全日本学生救急救命技術選手権で総合優勝した『橘救急隊』にインタビュー

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 2022年12月3日(土)、4日(日)に本学で「令和4年度 全日本学生救急救命技術選手権」が開催されました。救急救命士をめざす学生たちが、救急現場を想定した状況の中で傷病者の命をいかに迅速かつ的確に救うかを競い合う大会です。北日本・東日本・西日本・南日本の4つの地区で大会が開催され、地区大会を勝ち抜いた上位2校8チームが出場しました。

 この大会の評価方法は、病院前救護に精通した医師、救急救命士の評価者が、6つのステージにおける隊員の活動や隊活動を評価表に基づき評価し、各ステージの順位点の合計で総合順位を決定します。今回の想定内容は、①心肺停止想定 ②内因性想定 ③外因性想定 ④外傷想定 ⑤スペシャルステージ1※(国家試験問題) ⑥スペシャルステージ2(1次救命措置)が設けられ、競い合いました。
※隊活動を伴わないステージ

 自校開催の期待とプレッシャーがかかる大会で、救急救命学科有志で結成された「橘救急隊」が各ステージで高い評価を得て総合優勝に輝きました! 救急救命学科開設以来初の快挙を達成です。大会を終えて『橘救急隊』の学生と救急救命学科の杉木翔太助教にインタビューしました。

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健康科学部救急救命学科2回生のコメント
林 和孝 さん
 僕たちが練習を始めた1年前は、特定医療行為や病気から起こる症状なども授業で学んでいない状況だったので、先輩方と知識や技術に大きな差がありました。そんななか、イチから先生や先輩に教えてもらいながら、練習を積み重ねました。ただただ先輩の背中を追いかけ、追いつけるように頑張りました。
 全国大会の出場が決まり、隊長を務めることになったので、プレッシャーに負けないくらい練習してそのステージで2位をとることができました。先生や先輩に感謝の気持ちでいっぱいです。そして総合優勝ができて嬉しいです。来年は自分が皆を引っぱっていく立場となりますので、西日本大会で完全制覇での優勝をめざします!

仲村 咲 さん
 毎日の練習の中で、先輩たちのように隊活動ができるようになりたいと思ってきました。一つひとつの活動で、先輩たちは何を考えて、この行動を取ったのかを振り返り、自分に吸収できることを取り入れようと練習を重ねていきました。全国大会では、隊活動で参加した2つのステージで上位をとることができ、とても嬉しかったです。
 来年度は、自分自身のスキルを上げられるよう一緒に練習をしながら、自分が1年間練習して学んだことを次の代に共有していければと考えています。西日本大会で橘が完全制覇できるようサポートしていきたいです。

木村 菜摘 さん
 大会に出場するメンバーが9月に決まったときに、私は6番目のポジションで本番の隊活動には参加することができませんでした。選手としては貢献できませんでしたが、マネージャーとして隊活動の時間管理を見えるようにして、フィードバックで役立てるように頑張りました。隊活動での判断ミスが、傷病者に大きく影響を与えるので、処置の優先順位、手技の順番をフィードバックで先輩方は徹底的に話し合うからです。常に傷病者のために何ができるかという意識を持つことを先輩から学びました。
 一番近くでみんなを見てきて、優勝ができたこと、みんなの笑顔が見られたことが本当に嬉しかったです。1年間教えてもらったことや見てきたことを活かし、目の前の傷病者を救う隊に入れるように頑張りたいです。

健康科学部救急救命学科3回生のコメント
梅景 柚希 さん
 大会の練習を始めるときから、自分たちにとってこの大会は通過点だと思っていました。将来、救急救命士として現場に出たときに、目の前の人を救うための練習だと考えて、傷病者にとって一番いい対応ができることを常に意識して練習していました。大会でも、目の前で起こっている病態を理解した上で、その対応に全力を尽すことができました。
 総合優勝することができ、とても嬉しいです。一年以上にわたり、支えてくださった先生や友人、家族への感謝の気持ちが大きいです。西日本の地区大会で優勝を逃していたので、そのことが少し悔やまれます。大会での優勝も通過点だと思うので現状に満足せず、4回生になっても練習を続け、さらに技術を向上させていきたいです。

出野 航希 さん
 大会で良い成績をとることだけが目標ではなく、将来の自分のスキルアップのために頑張ろうとみんなで話をしていました。練習を始めた当初、隊活動はせず、手技の練習をしっかりした上で一つひとつの行動、対応を意識して練習してきました。練習を積んできたからこそ、無意識でも手技や活動ができたことが評価につながったのだと思います。
 練習に来てくださった先生方や先輩、友人たちのサポートがあったからこそ、みんなでとった優勝だと思っています。ただ大会での活動を振り返り、自分たちが行った活動が最善の活動ではなかったと自省する所もあり、訓練を重ねないといけないと思っています。卒業後は、現場での経験やスキルを上げていきたいです。そして将来は、救急救命士の育成に携わりたいと考えています。

井上 尚哉 さん
 大学を代表して出場するので、知識や技術の研鑽を積み、ゼミや授業でも率先していけるようになりたいと自身の態度からあらためていきました。練習のときから、傷病者だけでなく周りの関係者の命までも救えて、安心してもらえる隊活動ができるように意識しました。
 大会では、各ステージの想定内容も落ち着いて隊活動ができる病態が多く、傷病者だけでなく、周りへの配慮や説明もできたかなと思います。総合優勝ができて嬉しいです。ホームですることは緊張もしましたが大きな支えにもなりました。一つの大きな目標が達成できましたが、これからも練習を止めることなく続けていきたいです。この経験をきっかけに、橘全体の知識や技術を高め、レベルをあげ、それが全国の救急救命士のレベルアップにつながればと考えています。

杉木 翔太 助教 健康科学部救急救命学科
 日本一をとることができて私自身も嬉しいですし、学生の努力が実ったことを心からおめでとうといいたいです。大会での隊活動は、それぞれが納得できなかった所もあると思います。医療は日々進歩していくものなので、日々の努力と知識のアップデートを欠かさず、傷病者の命や関係者の気持ちを救える活動をしてほしいと思います。
 この大会がゴールではないので、学生たちが救急救命士になったときに、その先頭に立って救急救命士のレベルの底上げと、傷病者やその関係者をしっかり救うことを第一に考えて行動できる救急救命士になってほしいです。


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