2025年5月1日(木)、平賀緑准教授が担当する「非営利経済論」の講義において、NPO法人泉京・垂井(せんと・たるい)の神田浩史氏をお招きし、講演会を開催しました。
「非営利経済論」では、気候危機や格差社会など現代社会の課題を背景に、利潤追求を前提とする資本主義経済の対抗軸として注目される、食、農、環境、教育、医療福祉、まちづくりなどの多様な分野における非営利な取り組みや活動の意義を学びます。
今回の講演会では「まちづくりの視点からみた居場所づくり」をテーマに、NPO法人泉京・垂井が拠点をおく岐阜県垂井町での取り組み事例を紹介いただきました。まずは、「援助する・される」ということの意味や捉え方について、自身が海外でODA(政府開発援助)や国際協力に携わった活動経験をもとにお話しされました。次に、より幸福度の高いまち・垂井として一人ひとりが主役のまちづくりの実現を目標に同団体が取り組んでいる、小・中・高校生向けの揖斐川流域環境教育や、フェアトレードを促進する活動などについて紹介いただきました。
「人と人とのつながり」「環境に負荷をかけない持続可能な暮らし方」「グローバルな視点で地域の課題に向き合うこと」「地域らしさや自分らしさを生かす地域づくり」などの活動を通じて、「地域づくりの担い手」として一緒に取り組む仲間をつくる様子を丁寧にお話しいただき、学生にとっては非営利活動の考え方から実践法に至るまで、より一層の理解を深める機会となりました。
参加した学生らは「非営利活動には支え合う、助け合うといった『対等な関係』が重要であるということを学びました」「『数値では測れないことが大事』という言葉により一層重みを感じた」などの感想を述べていました。
平賀准教授は「やさしいつながりを『みずのわ』のように広げていくという活動から『一人ひとりがまちづくりの主役』になり、積極的に地域や社会を担う人材になることが、人も自然も壊さない経済社会には重要。今日の講演で学生たちは、神田氏の豊富な知見と実践例からたくさんの気づきを得られたのではないか」と総評しました。
NPO法人泉京・垂井 神田 浩史氏