経済学部経済学科の1回生8名が「サブカル×経済学 東京聖地巡礼ツアー実践研修」に参加しました。本研修は、経済学部経済学科・牧和生准教授のコーディネートで、サブカルチャーや推し活、オタク文化をテーマに、経済学的な観点から体験的に学ぶことで、経済学への興味関心を高めることを目的として実施されました。研修は、2回の学内事前学習と1泊2日の東京研修で構成され、事前学習時に学生たち自らの興味関心のあるテーマで企画したオリジナルの「聖地巡礼ツアー」を、東京で実際に経験し、そこで得た学びの成果を発表するという内容となりました。
1月7日(火)と14日(火)に実施された事前学習では、はじめに、牧准教授が「コンテンツツーリズムとは?」をテーマにミニ講義を実施しました。コンテンツツーリズムとは、アニメや映画の舞台となった実際の現場を見てまわることで、聖地巡礼とも称されています。人々が聖地巡礼する意義や文化的背景、経済効果などについてのレクチャーの後、学生たちの興味関心に基づき2つのグループを編成し、各グループのオリジナル聖地巡礼ツアーを企画立案するワークショップを実施しました。
ミニ講義の様子
ツアー企画立案ワークショップの様子
2月6日(木)~7日(金)に東京で行った研修の1日目には、事前学習にて企画立案したツアーをAグループ・Bグループの2グループにわかれて実施しました。
Aグループは、アニメやマンガなどのサブカルチャーに興味のある学生と、美術や建築に興味のある学生のグループで、国立新美術館や、サブカルチャーの聖地といわれる秋葉原や池袋などをまわり、アニメやマンガ、映画の舞台となった聖地を訪ねました。
Bグループは、HIPHOP、K-POPなどの音楽やファッションに興味にある学生のグループで、新大久保、原宿、渋谷など音楽やファッションを取り巻くカルチャーの中心地をまわり、文化的背景や経済効果などを探りました。
2日目には、グループごとにツアーを実施して得た気づきや学びを資料にまとめ、プレゼンテーションと意見交換を行いました。
ツアーの様子
成果発表会の様子①
成果発表会の様子②
参加した学生たちは、「一緒にツアーに行ったメンバーや牧先生と話す時間によって、自分がこれからどのように学ぶかを考える機会となった。ツアーに参加し主体的に行動してよかったと感じている」「机に向かって勉強するよりも実際に直接見て体験するほうが経済学を身近に感じることができ『学んでいる』という感じがした。これから、もっと楽しく経済学を学んでいきたい」「集団行動やグループ行動が苦手な私にとっては挑戦的部分もあったのですがグループの雰囲気も良く楽しく行動ができた」「自分の好きなことを追究することでさまざまなジャンルへ視野が広がるという、とても貴重な経験になった」などの感想を述べました。
牧准教授は「一口に聖地といっても、その解釈はいくつもありうる。イメージしやすい『アニメやマンガの聖地』だけではなく、自分とその場所に特別な感情が結びつけば『聖地』となる。実際にその場に足を運ぶことでしか得られない情報や空気感に出会えることが、コンテンツツーリズムの醍醐味である。このツアーを通じて、他者の『大切な場所とその理由』を共有しあうことで、多様な価値観を持つ他者と良好な関係を築くことの大切さを学んでくれたのではないか」と総評しました。
今回参加した学生の興味関心は、アニメ・マンガ・ゲーム・音楽、ファッション、美術、建築など多岐にわたり、それらのカルチャーと経済学がどのように結びついているのかを、実際に自分たちの目で見て触れて気づきを得ることができました。また、他者の興味関心に触れることで視野を広げ、経済学の多様性を実感する機会となりました。