピー84作品の中から優秀賞に5作品が選出され、このうち本学からは歴史遺産学科4回生の江本迪香さん、理学療法学科3回生の澤邑香乃さんの作品が受賞し、啓発ポスターとなって京都市営地下鉄各駅に掲示されることになりました。また、ポスターのデザインは京都芸術大学の学生が担当しました。

  

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江本迪香さん「前のひと、なんで止まってるの?」

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澤邑香乃さん「障がいが、目に見えるとはかぎらない。」

 
 

 キャッチコピーが採用された江本迪香さんは「ワークショップに参加する前は、エスカレーターでは片側に立ち、もう片側は歩けるように"通路"を作るものだと思っていました。自身の経験から、同じように思っている人に改めてマナーを正しく認識してほしいと考え、コピーにしました。ワークショップでは思いついた言葉をすべて紙に書くよう教わりました。書いた言葉をつなぎ合わせて何案も考えたのですが、短い文にメッセージ性を含ませるのが簡単そうでとても難しかったです。苦労して生まれたキャッチコピーだったので、ポスターに採用されて嬉しいです」と話しました。

 澤邑香乃さんは「エスカレーターでは片方は止まる用、もう片方は歩く用として利用する人が多いです。例えば右側が止まる用、左側が歩く用だとしたら、右手もしくは右足に怪我や障がいがあって、左手でしか手すりが使えない方にとっては、とても不便です。また、目に見えない怪我や障がいも沢山あるので、このキャッチコピーを見て、ハッと気付き、自分の行動を考えるようになってほしいと思って作りました。ワークショップでは様々な大学の方々と一緒に話し合いながら取り組む事ができ、新しい経験になり楽しかったです。また、普段の生活では意識しないことを考える時間になったので、とても貴重な時間になりました」と話しました。
 また、コピーライターの池端宏介氏は「コピーライティングは『何を伝えるか』『どう書いて表現するか』の2ステップで思考していくのですが、この発案方法はあらゆる分野で応用可能です。今回のテーマは『常識をひっくり返す』という目的のため、比較的考えやすかったと思います。『エスカレーターで立ち止まろう』という動きは世の中にはまだまだ知られていません。これから産官学、メディア含めて地道なムーブメントとなって全国に伝播していくことを願います。」と話しました。
 
 ポスターの設置期間は2023年5月31日までとなり、 5種類のキャッチコピーの異なるポスターを1ヶ月ごとに入れ替えて掲出します。また、全31駅での構内放送でもキャンペーンについてアナウンスされています。

 

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