「たちばな みんな得する!保育・教育まなびセミナー2025」第3回講座は、2025年8月2日(土)にオンライン(Teamsウェビナー)形式で開催され、「小学校教員のための仕事に活かせるAI(人工知能)活用術」をテーマに本学工学部情報工学科の大場みち子教授が講師を務めました。
講座冒頭、大場教授は「AIは避けるものではなく、授業の可能性を広げるパートナーです」と述べ、参加者にAI活用の意義を伝えました。続けて、①AIと教育の関係を理解する、②授業や校務に役立つ具体的な使い方を学ぶ、③教師自身のAIリテラシーを高める、という三つの目標が示されました。
講演の中心では、ChatGPT・Google Gemini・Microsoft Copilot・Canva などのツールを状況に応じて組み合わせ、指導案の草案づくりや教材のビジュアル化、議事録の要約、通知文のドラフト作成など、"明日からすぐに試せる"活用例が次々と紹介されました。大場教授は「AIが得意とする生成・要約・分類を任せることで、教師は児童との対話により多くの時間を割くことができます」と述べ、AIを活用した新しい働き方の可能性を示しました。
さらに、質の高い成果を得るためのポイントとして、プロンプトエンジニアリングの三つの工夫――「誰の立場で」「何の目的で」「どの形式で」を明確にすること――が紹介され、実際に指示の仕方を少し変えるだけで成果物の質が大きく向上する様子がデモで示されました。一方で、誤情報(ハルシネーション)や思考過程の不透明さ、児童の思考力への影響、著作権・個人情報に関する法的・倫理的な課題にも触れ、最終的な事実確認や判断は教師の役割であると注意が呼びかけられました。
講座の締めくくりに、大場教授は「AIは教師の負担を軽くし、教育の質を高めてくれる心強いパートナーです。まずは小さく試し、成果を共有しながら少しずつ活用の輪を広げてください」と参加者にメッセージを送りました。受講後のアンケートには「すぐに活かせる有意義な知識が得られた」といった感想が寄せられました。
次回講座は2025年9月13日(土)、ハートピア京都で対面開催予定の「気になるこどもの行動理解と対応~先生の話を聞かないのはなぜ?~」です。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。